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大規模な市街地再開発では、長期にわたる工事期間中の仮囲いが「殺風景な壁」になりがちだが、そこに文化や地域の記憶を重ねる取り組みが東京・日本橋エリアで進んでいる。工事現場と地域住民・来街者との関係づくりは、今後の大規模開発案件においても参考になる事例といえる。
一般社団法人日本橋リバーウォークエリアマネジメントは、事務局の1社を務める東京建物株式会社と連携し、日本橋川沿いで進む大規模再開発現場の仮囲い装飾プロジェクトの最新展示を10月23日より開始すると発表した。対象となるのは、東京建物が地権者とともに推進する大規模複合再開発事業の工事用仮囲いである。
『本企画では、日本橋リバーウォークで進行する大規模再開発の工事用仮囲いを活用してアート作品を掲出し、各地区の仮囲い装飾を巡りながら、エリアの魅力を知り、まち歩きをお楽しみいただけます。第五弾となる本展示では、公益財団法人彫刻の森芸術文化財団による企画監修のもと、東京建物が地権者の方々と共に推進する東京駅・日本橋駅直結の大規模複合再開発「八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業」の工事用仮囲いを、アート作家・いとう瞳氏による「呉服橋と竹久夢二」をテーマとしたアート作品が彩ります。』
引用元:東京建物株式会社プレスリリース(PR TIMES掲載)
『アートとまちづくりのコラボレーションやアーティストの支援を通じて、地域文化を未来へ承継するとともに、大規模工事期間中におけるにぎわいを創出することで、魅力ある八重洲・日本橋エリアのまちづくりをより一層推進してまいります。』
引用元:東京建物株式会社プレスリリース(PR TIMES掲載)
八重洲一丁目北地区の再開発は2029年度(一部2032年度)の竣工を目指し、2024年12月から建築工事が続いている。完成までに数年単位を要する大規模案件では、工事期間中の仮囲いが数年にわたって街並みの一部を占めることになる。周辺住民や通行人にとって、長期間の工事は景観や歩行動線の変化を伴うため、地域との関係維持が課題になりやすい。
今回のアート展示は、こうした長期工事現場における「にぎわいの空白」を埋める試みとして位置づけられる。単なる安全対策としての仮囲いではなく、まち歩きの目的地にもなり得る仕掛けを組み込むことで、工事期間中も人の流れを維持する狙いがうかがえる。
本展示の作品名は「橋と夢二(呉服橋の記憶、進む時代、“かわいい”の文化、夢二と本)」で、再開発敷地にかつて存在した竹久夢二の「港屋絵草紙店」に着目した内容となっている。作家のいとう瞳氏は、夢二が生きた明治から昭和初期の呉服橋周辺の様子を、和の要素と新しさを感じる色使いで描いている。
展示期間は2026年10月23日から2027年9月中(予定)までと長期にわたり、八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業の工事用仮囲いに掲出される。実施にあたっては、日本橋リバーウォークエリアマネジメントや再開発組合、彫刻の森芸術文化財団、竹久夢二美術館、竹久夢二伊香保記念館、千代田区など複数の団体が連携している点も特徴だ。
引用元:東京建物株式会社プレスリリース(PR TIMES掲載)
今回の展示は、2025年7月に始動した「NIHONBASHI RIVER WALK MUSEUM」の第五弾にあたる。日本橋リバーウォークは、日本橋川沿いで進行する5つの再開発事業とその周辺一帯を指すエリア名称で、各地区の仮囲いを巡りながらアートを楽しめる仕組みが継続的に展開されている。これまでに日本橋一丁目中地区や八重洲一丁目北地区、日本橋室町一丁目地区などで異なる作家による展示が行われてきた。
複数の再開発組合が連携してエリア全体の情報発信を担う法人組織が発足している点も注目される。個別の現場単位ではなく、エリアマネジメントとして一体的に工事期間中のにぎわいづくりに取り組む体制は、今後同様の大規模開発が進む他地域においても一つの手法として参考になり得る。
工事用仮囲いを地域文化の発信拠点に変える取り組みは、長期化する大規模再開発現場において、周辺との関係を保ちながら工事を進める一つの工夫として参考になる事例である。
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