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| 会社名 | 株式会社フジ建 |
| 代表者 | 藤原 充子 |
| 所在地 | 岡山県岡山市中区倉益130-25 |
| 主な事業 | 土木工事(道路・駐車場・舗装補修 等) |
| 設立 | 2007年11月 |
| 従業員数 | 6名 |
「私が代表というより、夫が全部仕切っているんです。ほぼほぼ」と、藤原充子代表は笑いながら話す。フジ建の経営スタイルを語るうえで、まず欠かせないのが、夫の存在だ。
夫は長年、別の舗装工事会社に勤め、代表として現場を率いてきたベテランだ。しかし、恩義のある会社の社長への義理から「自分の会社を持つ」という夢を封印し、定年まで勤め上げた。その夢を形にするために生まれたのが、妻・充子さんを代表に据えた株式会社フジ建だ。
中小建設業にとって、代表者の「本気度」と「現場力」が会社の命運を左右する。フジ建の場合、その二つが夫婦それぞれの役割として分担されていることが、会社の強固な基盤になっている。
フジ建の日々は、夫が現場全体の段取りと施工を仕切り、充子代表が経営・事務・サポートを担うという明確な役割分担で成り立っている。夫は現在、フジ建の社員として動いており、「社長はお父さんではなく私だけど、動かしているのは主人」という構図が、この会社のリアルな姿だ。
現場の強みとして充子代表が真っ先に挙げるのが「施工スピード」だ。道路や駐車場の舗装工事では、材料であるアスファルト合材の搬入タイミング・ダンプの台数・機材の段取りを事前に緻密に計算し、現場でのロスタイムを極限まで削る。この段取り力こそが、同業他社より施工量が多く、工期短縮を実現できている理由だという。
次男・四男が現場作業の中心を担い、三男は別の関連会社でオーナー兼社長として動く。身内が複数の会社を持ちながら互いの現場を支え合うこの体制は、家族の信頼があってこそ実現できるものだ。中小建設業にとって、「身内の連携」が強みになり得ることを、フジ建の組織は具体的に示している。
建設業全体で深刻化している人手不足は、フジ建にとっても例外ではない。特にアスファルト舗装は、猛暑・酷暑の中で高温の合材を扱う過酷な作業だ。「はっきり言ってしんどい仕事だと思います」と充子代表も認める通り、現場作業員・ダンプ運転手の採用は容易ではない状況が続いている。
そこでフジ建が重視しているのが、「働く人が無理なく続けられる環境」だ。その象徴が「やりじまい制」──現場の作業と翌日の準備が終わり次第、時刻に関わらず帰宅してよいというルールだ。
処遇面でも改善を続けている。日給制から全員月給制に切り替え、今年度はベースアップも実施した。従業員が「ありがとうございます」と言葉にしてくれたというエピソードが、信頼関係の積み重ねを物語る。現在は雨天休業日も、自由に過ごしてよい方針をとっている。中小建設業にとって採用力は経営の生命線だが、フジ建の「働きやすさ」への姿勢は、その課題に正面から向き合うものだ。
「ビジョンとかかっこいいことはよくわかんないですけど」と笑う藤原代表だが、フジ建の現在地には、着実な未来設計が見える。ここ2〜3年で土地の購入・施工機械の新規導入・回送車の整備と、設備投資を一気に進めてきた。
その目的は、後継者である息子たちが「道具がない・場所がない」で困らないよう、現場環境を整えることだ。夫婦で一から積み上げてきた会社の土台を、次世代にそのまま渡せるよう準備している。
中小建設業において、夫婦・家族で経営を担うスタイルは決して珍しくない。しかしフジ建が示しているのは、それが「小さくまとまること」ではなく、「互いの役割への信頼が、現場の強さを生む」ということだ。同じ悩みを持つ経営者にとって、一つの確かなモデルではないだろうか。
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取材を通じて感じたのは、藤原社長の「私が代表だけど、動かしているのは主人」という言葉の清々しさでした。お互いの強みを活かし、役割を分け合って17年──夫婦で守り続けてきた現場の誠実さが、フジ建の最大の強みだと感じました。