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10月も終わりに近づき、日中は過ごしやすくても朝晩はぐっと冷え込む季節になりました。この時期の現場で気をつけたいのが、コンクリートの養生(養生とは:打設したコンクリートが十分な強度を得られるよう、温度や水分を保って守る作業)です。
先に結論をお伝えすると、秋の終わりの養生は「打設後の最初の数日間、コンクリートを冷やさない・凍らせない」ことがすべてと言っても過言ではありません。日中の気温だけを見て油断していると、夜間から明け方の冷え込みで品質トラブルにつながるおそれがあります。
※画像はイメージです
コンクリートはセメントと水が反応する水和反応(水和反応とは:セメントが水と化学反応して固まっていく現象)によって強度を高めていきます。この反応は温度が低いほど遅くなり、およそ5℃を下回るとかなり鈍くなるといわれています。
さらに怖いのが初期凍害(初期凍害とは:固まりきる前のコンクリート内部の水分が凍って膨張し、組織が傷んでしまう現象)です。一度凍害を受けると、後から暖めても強度は元に戻りにくく、表面のはく離やひび割れの原因になります。
特に注意したいのは、晴れて風のない夜です。放射冷却で地表付近の気温が予報より下がりやすく、型枠の角やスラブの端部など、外気に触れやすい部分から冷えていきます。
日本建築学会のJASS 5(JASS 5とは:鉄筋コンクリート工事の標準的な施工方法を定めた日本建築学会の仕様書)では、寒中コンクリート(寒中コンクリートとは:凍結のおそれがある時期に施工するため、特別な対策が必要となるコンクリート)の適用期間の目安として、打込み日を含む旬の日平均気温が4℃以下となる期間などが示されています。また、初期凍害を防ぐためには、圧縮強度が5N/mm²程度に達するまで凍結させないことが大切だとされています。
秋の終わりは、まだ寒中コンクリートの期間に入らない地域も多いものの、「基準の期間外だから大丈夫」とは言い切れません。日平均気温が高めでも、明け方だけ氷点下近くまで下がる日は珍しくないからです。気象庁の「2週間気温予報」や「早期天候情報」を活用し、打設日だけでなく打設後数日間の最低気温まで確認しておくと安心です。
冷え込みへの対策が後手に回ると、強度不足による脱型(脱型とは:固まったコンクリートから型枠を取り外すこと)の遅れや、手直し工事の発生につながります。工程が押せば、年末に向けた繁忙期の段取り全体に影響が出かねません。
発注者や元請けからの信頼にも関わるため、「たかが数日の養生」と軽く考えないことが大切です。
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まず取り組みたいのは、打設後すぐにシートや養生マットで表面を覆い、熱と水分を逃がさないことです。ブルーシートを二重にしたり、断熱性のある養生マットを使ったりするだけでも効果があります。
冷え込みが厳しい日は、ジェットヒーターなどの採暖設備も検討しましょう。ただし、シートで囲った内部で燃焼式の機器を使う場合は、一酸化炭素中毒や火災に十分注意し、換気と見回りを徹底してください。
あわせて、生コン工場と相談して打設時間を気温の上がる午前中に寄せる、配合を見直すといった工夫も有効です。温度計を設置して夜間の温度を記録しておけば、万一のときの判断材料にもなります。
秋の終わりのコンクリート養生は、朝晩の冷え込みを前提に「最初の数日を守る」意識が何より大切です。天気予報の確認、シートでの保温、必要に応じた採暖の3つを習慣にして、品質トラブルのない冬支度を進めていきましょう。
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