🔨 埼玉県入間市を拠点に、木造住宅の鉄筋工事を手がける真青鋼業。代表の浅見優太氏は、22歳で鉄筋の道に入り、9年の現場経験を経て令和5年に独立した。掲げるのは「誰が見ても綺麗だと思える仕事」という一貫した姿勢である。大きな現場とは異なる、住宅鉄筋ならではの誇りとやりがいとは何か。中小建設業を担う一人の職人の歩みと哲学を伺った。
🏗️ なぜ鉄筋の道を選んだのか?原点にある想い
浅見氏が建設の世界に足を踏み入れたのは、中学卒業後のことである。最初に勤めたのは土木の会社だった。しかし、当時を振り返ってこう語る。 「あの、雨で休みになっちゃうことが、やっぱり梅雨の時期とか多くて」 すでに家庭を持っていた浅見氏にとって、天候に左右されない安定した仕事を求める気持ちは自然なものだった。「雨でもできる仕事は何だろう」と考えるなかで、知り合いに鉄筋屋がいたことが転機となる。
22歳で鉄筋工事の世界に入り、そこから9年間、現場で腕を磨いた。鉄筋は手に職がつき、努力がしっかりと収入に結びつく仕事である。家族を支えるという責任感が、浅見氏を一人前の職人へと押し上げていった。 そして令和5年、自身の会社として真青鋼業を立ち上げる。職人としての経験は13年に及ぶが、本人は「まだ覚えることはいっぱいある」と、学ぶ姿勢を崩さない。中小建設業にとって、安定した暮らしと技術の探求を両立させてきたその歩みには、多くの共感が集まるはずである。
🔧 うちにしかできないこと──「精度」と「品質」へのこだわり
真青鋼業が専門とするのは、木造住宅の鉄筋工事である。マンションやビルといった大規模現場ではなく、個人宅を主戦場とするこの分野こそ、浅見氏が強みを発揮する場だ。 「誰が見ても綺麗だなって思えれるような仕事を心がけてますね」 その言葉の背景には、独立前のある経験がある。大きな現場ではスピードが重視され、多くの人が入るぶん、すべてに目が行き届きにくい。
一方、木造住宅の鉄筋は、後工程を担う基礎屋とのつながりが密接である。かつて精度を指摘され、修正に大変な苦労をしたことがあった。 「直すのにも、基礎屋さんは人を使ってお金がかかるわけじゃないですか。でもその仕事をやったのって僕たちだから、そこにお金を使わせるのは違うんじゃないかな」 この想いから、浅見氏は誰よりも丁寧な施工を突き詰めるようになった。結果として信頼は積み重なり、同じ取引先から継続して声がかかる関係が築かれている。精度と品質こそが、真青鋼業の何よりの看板である。
⚠️ 大変さの先にある誇り──住宅鉄筋という仕事の魅力
鉄筋工事は、決して楽な仕事ではない。溶接された材料は重く、重いものでは20キロを超えることもある。それを一つひとつ手で運ぶ。体力を要する現場であることは間違いない。だが見方を変えれば、働きながら自然と体が鍛えられるということでもある。体を動かすことが好きな人にとっては、むしろ大きな魅力となるだろう。
浅見氏は、この仕事ならではの魅力を率直に語る。住宅の現場では、家を建てるお客様と直接顔を合わせる機会があるという。 「綺麗ですねとか、そういう声をすごいありがたいですね。やりがいにつながるっていうんですか」 大規模なゼネコンの現場では、相手は企業であり、お客様から直接感謝の声を受け取ることは少ない。住宅鉄筋だからこそ得られる、人とのつながりがそこにある。
さらに、木造住宅の鉄筋は「組んだら終わり」という区切りの良さも特徴だ。簡単な一軒家であれば一日で仕上がることもあり、自分が頑張った分だけ早く現場を終えられる。大きな現場とは違う、小さな現場ならではの達成感がそこにある。
🌱 これから挑む人へ──「とりあえず一回やってみよう」
真青鋼業は、今は無理に規模を広げるのではなく、一歩ずつ着実に歩むことを選んでいる。現在協力会社に頼っている部分を、いずれは自分たちの手で完結できるようにしたい。そして、ともに働く仲間に報いていきたい──浅見氏が描くのは、そうした地に足のついた未来図である。 「徐々に徐々に増えていけたらいいかな」
最後に、この業界に飛び込もうか迷っている人へのメッセージを尋ねると、浅見氏は飾らない言葉で答えてくれた。 「とりあえず一回やってみた方がいいんじゃないかな。しなくていい経験ではないと思うんで。やってみて決めるんでもいいんじゃないかな」 迷う時間があるなら、まず動いてみる。木造住宅の鉄筋を一から手がける職人は決して多くないからこそ、その経験は確かな財産になる。中小建設業の現場に立つ一人ひとりへの、力強いエールである。
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📝 編集部コメント
取材を通じて感じたのは、浅見代表の「誰が見ても綺麗な仕事」への一途なこだわりである。失敗を糧に丁寧さを突き詰めた姿勢こそが、揺るぎない信頼の源泉なのだと実感した取材であった。