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夏の建設現場では、熱中症対策が欠かせない。しかし、猛暑と長雨が交互に訪れる時期は、「暑さ」だけを見ていては十分とはいえない。
炎天下で大量に汗をかいた翌日に雨が続き、気温は下がっても湿度が高い。さらに雨上がりには、再び強い日差しと暑さが戻ってくる。
こうした天候の変化は、作業者の疲労や睡眠、食欲などにも影響する。 つまり、この時期に必要なのは「熱中症対策」と「天候変化による体調管理」を別々に考えないことである。現場では、暑さへの備えと日々の体調確認を組み合わせた「ダブルケア」が重要になる。
厚生労働省が公表した2025年の確定値によると、職場における熱中症による休業4日以上の死傷者は1,803人。統計開始以来最多となった。一方、死亡者は19人であった。 業種別では、建設業の死傷者が292人、死亡者が5人。死亡者数は建設業が最も多かった。
また、2021~2025年の5年間で見ると、建設業では1,083人の死傷者、52人の死亡者が確認されている。 さらに、2025年は7月と8月だけで熱中症による死傷者の約72%が発生している。まさに夏本番の現場管理が重要だといえる。
雨の日や曇りの日は、「今日は暑くないから大丈夫」と判断しやすい。しかし、熱中症のリスクは気温だけで決まるものではない。
厚生労働省が示すWBGT(暑さ指数)は、気温だけでなく、湿度、風速、輻射熱を考慮して暑熱環境によるストレスを評価する指標である。雨上がりの現場では、気温が極端に高くなくても湿度が高くなる場合があり、体への負担を見落としやすい。
また、雨具を着用して作業する場合は、汗が蒸発しにくくなる。長時間の作業で疲労が蓄積すれば、本人が「まだ大丈夫」と感じていても、集中力や判断力に影響する可能性がある。
熱中症対策は、作業者一人ひとりの注意だけに任せる段階ではない。 2025年6月1日から、熱中症のおそれがある作業について、事業者には「早期発見のための体制整備」「重篤化を防止するための措置手順の作成」「関係作業者への周知」が求められている。
対象となる「暑熱な場所」は、WBGT28度以上または気温31度以上の場所などとされ、継続して1時間以上、または1日当たり4時間を超えて行なうことが見込まれる作業などが対象となる。
厚生労働省は2026年にも「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施し、WBGTの把握、重篤化防止対策、必要な配慮などを重点的に呼びかけている。
※画像はイメージです
まず一つ目は、朝礼で体調を確認すること。睡眠不足、食欲不振、強い疲労感などがないかを簡単に確認する。本人が言い出しやすい雰囲気をつくることも大切だ。
二つ目は、天候に関係なく水分・塩分補給を習慣化すること。喉が渇いてからではなく、休憩時間など決めたタイミングで補給できるようにする。
三つ目は、天気予報とWBGTを工程管理につなげること。猛暑が予想される日は休憩や作業時間を見直し、雨が続く日は足元や濡れた資材、移動経路なども確認する。 🌤️
「今日は暑い」「今日は雨」という単純な判断ではなく、その日の環境と作業者の状態をセットで確認することがポイントである。
建設現場では、工程の遅れを取り戻そうとして無理をしてしまうことがある。しかし、体調不良を抱えたまま作業を続ければ、熱中症だけでなく転倒や墜落など、別の事故につながる可能性もある。
だからこそ、現場監督や経営者は「休ませる判断」を持っておきたい。 「少し休んでください」と声をかけることは、工程を止めるためではない。重大な事故を防ぎ、結果として現場を継続させるための安全管理である。
🌞☔ 猛暑と長雨が交互に来る夏は、熱中症だけでなく、疲労や睡眠不足、湿度による負担なども含めて体調を管理することが重要である。 「暑い日は熱中症対策、雨の日は雨対策」と分けるのではなく、毎日の体調確認、WBGTの確認、水分・塩分補給、無理をさせない判断を一つの安全管理として考えたい。
天候が変わりやすい夏だからこそ、現場の変化だけでなく、そこで働く人の変化にも目を向ける。それが、安全に夏を乗り切るための基本となる。
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出典:厚生労働省「令和7年『職場における熱中症による死傷災害の発生状況』(確定値)」「職場でおこる熱中症」(https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001705024.pdf)、厚生労働省「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行等について」(https://www.mhlw.go.jp/stf/coolwork_2026.html?utm_source=chatgpt.com)、「令和8年『STOP!熱中症 クールワークキャンペーン』」(https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001704777.pdf)をもとに作成
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