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兵庫県の県庁舎(神戸市中央区下山手通5丁目)は、1995年の阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた1号館・2号館・議場棟・別館・西館の5棟が建て替えの対象です。老朽化・耐震性不足・バリアフリー未対応など複数の問題を抱え、災害対策拠点としての機能確保も長年の課題となっていました。
令和7年(2025年)12月、兵庫県はついに「新庁舎等整備プロジェクト基本構想」を策定。その翌年の令和8年(2026年)6月10日には、「第1回新庁舎等整備プロジェクト基本計画検討専門者会議」が兵庫県庁舎第2号館5階庁議室にて開催されました。🗓️
この会議は傍聴定員10人の有識者会議で、有識者からの助言を得ながら基本計画の策定を進めていく場として設置されたものです。建設業者・設計事務所・施設管理会社にとっては、大型公共工事の動向として注目すべきニュースです。
今回の専門者会議では、新庁舎棟の整備手法として以下の3パターンが比較検討されました。
① 従来方式(設計と施工を分けて個別発注) 完成目標:2033年下期
② DB方式(設計・施工一括発注 = デザイン・ビルド) 完成目標:2033年上期(3手法の中で最短!)
③ PFI方式(民間の資金・ノウハウを活用) 完成目標:2034年上期
なかでも注目はDB方式の工程上の工夫です。先行して行なう解体工事の段階で地下躯体をあえて残置し、新庁舎の本体工事のタイミングでまとめて解体する手法を組み合わせることで、全体の事業期間を短縮できると報告されています。✅
従来方式と比べると半期(数か月単位)の短縮、PFI方式と比べると約1年もの差があります。「早く完成させたい」という行政ニーズと、「民間活力も取り込みたい」という経営効率化ニーズをどう両立させるかが、今後の最大の判断ポイントとなります。🔑

出典:兵庫県ウェブサイト(https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk49/press/20260603.html)
コスト面の変化も見逃せません。
以前の計画(従前計画)では約1,010億円とされていた概算事業費が、現在の基本構想では約650億円に圧縮されています。削減率は約30%という大幅な見直しです。 削減の主な手法は規模の最適化です。
当初13万1,500㎡と見込んでいた執務スペース等の延床面積を約3割削減。外郭団体等の入居を見直して本当に必要な行政機能に絞り込んだことが、コスト圧縮の核心といえます。
この発想は、民間の中小建設業者が日頃行なう見積・提案業務にも通じます。⚡「必要なものを必要な分だけ、確実に実現できる規模感に落とし込む」という姿勢は、予算制約の厳しい時代の公共工事でも民間工事でも、共通のコスト管理の鉄則です。建設コストが高止まりしている昨今、こうした官側の発想の転換は今後の発注方式にも影響を与えていきそうです。
令和8年(2026年)3月30日、兵庫県は基本計画策定支援業務の委託先として「昭和設計・NTTファシリティーズ設計共同体」と契約を締結しました(契約金額:7,260万円/消費税含む、契約期間:令和8年3月30日〜令和9年3月31日)。
この共同体は公募型プロポーザルで82.2点を獲得して受託候補者に選定されており、Compact・Community・Communicate・Comfort・Commitの「5つのCOM」をコンセプトとした提案が高評価を受けました。事業費を約650億円に圧縮しつつ、県庁周辺エリアのにぎわい創出との一体的な整備を提案した点が選定理由の一つとされています。🏆
また、民間活力(にぎわい機能等)の導入に向けてはサウンディング調査が実施済みで、追加ヒアリングを踏まえた公募条件の精査が進んでいます。施設整備だけでなく、テナント誘致・施設運営・設備保守といった周辺領域での官民連携の動きも出てくる可能性があります。
現在のロードマップをまとめると以下の通りです。
- 令和7年(2025年)12月:基本構想を策定済み✅
- 令和8年(2026年)3月30日:基本計画策定支援業務の委託契約締結済み✅
- 令和8年(2026年)6月10日:第1回基本計画検討専門者会議 開催済み✅
- 令和8年度末(2027年3月末):基本計画の策定を目標
- 整備工事完成目標:DB方式採用の場合は2033年上期、従来方式なら2033年下期、PFI方式なら2034年上期
2026年度末に基本計画が確定すれば、その後は具体的な設計・施工の発注プロセスへと移行することが想定されます。DB方式が選択された場合は、設計と施工を一体で担うゼネコンや設計事務所のJV体制が求められます。
公共工事に参入している中小建設会社は、兵庫県公式サイトの専門者会議ページ(https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk49/kihonkeikakusenmonshakaigi.html)を定期的にチェックし、入札参加要件・発注形態が公表されたときに即座に動ける準備を整えておくことが重要です。🌟
出典:兵庫県ウェブサイト(https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk49/press/20260603.html )
兵庫県の新庁舎整備プロジェクトは、令和7年12月の基本構想策定から令和8年6月の専門者会議スタートへと着実に進んでいます。DB方式・PFI方式・従来方式の3手法それぞれの完成時期とコスト比較が示されたことで、今後の判断の方向性が明確になりました。
概算650億円という大型事業が本格始動する前の「情報収集フェーズ」の今こそ、受注機会を逃さない準備が必要です。⚡
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出典:第1回新庁舎等整備プロジェクト基本計画検討専門者会議の開催(兵庫県)https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk49/press/20260603.html をもとに作成
※新庁舎等整備プロジェクト基本計画検討専門者会議(令和8年度)https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk49/kihonkeikakusenmonshakaigi.html も参照
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