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河見代表が建設の世界に踏み込んだのは、今から約20年前。もともと「作ることが好き」という性分で、幼い頃からプラモデルを組み立て、若い頃はバイクや車いじりに夢中だったという。
「一から作れる仕事をしたいと思って探していたら、ふと目に入ったのがエクステリアという仕事で」
当時はハローワークで仕事を探す時代。たまたま目についた葵緑化株式会社の求人に応募し、職人として入社した。入社前は両親が営む内装業を手伝っており、建設業自体はなじみのある世界だったが、造園・外構という分野はまったく新しい挑戦だった。
先代(創業者)のもとで職人として現場一筋でキャリアを積んでいたが、ある時期から先代に「営業もやってみないか」と声をかけられる。現場仕事と営業を半々でこなしながら経験を積み、やがて会社を継承、代表として会社を引っ張る立場になった。
「先代には凄くよくしていただいた。その後押しがなければ今の自分はなかった」と、河見代表は感謝を口にする。職人として培った技術と、先代から引き継いだ経営の礎が、今日の葵緑化を支えている。
葵緑化の最大の強みは、施工だけでなく「図面を描いて提案できる」点だ。エクステリア・造園業者の中でも、現場施工と設計提案の両方をこなせる会社は少ないと河見代表は言う。
「職人で現場をやるだけでなく、図面を描いたりっていう業者が特に少ないみたいで。先代が手書きの頃から図面を作ってくれていたので、うちではそれが当たり前になっていた」
図面があることで、元請けのハウスメーカーや営業担当者がお客様への提案をしやすくなる。
現在の仕事の約8割は大手ハウスメーカー系リフォーム会社からの依頼で、月に10件前後の現場を4名の社員とパートナー職人で回している。
また、直接問い合わせてくる地元のお客様も一定数いる。ホームページを見て連絡してくる近隣の住民からの仕事も手がけており、そういった案件では緑を積極的に取り入れた提案ができることが強みになっている。
「エクステリアだけで作っても、緑が一つぽんと入ると格段に柔らかくなるし、すごく映えるんですよね。構造物自体も引き締まってかっこよくなる」
仕事の充実度は高く、依頼を断ったり2ヶ月待ってもらうケースもあるほどだ。
中小建設業にとって「断れるほど仕事がある」状態は理想的に見えるが、その分、人手不足が深刻な課題としてのしかかっている。
建設業全体で叫ばれる人材不足は、エクステリア・造園業界でもひときわ深刻だ。
「今は職人さんもそうですし、業者さんが少ない時代で。特にエクステリアは少ないんですよ」
また、業界のトレンドの変化も経営課題の一つだ。かつては植栽をふんだんに取り入れた庭が主流だったが、近年は維持管理の手間を嫌う顧客が増え、エクステリア工事が仕事の9割を占めるほどになっている。
植木を希望するお客様でも「手がかからない木がいい」「あまり伸びないのがいい」というニーズが多く、樹木のプロとして内心では「なかなか難しいんですけどね」と思いながらも、お客様の声に耳を傾けながら提案する日々だと苦笑いしながら話してくれた。
元請け依存のリスクも感じており、現在は仕事の約8割を1社に依存する構造に課題意識を持っている。
「直接のお客様の割合を少しずつ増やしていきたい」という意向があるが、そのためにも人材の確保・育成が先決だと考えている。
新たに入社した社員には、現場で先輩に聞きながら根気強く技術を身につけてもらうよう丁寧に向き合っている。
「一回で全部覚えようというのは難しい職業なので、根気強く教えていくしかない」
昭和59年の創業から、葵緑化は40年以上にわたって地域の外構・造園を支えてきた。その歴史ある会社を受け継いだ河見代表が描く未来は、シンプルながら力強い。
まず目先の課題は人材補充だ。現在、仕事量に対して人手が足りていない状態が続いており、依頼を断ることも珍しくない。
「まずは人手のところを重点的に考えて、それから受ける体制を整えた上で窓口を広げていきたい」と話す。
体制が整ったら、直接のお客様からの案件を増やし、元請け依存からの脱却も図る。そこで本来の得意分野である「緑の提案」をもっと積極的に打ち出していきたいという。
「やっぱり緑は売りたいなっていうのはありますね。エクステリアの中に緑が一つあるだけで全然違いますから」
これから建設・造園の世界に入ろうとしている人へも、温かいメッセージを贈ってくれた。
「家の外回りをかっこよくして、お客様に喜んでいただける仕事です。興味がある方がいらっしゃれば、ぜひ大歓迎です」
職人として積み上げてきた20年のキャリアと、先代から受け継いだ40年の歴史を胸に、河見代表は今日も現場を走り続けている。
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取材を通じて感じたのは、河見代表の「緑への愛着」の深さでした。エクステリアが主流となった今も、緑が空間を引き締めるという信念は揺らがない。その眼差しが、40年続く会社の誇りを映し出しているようでした。