記事を読み込み中です
今回の指名停止措置は大規模修繕工事の受注調整に関わった大手・中堅の管理会社・工事会社が対象であり、中小の工事会社や一人親方に直接の実害が及ぶものではありません。ただし、元請けや協力会社としてこうした業者と取引がある場合は、取引継続の判断材料として内容を把握しておく必要があります。
国土交通省の大臣官房官庁営繕部は、令和8年11月6日に有資格業者21社への指名停止措置を発表しました。対象となったのは、株式会社シミズ・ビルライフケア、建装工業株式会社、合人社エンジニアリング株式会社など21社です。本記事では、この発表の内容を整理し、中小建設業者がどう受け止めるべきかを解説します。
今回の措置の発端は、公正取引委員会が令和8年9月28日に公表した排除措置命令・課徴金納付命令です。対象となった21社は、関東地区所在のマンションの管理組合が設計コンサル業者に委託して発注する大規模修繕工事に関して、独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)に違反する行為を行なっていたとされています。
これを受けて官庁営繕部は、「官庁営繕部所掌の工事請負契約に係る指名停止等の措置要領」別表第2第5号(独占禁止法違反行為)に該当すると判断し、指名停止措置を行いました。指名停止等の措置要領に基づく対応です。
※画像はイメージです
指名停止措置を受けた業者名・住所・停止期間の一覧表
出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/report/press/eizen01_hh_000295.html)
指名停止措置の範囲は「官庁営繕部の発注する工事及び業務」に限定されています。期間は業者ごとに異なり、最も短いものでニットクメンテ株式会社の令和8年11月6日〜令和9年1月5日、最も長いものでヤシマ工業株式会社・株式会社大京穴吹建設・ヤマギシリフォーム工業株式会社・株式会社NAKAMURAの令和8年11月6日〜令和9年5月5日まであります。措置要領上、期間は「当該認定をした日から2ヵ月以上9ヵ月以内」と定められています。
なお排除措置命令・課徴金納付命令の対象から除外されている業者もあります。株式会社YKK APラクシーは排除措置命令の対象外、株式会社YKK APラクシーと株式会社翔設計は課徴金納付命令の対象外とされています。それでも両社は今回の指名停止措置の対象に含まれています。
対象の21社は、ビルメンテナンス・大規模修繕を手がける管理会社や設計会社が中心で、国の官庁営繕工事に直接関わる中小の工事会社や一人親方が当事者になるケースは少ないと考えられます。ただし、次の2点は押さえておく価値があります。
1つ目は、独占禁止法違反は官公庁発注案件の指名資格に直結するという事実です。元請けとして今後、入札関連の取引先を選ぶ際、過去の指名停止歴は確認しておくべき情報になります。
2つ目は、指名停止期間中は「官庁営繕部の発注する工事及び業務」に限って指名から外れるという点です。民間工事や他省庁発注の案件まで一律に制限されるわけではないため、取引先がこの一覧に載っていた場合でも、どの範囲の仕事が制限されるのかを正確に確認する必要があります。
※画像はイメージです
官庁営繕部発注案件の入札参加を考えている会社は、自社の取引先・協力会社の中に今回の21社と同様の立場の業者がいないか、念のため確認しておきましょう。特に大規模修繕工事やビルメンテナンス分野で元請け・協力関係にある場合は、取引先の指名停止情報を定期的にチェックする習慣が役立ちます。国土交通省の報道発表資料は随時更新されるため、同様の措置が今後も公表される可能性がある点も念頭に置いておくとよいでしょう。
今回の官庁営繕部による指名停止措置は、大規模修繕工事を巡る独占禁止法違反を理由に、21社を対象に行なわれたものです。期間や対象範囲は業者ごとに異なりますが、中小の工事会社にとっては直接の当事者になるケースは限られます。それでも、取引先選定の際のコンプライアンス確認の材料として、こうした公表情報に目を通しておくことは経営判断の一助になります。
大規模修繕やビルメンテナンス分野での協力会社探し、あるいは人手の確保でお困りの際は、無料の建設業向けマッチングサービス『建設円陣』をぜひご登録ください(緑のバナーをクリック)。
出典:「大臣官房官庁営繕部有資格業者に対する指名停止措置について」(国土交通省)https://www.mlit.go.jp/report/press/eizen01_hh_000295.html をもとに建設円陣PLUS編集部作成
➡関連記事:岡山の新スタジアム、立地検証が本格化 地元建設業は発注方式に注目
お問い合わせフォームを読み込んでいます。お問い合わせページもご利用いただけます。
お問い合わせフォームを読み込み中です「建設円陣PLUS編集部」は、建設業界に特化したプラットフォーム「建設円陣」を運営する株式会社エンジョイワークスの編集チームです。中小建設業の経営・人材・現場課題を、国土交通省・厚生労働省、業界専門紙や公的機関の情報をもとに解説します。