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道路や公園などの公共公益施設の整備・管理をめぐり、国の制度が動き出しています。国土交通省は、令和8年5月27日に公布された改正都市再生特別措置法(令和8年法律第23号)の施行に向けて、関係する政令の整備案をまとめ、2026年10月6日から意見募集(パブリックコメント)を始めました。
結論から言うと、今回の政令案は「協定で施設を整備・管理する仕組み」「建物の増築等の届出ルール」「資金支援の対象拡大」など、まちづくりに関わる事業者の実務に直結する内容を幅広く含んでいます。予定どおり進めば、11月下旬に公布・施行される見込みです。
改正法では、都道府県や市町村が都市再生事業等に関する都市計画の案を作る際、公共公益施設の整備や管理を行なう者との間で都市再生整備等協定(都市再生整備等協定とは:行政と施設の整備・管理を担う者が、施設の整備や管理の方法について取り決める協定)を結べるようになりました。
政令案では、この協定の対象となる施設を道路、公園、水道等と定めます。さらに、協定に記載できる「居住者や来訪者などの利便の増進に寄与する施設」として、自転車駐車場(賃貸事業用のもの)、観光案内所、路線バスの停留所、地域の催しの情報を伝える看板や広告塔を挙げ、これらを都市公園に置く際の占用許可の技術的基準も定めるとしています。
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表1 都市再生整備等協定のポイント(政令案) |
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項目 |
内容 |
|---|---|
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協定を結ぶ主体 |
都道府県・市町村と、公共公益施設の整備・管理を行う者 |
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締結のタイミング |
都市再生事業等に関する都市計画の案を作成するとき |
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対象となる都市の施設 |
道路、公園、水道等 |
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協定に記載できる利便施設 |
・自転車駐車場(賃貸事業用のもの) |
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都市公園での扱い |
上記の利便施設について、都市公園の占用許可の技術的基準を定める |
出典:国土交通省(e-Govパブリック・コメント)ウェブサイト(https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155260410&Mode=0)掲載の概要資料をもとに編集部が加工して作成
都市公園の占用期間は、都市公園法で「10年を超えない範囲で政令で定める期間」とされ、現行の政令では占用物件ごとに10年、3年、1年などに区分されています。
今回の案では、上記の自転車駐車場や観光案内所、看板などのうち、都市再生整備等協定やまちづくり推進活動計画(まちづくり推進活動計画とは:市町村都市再生協議会が、居住誘導区域や都市機能誘導区域でのまちづくり活動の推進を図るために作る計画)に基づいて設置されるものについて、占用期間を10年にするとしています。長期で施設を運営できる見通しが立てば、整備や維持管理に参加する側も計画を立てやすくなります。
改正法では、市町村が固有魅力維持向上区域を定め、地域固有の魅力の形成に寄与する建築物を特定固有魅力形成建築物として計画に記載できるようになりました。この建物の増築等を行なう場合は、着手する30日前までに市町村長へ届け出る必要があります。
政令案では、通常の管理行為や軽易な行為、非常災害の応急措置、都市計画事業として行なう行為などを届出不要とする方向です。改修工事を請け負う場合は、対象の建物かどうかを早めに施主と確認しておくと安心です。
※画像はイメージです
お金の面では、国が地方公共団体に行う無利子貸付(必要な資金の2分の1以内)の要件が見直され、貸付の対象となる者がすべての都市再生推進法人に広がるほか、対象業務も追加されます。また、特定業務施設等を整備する民間都市開発事業については、規模にかかわらず民間都市機構の支援対象に加える案となっています。
建築面では、新たに設けられる特定業務施設等誘導地区(特定業務施設等誘導地区とは:立地適正化計画の都市機能誘導区域のうち、業務施設などの建築を誘導するために都市計画で定める地区)について、建物の高さの算定方法や既存不適格建築物の扱いが定められます。宅地建物取引業法施行令でも、この地区の建築制限や各種協定、増築等の届出義務などが重要事項説明の対象に加わる予定です。
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表4 資金・建築・不動産取引に関する主な改正点 |
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分野 |
改正される政令 |
主な内容 |
|---|---|---|
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資金 |
都市開発資金の貸付けに関する法律施行令 |
無利子貸付(必要資金の2分の1以内)の対象をすべての都市再生推進法人に拡大し、対象業務を追加 |
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資金 |
民間都市開発の推進に関する特別措置法施行令 |
特定業務施設等を整備する民間都市開発事業を、規模にかかわらず民間都市機構の支援対象に追加 |
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建築 |
建築基準法施行令 |
特定業務施設等誘導地区での屋上突出部の高さの扱い、既存不適格建築物の扱いを規定 |
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不動産取引 |
宅地建物取引業法施行令 |
特定業務施設等誘導地区の建築制限、景観再生事業協定、固有魅力維持向上協定、防災施設管理協定、特定固有魅力形成建築物の届出義務などを重要事項説明の対象に追加 |
出典:国土交通省(e-Govパブリック・コメント)ウェブサイト(https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155260410&Mode=0)掲載の概要資料をもとに編集部が加工して作成
意見募集の締切は2026年11月5日21時で、問合せ先は国土交通省都市局都市計画課です。その後は閣議が11月中旬、公布と施行が11月下旬という予定が示されています。
地域の工務店や専門工事業者にとっては、公園や道路まわりの施設整備、地域の魅力を形づくる建物の改修、業務施設の誘導といった案件の動きを知る手がかりになります。地元の市町村がどの区域や計画を定めるのか、今後の発表を注視しておきましょう。
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表5 政令案の今後のスケジュール |
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時期 |
内容 |
|---|---|
2026年10月6日 |
意見募集(パブリックコメント)開始 |
2026年11月5日21時 |
意見募集の締切 |
令和8年11月中旬 |
閣議(予定) |
令和8年11月下旬 |
公布・施行(予定) |
出典:国土交通省(e-Govパブリック・コメント)ウェブサイト(https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155260410&Mode=0)掲載の意見募集ページおよび概要資料をもとに編集部が加工して作成
今回の政令案は、行政と施設を担う者が協定を結んで公共公益施設を整備・管理する流れを後押しする内容です。
施行後に各自治体がどのような計画を作るかで、地域の工事の動きも変わってきます。制度の中身を早めに押さえ、新しい仕事の芽を見逃さないようにしましょう。
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出典:都市再生特別措置法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令案に関する意見募集について(国土交通省/e-Govパブリック・コメント)(https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155260410&Mode=0)をもとに作成
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