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🔨 埼玉県新座市に拠点を構え、関東一円でマンション改修や橋梁などの足場工事を手がける株式会社スワロー。率いるのは、16歳でこの世界に飛び込み、現場一筋でキャリアを重ねてきた中村豪社長(52)です。「技術はピカイチ」と言い切るその裏には、長年積み上げた確かな腕と、安全への揺るがないこだわりがありました。👷♂️ 人材の確保が年々難しくなる中小建設業にとって、職人を育て、次へ受け継ごうとする中村社長の流儀をうかがいました。
中村社長がこの業界に入ったのは、16歳のときでした。「早く自立がしたくて」高校をやめ、知り合いの紹介で足場の世界へ。最初の会社で4年間、現場で腕を磨きます。
20歳で運転免許を取り、一度は運転手の仕事も経験しました。しかし「ずっと肉体労働をやってたから、体がなまっちゃって」、わずか数ヶ月で再びとびの世界へ戻ります。21歳、求人媒体で見つけた会社に経験者として入社。即戦力として働くうち、やがて「すごいなと思える人がいなくなって」きたといいます。学ぶべき相手がいなくなるほど、腕を上げていったのです。
そんな中村社長に、取引先の元請けから「独立してうちでやらないか」と声がかかります。戸建ての新築足場を経験した時期もありましたが「物足りなくて」、声をかけてくれた元請けのもとへ頭を下げに行き、23歳で独立を決意。このとき、前の現場の工期をきっちり収めてから辞めたといいます。「ちゃんときっちり収めてからじゃないと、やめれないじゃないですか」。独立の第一歩から、その誠実さは表れていました。
「うちの強みは?」と尋ねると、中村社長の答えは明快でした。「まず、早い」。しかも「納期は遅れたことがない」と言い切ります。スピードと確実さを両立できるのは、長年の現場で培った技術があるからこそ。中小建設業にとって、納期と品質を守る信頼は何より大きな財産です。
もう一つの強みが、安全です。事故の件数が少ない理由を問うと、徹底しているのは「当たり前のこと」だといいます。「ハーネスは、ちゃんと使用しなきゃ意味がない」。当たり前のことを当たり前に言い、それを従業員が当たり前に守る──口にするのは簡単でも、現場で貫き続けるのは難しいものです。職長も、安全には口を酸っぱくして取り組んでいます。
現場は2〜3チーム体制で動き、それぞれをベテランの職長が率います。中村社長が長年かけて育てた職長たちが各現場を任されているからこそ、複数の案件を同時に、しかも質を落とさず回していけるのです。
スワローが請け負うのは、中高層マンションの改修や新築の足場が中心。居住者がいる現場も多く、職人一人の振る舞いが会社の評判を左右します。「うちは結構、お客さんから評判よくしてもらってる」──その言葉の裏には、技術だけでなく現場でのマナーまで含めた信頼の積み重ねがあります。取引先も、手形に頼らない安定した会社とだけ付き合う堅実さ。スワローの強さの理由は、派手さではなく一貫した誠実さにありました。
いま、建設業は深刻な人手不足に直面しています。「昔の3Kのイメージのまま、嫌われてる感じ」と中村社長。実際には安全管理が格段に厳しくなり、事故も減っているのですが、若い世代が建設業を選ぼうとすると「親が反対する」ことも少なくないといいます。
スワローは、その課題に外国人技能実習生の受け入れで向き合ってきました。現在の従業員10名のうち7名が実習生。送り出し機関の教育の質を見極めながら、ベトナム・カンボジアの若者を受け入れています。「真面目で、いい子たちばっかり」と中村社長は目を細めます。
2027年からは実習制度そのものが大きく変わる見込みで、中小建設業にとっては人材戦略の転換点です。「組合がこの後どう動くのか」を見極めながら、慎重に次の一手を考えています。一方で、社長が本当に増やしたいのは若い日本人の担い手。ただ闇雲に頭を下げて集めるのではなく「ちゃんとやってくれる子」を育てたい──人を大切にするからこその、まっすぐな採用観がそこにありました。
スワローには、頑張った人にしっかり報いる仕組みがあります。職長になれば、燃費のよい社用車を一台支給。通勤にも私用にも自由に使えるといいます。諸手当や残業手当、交通費、資格取得支援も整い、地方から出てくる人には寮の相談も可能。「不動産屋に知り合いも多いから、電話一本で家の契約もできる」と心強い。仕事のあとはみんなで釣りに出かけ、外国人実習生も一緒に楽しむ──そんなアットホームな一面もあります。
求める人物像について、中村社長はこう語ります。「独立してほしいんじゃなくて、ついてほしい」。それでも、独立を志す人は応援するといいます。なぜなら、自社の技術に絶対の自信があるからです。「技術の部分は、もうピカイチ」。職長も実習生も腕は上位──その自負を裏づけるエピソードがあります。かつてスワローで職長になれなかった人が、よその会社へ移ったら一週間もしないうちに職長を任された、というのです。
「うちで仕事を覚えてもらえれば、独立の近道になる」。この言葉こそ、現場一筋で腕を磨いてきた中村社長から、次の世代へのいちばんのメッセージなのかもしれません。
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📝 編集部コメント
取材を通じて感じたのは、中村社長の「当たり前を、当たり前に」貫く一徹さでした。技術への自信を堂々と口にしながら、人を育て次へ受け継ごうとする姿勢に、現場一筋で歩んできた年月の重みがにじんでいました。