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東京都を拠点に電気工事業を営む谷本氏は、電気の世界に関わって25年のベテランだ。「困っている人を笑顔にしたい」という一貫した想いを胸に独立し、電気工事から自動火災警報装置・住宅設備まで幅広くワンストップで対応。さらに空き家問題の解決にも視野を広げ、着実に次のステージへと歩みを進めている。社名「頼電(らいでん)」に込めた25年分の思いと、業界の未来への熱い言葉に迫った。🏠
🏗️ なぜ電気の道に入ったのか? 原点にある「笑顔にしたい」という想い
もともと物流の仕事に就いていた谷本代表の転機は、阪神淡路大震災と東日本大震災だった。「水が足らないのに道路が封鎖されて届けることができなかった」と当時を振り返る。災害のたびにインフラの重要性を痛感し、「冬でも真夏でも必要な電気」に着目した。消防設備士として電気の資格を保有していたことも、その選択を後押しした。
根底にある動機は、学生時代の出前アルバイトにまで遡る。中学卒業後、近所の蕎麦屋でバイクに乗って約3年間出前をした経験が、人と向き合う仕事の喜びを教えてくれたという。「困っている人を笑顔にさせたい、それが自分の原点だと思いますね」以前勤めていた会社の設備工事でその感覚が薄れていったとき、改めて対顧客で笑顔をつくれる電気工事の世界へと進む決意が固まった。
その原点は、社名にも刻まれている。「頼電(らいでん)」という社名は、「頼もしい・頼りになる」という意味の「頼」と、電気工事を主軸とすることを示す「電」を組み合わせたものだ。その社名には、25年間の思いが凝縮されている。「電気を通じて、人の暮らしを支えたい。頼もしい人間になって誰かを笑顔にしたい——今までの想いがここにある」と谷本代表は語る。
🔧 うちにしかできないこと──電気と自動火災警報装置のワンストップ対応
谷本代表の事業の核心は、電気工事を軸に自動火災警報装置から、エアコン・給湯器・浴室暖房乾燥機・レンジフードなどの住宅設備の交換・設置をワンストップで手がけることだ。「電気工事と自動火災警報装置がいっぺんにできる。この資格を持って同時にワンストップで対応できるところが強み」と語る。
エンドユーザーから法人まで幅広く対応し、マンションの1室規模から新築木造まで、25年のキャリアを活かした守備範囲の広さがある。電気工事と自動火災警報装置の両方を一人でワンストップ対応できることで、工程の調整や業者間の連絡が不要になり、お客様の手間と時間を大幅に削減できる。中小建設業において、複数の資格と経験を掛け合わせてこれだけの範囲を一社で完結できる業者は決して多くない。その希少性こそが、谷本代表の現場で培われた競争力の源泉だといえる。
⚠️ 職人気質・人手不足・業界イメージ……課題だらけの電気工事業でどう動くか
中小建設業が直面する課題を、谷本代表はきわめて率直に語る。「この業界って、比較的誰もいないところに行って一人でコツコツやることが多い。技術は確かでもコミュニケーションを苦手とする職人が少なくない」と言う。現場に入れる職人はいても、お客様と向き合える人材が育ちにくい業界構造がある。
人材育成については、独自の考え方を持つ。経験者はもちろん歓迎しつつも、自社のスタイルをともに育んでいける人材を求めているという。「私の技術や知識を惜しみなく若い人たちに伝えたい」と語る谷本代表は、「現場で来て見て盗め」という古い職人文化とは一線を画す。最初から丁寧に教え、見習い期間を経たらすぐに道具を持って現場でチャレンジさせる——「普通の世界では何年もかけてやっとやらせてもらえることを、うちは最短で経験させてあげたい。自分が毎日成長していく実感こそが、仕事の楽しさだと思うから」と話す。
さらに業界全体のイメージ問題にも積極的に言及する。「3Kのイメージを払拭したい。若い人や女性が入りやすい業界に変えていきたい」と語る谷本代表。人を最短で一人前に育てるという姿勢そのものが、業界の古いイメージを変える第一歩だと信じている。
🌱 10年後のビジョン──空き家問題に切り込み、ワンチームで地域を支える
谷本代表が次の10年で目指すのは、「空き家問題の解決」への貢献だ。少子高齢化や相続問題が絡み合い、空き家は年々増加の一途を辿っている。難しい問題を抱えた物件に手を差し伸べる業者が少ないなか、「そこを少しでも手助けしたいという気持ちが、ずっと10年以上前からある」と語る。
そのために現在着手しているのが建設業許可の取得だ。今年7月で経営者として2年を迎える谷本代表は、あと1年半ほどで取得できる見込みで、許可を得れば大規模な工事も一括で請け負える環境が整う。
「解体・処分から電気・大工・水回りまで多業種が集まり、ワンチームで空き家問題に関われるようにしていくのが将来ビジョン」と谷本代表は語る。業界の垣根を越えた仲間づくりは、すでに実践のなかで手応えを感じているという。業界の古いイメージを変え、若い人が誇りを持って働ける現場をつくること——「頼電(らいでん)」という社名に込めた想いは、地域全体の課題解決へと広がりを見せている。
取材を通じて感じたのは、谷本社長の「困っている人を笑顔にしたい」という想いが、25年間ぶれずに続いていることだった。その一点が電気工事の選択にも、社名にも、人材育成の姿勢にも、空き家問題への挑戦にも、すべて繋がっている。その一本の軸が、25年の現場を支えてきたのだと感じた。