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建設業では毎年のように熱中症による労働災害が発生しており、企業にはこれまで以上に実効性の高い対策が求められています。ファン付き作業着や飲料の支給といった従来型の対策だけでなく、働く人の行動や生活動線まで含めて考える企業も増えてきました。
そのような中、鉄筋工事を手掛ける株式会社松伸は、社員の安全確保と働きやすさ向上を目的として、オリジナルデザインのポロシャツを全社員へ支給しました。単なる制服変更ではなく、熱中症リスクの低減と社員参加型の職場づくりを両立する取り組みとして注目されています。
『1974年の創業以来、鉄筋工事のソリューションを提供してきた株式会社松伸(埼玉県八潮市:代表取締役社長 長田哲也)は、2026年夏を前に建設現場の枠を超えた熱中症対策の一環として、女性社員発案のオリジナルデザインのポロシャツを全社員に支給しました。』
建設業界ではファン付き作業着の普及が進んでいますが、熱中症リスクは現場作業中だけに存在するわけではありません。現場への移動中や休憩時間、帰宅時なども高温環境にさらされるケースは少なくありません。
特に長袖作業着の着用が必要な職種では、現場外でも身体への負担が大きくなります。企業側が現場内だけを対象に対策を講じていても、従業員の健康を十分に守れない可能性があります。
近年は気候変動の影響もあり、猛暑日が増加傾向にあります。熱中症対策を「現場だけの問題」と捉えるのではなく、出勤から退勤までの一連の行動全体で考える必要が出てきています。
松伸が導入したポロシャツは、通気性や吸汗速乾性に優れた素材を採用し、快適性向上を重視しています。男性職員や現場職員向けには導電性繊維や紫外線カット機能を備えた素材を採用し、女性事務職員向けにはデザイン性と機能性を両立した仕様となっています。
さらに特徴的なのが、デザインを入社1年目の女性社員が担当した点です。経営陣が一方的に決めるのではなく、実際に働く社員の意見を反映することで、着用への抵抗感を減らし、社内の一体感向上にもつなげています。
近年は若手社員の定着や企業ブランディングの観点からも、働きやすい職場環境づくりが重要視されています。こうした取り組みは単なる熱中症対策にとどまらず、人材確保や人材定着にも好影響を与える可能性があります。
熱中症対策は一つの施策だけで十分な効果を得ることは困難です。松伸でもポロシャツ支給に加え、水分補給や塩分補給、ファン付き作業着の活用、こまめな休憩確保などを組み合わせて運用しています。
建設現場は作業内容や立地条件によって環境が大きく異なるため、画一的なルールでは対応しきれません。現場ごとの状況を把握しながら柔軟に対策を講じることが重要です。
また、近年は安全対策そのものが企業選びの判断材料になるケースも増えています。求職者から見れば、「社員を大切にする会社かどうか」を判断する材料になるためです。安全対策への投資はコストではなく、人材確保のための経営戦略として考える時代になりつつあります。
大規模な設備投資が難しい中小企業でも、熱中症対策として実施できることは少なくありません。 例えば、通気性の高い作業着の導入、冷却グッズの支給、給水ルールの明確化、休憩場所の環境改善などは比較的取り組みやすい施策です。
また、現場ごとの危険度を共有する仕組みや、体調不良を申告しやすい職場風土づくりも重要になります。 特に経営者や管理職は、「我慢することが美徳」という考え方を見直し、無理をさせない現場運営を徹底する必要があります。事故や労災を防ぐことはもちろん、社員の満足度向上にもつながります。
建設業の熱中症対策は、もはやファン付き作業着や飲料の支給だけでは十分とはいえません。株式会社松伸の事例は、通勤時や事務職も含めた総合的な対策を行なうことで、安全性と働きやすさを両立できることを示しています。
今後も猛暑の常態化が予想される中、社員の健康を守る取り組みは企業価値そのものを高める重要な経営課題となるでしょう。
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「建設円陣PLUS編集部」は、建設業界に特化したプラットフォーム「建設円陣」を運営する株式会社エンジョイワークスの編集チームです。中小建設業の経営・人材・現場課題を、国土交通省・厚生労働省、業界専門紙や公的機関の情報をもとに解説します。