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建設業において、災害対策は現場の安全確保だけでなく、事業継続計画(BCP)や地域社会への貢献という観点でも重要性が高まっています。近年は豪雨や台風、地震などの自然災害が頻発しており、停電への備えも経営課題の一つとなっています。
そうした中、熊本県玉名市と民間企業が締結した災害時応援協定は、地域防災の新たなモデルとして注目されています。従来は電力会社や自治体が中心だった災害時の電力確保に、系統用蓄電所を活用する取り組みが加わり始めています。建設業にとっても、防災インフラ整備や地域連携のあり方を考える上で参考になる事例といえるでしょう。
『玉名市内で開発を進める「NC玉名市青野蓄電所」を地域インフラとして活用し、平時には電力需給の安定化に貢献するとともに、有事には地域住民への電力供給拠点として機能することを目指します。』
引用元:株式会社リミックスポイント プレスリリース(PR TIMES掲載)
株式会社リミックスポイントと日本蓄電池株式会社は、2026年6月に熊本県玉名市と災害時応援協定を締結しました。両社が共同出資するファンドを通じて開発した「NC玉名市青野蓄電所」を災害発生時の電力供給拠点として活用することが主な目的です。
あわせて、防災備品として活用できるポータブルバッテリー10台も玉名市へ寄贈されました。平時は電力需給の調整に貢献しながら、非常時には地域住民を支えるインフラとして活用する点が大きな特徴です。
建設会社にとって災害時の停電は決して他人事ではありません。事務所機能の停止、通信手段の断絶、現場管理システムの利用停止など、停電による影響は想像以上に大きなものがあります。
近年はクラウド管理システムや電子帳票、遠隔監視設備などの導入が進んでおり、電力確保は業務継続の前提条件となっています。
また、地域密着型の建設会社は災害発生時に復旧工事や応急対応の担い手となるケースも少なくありません。そのため、自社の事業継続だけでなく、地域インフラの維持という役割も求められています。
今回の協定で活用される蓄電所は、定格容量約8MWhを持つ大規模な設備です。災害時には有資格者の操作によって外部へ電力供給が可能となり、スマートフォンの充電やポータブルバッテリーへの給電などに利用できます。
特に避難所や災害対策本部では、通信機器や照明、情報収集機器の稼働が重要になります。こうした設備への電力供給が確保されることで、災害対応能力の向上が期待されます。
さらに、再生可能エネルギーの普及が進む中で、蓄電所は電力需給の安定化にも寄与します。脱炭素社会の実現と防災力向上を同時に進められる点は、今後のインフラ整備における大きなメリットといえるでしょう。
今回の事例で注目すべきなのは、自治体と民間企業が平時から協力体制を構築している点です。
災害発生後に対応を検討するのではなく、事前に協定を締結し、役割分担や支援方法を明確化しておくことで迅速な対応が可能になります。
建設業界でも、自治体との防災協定や災害復旧協力体制を構築している企業は増えています。今後は道路や河川などの公共インフラだけでなく、エネルギーインフラ分野においても官民連携の重要性が高まる可能性があります。
地域社会から信頼される企業づくりという観点からも、防災への取り組みは企業価値向上につながる要素となるでしょう。
※画像はイメージです
大規模な蓄電所を保有することは難しくても、中小建設会社が取り組める防災対策は数多くあります。
まずは非常用電源やポータブルバッテリーの整備、緊急連絡網の見直し、BCPの策定・更新などが基本となります。また、自治体や地域団体との連携体制を確認しておくことも重要です。
災害発生時には、普段から地域との信頼関係を築いている企業ほど迅速な対応が可能になります。防災はコストではなく、企業の継続性と地域貢献を支える投資として考えることが求められています。
熊本県玉名市と民間企業による災害時応援協定は、蓄電所を地域防災インフラとして活用する先進的な取り組みです。電力供給の安定化と災害対応力向上を両立させる仕組みは、今後全国で広がる可能性があります。
建設業においても、防災対策は安全管理だけでなく事業継続や地域貢献の観点から重要性を増しています。官民連携の動向を把握し、自社の防災体制を見直すきっかけとして活用してみてはいかがでしょうか。
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