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「うちの現場に女性はいないから関係ない」——そう思っていませんか?実は、事務スタッフ・施工管理・営業・経理など、建設会社に関わる女性は意外と多いものです。そしてその女性たちが、日々どれほどの「見えない辛さ」を抱えながら働いているかを、多くの男性はあまり知りません。
生理や更年期の不調は、本人が黙って耐えていることがほとんど。「気分の問題」「甘え」と思われることを恐れて、相談すらできないケースも珍しくありません。この記事では、建設業に携わるすべての方——経営者・現場監督・男性職人の方々にも——女性の体の仕組みと、職場でできる具体的な配慮について、わかりやすくお伝えします。
生理(月経)とは、およそ25〜38日周期で子宮内膜が剥がれ落ちる現象で、平均3〜7日間続きます。この期間中、女性は腹痛・腰痛・頭痛・吐き気・めまい・強い倦怠感などを経験することがあります。重症の場合は「月経困難症(月経困難症とは:生理痛が日常生活に支障をきたすほど重い状態)」と診断され、医療的な対処が必要になることもあります。筆者は過多月経による貧血であと一歩で輸血が必要になるレベルです。
現場という観点で考えると、これは深刻です。トイレの数が少ない・仮設トイレしかない・休憩室がない・着替えられる場所がない——こうした環境では、生理中の女性にとって現場に立つこと自体が大きな苦痛になります。「今日は生理で……」と口に出せる空気がない職場では、無理をして体調を崩すケースも少なくありません。
更年期とは、一般的に45〜55歳ごろに訪れる、卵巣機能の低下に伴うホルモンバランスの変化の時期を指します。この時期には、のぼせ・ほてり・大量の発汗・不眠・イライラ・集中力の低下・気分の落ち込みなど、多岐にわたる症状が現れます。これを「更年期障害」と呼びます。
建設会社において、この世代の女性はどこにいるでしょうか。事務の中心を担う「ベテランの事務担当者」や、経理・総務を長年支えてきた「会社の要」となっている方が多いはずです。突然のほてりや気分の波は、本人にとっても制御が難しく、「以前と比べてミスが増えた」「やる気が出ない」と自己嫌悪に陥ることもあります。この変化を「怠けている」「最近おかしい」と外から判断してしまうことが、退職や離職の引き金になることもあるのです。
難しい医学的知識は不要です。現場・会社で働く男性に知っておいてほしいのは、次の3点です。
① 「サボり」ではなく「体の問題」
生理痛や更年期の症状は、本人の意思ではコントロールできません。「気合いで乗り越えろ」という発想は、本人を追い詰めるだけです。「今日は少し調子が悪いみたいだな」と察して、無理に話しかけないなど、小さな配慮が大きな助けになります。
② 「聞かない」も一つの優しさ
「どうしたの?生理?」などと直接聞くことは、プライバシーの侵害になる場合があります。体調が悪そうなときは「何か手伝えることある?」と、理由を問わず柔軟に対応できる姿勢を持つことが大切です。
③ 環境整備は「経営判断」でもある
女性用トイレの設置・休憩スペースの確保・テレワークや時差出勤の導入・生理休暇の周知——これらは「コスト」ではなく、人材定着への投資です。厚生労働省も女性活躍推進の観点から、職場環境整備を強く推進しています。
大規模な設備投資は必要ありません。中小の建設会社でもすぐに取り組める対策をご紹介します。
【職場環境の整備】
・女性専用のトイレ・更衣室を可能な限り確保する
・休憩室に横になれるスペースをつくる(簡易ベッドやソファでも可)
・市販の痛み止めや生理用品を社内に常備する
【制度・ルールの整備】
・生理休暇(労働基準法第68条で規定されている法定休暇)の存在を社内で周知する
・体調不良時の早退・リモートワーク・業務調整が「言いやすい」文化をつくる
・上司が率先して「無理しないでいいよ」と口に出す
【知識の共有】
・社内研修や朝礼などで、生理・更年期についての基礎知識を共有する機会をつくる
・女性管理職やリーダーを一人でも育てることで、相談しやすい窓口をつくる
こうした取り組みは、女性の離職を防ぐだけでなく、「この会社は人を大切にしている」というブランドイメージにつながり、採用力の向上にも貢献します。また、生理や更年期の症状の重さは人それぞれであり、会社によっては女性同士でも理解してもらえず、つらい思いをするケースがあるという点も認識しておくことが重要です。
生理や更年期の問題は、決して「女性だけの問題」ではありません。それを理解し、配慮できる職場をつくることが、建設業全体の人材不足解消・女性活躍推進・離職防止につながります。「知らなかった」で済ませるのではなく、今日からできる小さな一歩を踏み出してみてください。現場の空気は、リーダーの意識ひとつで大きく変わります。
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