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建設業界では人手不足が続く中、「採用できない」こと以上に「せっかく採用した若手が定着しない」ことを課題として挙げる企業が少なくありません。一方で、同じような規模や待遇であっても、若手職人が長く働き続ける会社があります。
その違いは給与だけではありません。若手が「この会社なら続けられる」と感じる瞬間には、職場の日常にある小さな積み重ねが大きく影響しています。 今回は、若手職人が定着する職場づくりのポイントについて考えてみます。
建設業は体力が必要な仕事ですが、若手が退職を決意する理由は「仕事がきついから」だけではありません。
実際には、
・質問しづらい雰囲気がある
・失敗すると怒鳴られる
・誰に相談すればよいか分からない
・努力を見てもらえている実感がない
といった人間関係や職場環境への不満が積み重なり、「この会社では成長できない」と判断するケースも多く見られます。 反対に、「失敗しても次につながるアドバイスをもらえた」「困ったときに先輩が自然に助けてくれた」といった経験は、会社への安心感につながります。
若手職人が定着している会社では、特別な制度よりも日常のコミュニケーションを大切にしています。 例えば、朝礼で新人にも発言の機会を設けたり、一日の終わりに「今日できるようになったこと」を確認したりするだけでも、成長を実感しやすくなります。 また、現場で小さな成功を認める文化も重要です。
「昨日より作業が早くなった」 「安全確認が丁寧だった」 「お客様へのあいさつが良かった」 このような具体的な声掛けは、自信につながり、「もっと頑張ろう」という意欲を生みます。
以前は「仕事があれば続ける」という考え方も一般的でしたが、現在の若手は会社の将来性にも注目しています。
例えば、
・教育制度が整っている
・資格取得を応援してくれる
・安全対策に積極的
・新しい技術やICTにも挑戦している
といった姿勢は、「長く働ける会社」という印象につながります。 会社側にとっては当たり前の取り組みでも、若手にとっては「社員を大切にしている会社」という大きな安心材料になります。
若手が辞めない会社は、採用面でも有利になります。 近年は求人票だけでなく、ホームページやSNS、口コミサイトなどを通じて会社の雰囲気を調べる求職者が増えています。
「若手社員が長く働いている」 「資格取得者が増えている」 「社員同士の雰囲気が良い」 こうした情報は企業の信頼につながり、「この会社で働いてみたい」と感じてもらうきっかけになります。 逆に離職率が高い会社は、採用コストが増え続けるだけでなく、教育にかけた時間や技術も失われてしまいます。
そのため、採用活動だけに力を入れるのではなく、「辞めない会社づくり」そのものが採用力の向上につながるといえるでしょう。
大きな制度改革を行なわなくても、すぐに始められる取り組みは数多くあります。
例えば、
・一日一回は若手へ前向きな声掛けをする
・分からないことを質問しやすい雰囲気をつくる
・月に一度は面談の時間を設ける
・資格取得や技能講習への挑戦を応援する
・ベテランと若手が話せる時間を意識的につくる
こうした積み重ねは、若手が会社への信頼を深めるきっかけになります。
「辞めない社員」を育てることは、一朝一夕では実現しません。しかし、毎日の現場での接し方を少し変えるだけでも、職場の雰囲気は着実に変わっていきます。
若手職人が「この会社なら続けられる」と感じる瞬間は、給与や福利厚生だけではなく、「安心して成長できる環境がある」と実感したときです。
建設業では技術の継承がますます重要になる中、人材定着は企業の将来を左右する経営課題となっています。特別な制度を導入しなくても、日々の声掛けや教育、信頼関係づくりを積み重ねることで、「働き続けたい会社」は実現できます。若手の本音に耳を傾けることが、強い組織づくりへの第一歩となるでしょう。
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