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建設業にとって自然災害は避けて通れない経営課題です。地震や豪雨による被害が発生した際、現場の復旧や地域支援を進めるうえで欠かせないのが「水」の確保です。特に断水が長期化した場合、作業員の生活環境や衛生管理だけでなく、復旧作業そのものにも大きな影響を与えます。
近年は能登半島地震をはじめ、大規模災害時における水供給体制の重要性が改めて注目されています。そうした中、水処理技術を手掛ける水道機工株式会社が、新たな非常災害用造水装置を発表しました。災害対応の現場経験から生まれた製品であり、防災意識の高い建設会社にとっても参考になる取り組みです。
『上下水道施設及び環境保全・衛生施設の設計・施工・管理を主な事業として展開する、水道機工株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:古川 徹、以下「水道機工」)は、この度、当社独自の非常災害用造水装置の新製品「スイオー セイフティ U」を2026年6月より販売開始いたします。
当社は、これまで東日本大震災、熊本地震、そして能登半島地震など、大規模な自然災害発生時に被災地へ非常災害用造水装置を迅速に搬入し、水支援活動に取り組んでまいりました。今回発表する「スイオー セイフティ U」は、これら災害支援の経験や、断水が長期化する現場での運用で得られた改善点・知見を反映し開発された新製品です。』
引用元:水道機工株式会社プレスリリース(PR TIMES掲載)
災害発生時、多くの人がまず電気や通信の復旧を気にします。しかし実際には、水の確保が長期間にわたり課題となるケースも少なくありません。
熊本地震では避難所で飲料水不足が発生し、能登半島地震では地域によって断水が数か月に及んだことが報告されています。建設業においても、復旧工事や応急対応に従事する作業員の飲料水や生活用水の確保は重要な課題です。
特に地方部では給水車がすぐに到着できない場合もあり、現場単位で最低限の水を確保する仕組みが求められています。近年はBCP(事業継続計画)の観点からも、災害時の水確保は企業の防災対策として重要視されています。
今回発表された「スイオー セイフティ U」の特徴は、河川水やプールの水などを原水として利用しながら飲料水レベルまで浄化できる点です。
1時間当たり3000リットルの処理能力を持ち、1日10時間稼働した場合には約1万人分の飲料水を供給できるとされています。さらに一般細菌や大腸菌を除去できるUF膜を採用しており、災害時でも安全な飲料水の確保を目指しています。
また、家庭用コンセントや発電機で運転できるため、専門技術者が常駐しなくても使用可能です。建設会社が災害協定を締結している自治体や地域団体と連携する際にも活用の可能性があります。
建設業の視点で注目したいのは機動性です。災害現場では性能だけでなく、どれだけ早く運び込めるかが重要になります。
同製品は一般的なドアを通過できるコンパクト設計となっており、6輪キャスターによって移動も容易です。設置作業は約6人で対応でき、搬入から約30分で稼働可能とされています。
大規模設備のように重機を必要とせず、避難所や学校など比較的狭い場所にも設置しやすい点は実用性の高さを感じさせます。実際に能登半島地震の経験を踏まえて改良されたことからも、現場での運用を強く意識した設計であることがうかがえます。
引用元:水道機工株式会社プレスリリース(PR TIMES掲載)
このような最新設備をすぐに導入することが難しい企業もあるでしょう。しかし重要なのは製品そのものではなく、「水の確保をどう考えるか」という視点です。
災害協定の締結状況を確認することや、非常用飲料水の備蓄量を見直すこと、発電機や簡易浄水設備の整備状況を点検することなど、中小企業でも取り組める対策は数多くあります。
また自治体やインフラ企業がどのような防災設備を整備しているかを把握しておくことも重要です。災害発生時に協力会社や行政との連携がスムーズになり、復旧活動への参加にもつながります。
近年の大規模災害は、断水が長期化するリスクを私たちに突き付けています。今回発表された新型造水装置は、被災地支援の経験から生まれた実践的な設備であり、防災対策の重要性を改めて考えるきっかけとなるでしょう。
建設業においても、地域インフラを支える立場として、水の確保を含めた災害対応力の強化が今後ますます求められそうです。
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「建設円陣PLUS編集部」は、建設業界に特化したプラットフォーム「建設円陣」を運営する株式会社エンジョイワークスの編集チームです。中小建設業の経営・人材・現場課題を、国土交通省・厚生労働省、業界専門紙や公的機関の情報をもとに解説します。