記事を読み込み中です

建設業界では人手不足や働き方改革への対応を背景に、DXや生成AIの導入が加速しています。しかし実際には、「AIを導入したものの現場で使われない」「新しいシステムが増えて逆に業務が複雑になった」といった課題も少なくありません。
重要なのは、業務そのものをすべてAIに置き換えることではなく、現場で本当に負担になっている作業を効率化することです。今回は、オープンハウス・アーキテクトが取り組む最新事例から、建設業における実践的なAI活用の考え方を紹介します。
オープンハウス・アーキテクトの現場管理プラットフォーム「Optimus」に「Techtouch AI Hub」が導入されました。
『同社は、業務フロー全体をAIに置き換えるのではなく、AIが真に効果を発揮するポイントに必要な機能だけを"組み込む"アプローチを採用。ノーコード・最短30分でAI機能を実装し、原価管理・社内申請・見積依頼業務などにおける業務効率化と品質向上を実現しました。』
引用元:テックタッチ株式会社プレスリリース(PR TIMES掲載)
近年、多くの企業が生成AIの導入を検討しています。しかし建設業は他業界と比べても業務内容が複雑です。
例えば見積作成や申請書類の整理、原価分析などはAIとの相性が良い業務です。一方で、施工品質の判断や職人との調整、安全管理などは現場経験が欠かせません。
そのため、「すべてAIに任せる」という考え方では現場とのギャップが生まれやすくなります。新しいシステムの操作方法を覚える負担が増えれば、かえって生産性が低下する可能性もあります。
特に中小建設会社では、システム担当者を専任で配置できないケースも多く、導入コストだけでなく運用負担も重要な課題になります。
今回の事例で注目されるのは、既存システムを大きく変更せずにAI機能を追加している点です。
現場担当者が普段利用しているシステム画面の中でAIを利用できれば、新しいアプリを開く必要がありません。学習コストも抑えられ、利用率向上につながります。
また、AIが得意な作業だけを任せることで、現場担当者は本来注力すべき業務に時間を使えるようになります。
建設業では「入力作業」「確認作業」「情報整理」といった間接業務が積み重なり、大きな負担になっています。こうした作業を効率化するだけでも、残業削減や生産性向上に大きく貢献します。
オープンハウス・アーキテクトでは、まず次のような業務からAI活用を開始しています。
第一に原価状況の要約です。大量の原価データをAIが分析し、予算超過リスクや重要ポイントを整理します。管理者は膨大な数字を確認する手間を減らせます。
第二に社内申請前のチェックです。コメント内容の確認や予算超過の検知をAIが補助し、申請ミスの削減につなげています。
第三に見積依頼文の作成支援です。工事情報や担当者情報をもとに文章を自動生成し、メール作成時間を短縮しています。
これらはいずれも多くの建設会社が抱える共通課題であり、企業規模を問わず参考になる取り組みといえるでしょう。
AI導入というと大規模なシステム投資をイメージしがちですが、まずは小さな業務改善から始めることが重要です。
例えば見積書作成、報告書作成、社内マニュアル検索、申請書チェックなど、定型業務を洗い出してみましょう。その中で時間がかかっている業務やミスが発生しやすい業務を特定することが第一歩です。
また、AI導入の目的は最新技術を使うことではありません。残業削減や利益率向上、人手不足対策など、具体的な経営課題の解決につながるかどうかが重要です。
今後はAIを単独で導入するのではなく、既存システムと連携させながら自然に業務へ組み込む取り組みが増えていくと考えられます。
建設業のAI活用は、業務全体を一気に自動化する時代から、必要な部分だけを効率化する時代へと移りつつあります。今回の事例は、現場の負担を増やさずに生産性向上を実現する実践的なDXの好例といえるでしょう。
人手不足や業務効率化が課題となる中、まずは自社の業務を見直し、「どこにAIを活用すれば最も効果が出るのか」を検討してみてはいかがでしょうか。
本サイトについて、ご質問・ご相談がある場合は、下記のお問い合わせフォームからお気軽にお寄せください。
あわせて、協力会社探しや人材確保など、日常的な情報収集の場として無料で利用できる建設業向けマッチングサイト『建設円陣』もぜひご登録ください(緑のバナーをクリック)。
本サイトについて、ご質問・ご相談がある場合は、下記のお問い合わせフォームからお気軽にお寄せください。
「建設円陣PLUS編集部」は、建設業界に特化したプラットフォーム「建設円陣」を運営する株式会社エンジョイワークスの編集チームです。中小建設業の経営・人材・現場課題を、国土交通省・厚生労働省、業界専門紙や公的機関の情報をもとに解説します。