🔨 大阪府箕面市を拠点に、外壁塗装・屋根塗装・防水工事・コーキング工事を手がけるオオエペイント。三代にわたって受け継がれてきた塗装職人の家業を継ぐ大榮代表は、「一軒一軒が自分の作品」という信念のもと、施工品質への妥協を一切排してきた。その仕事ぶりは元請けからも厚い信頼を集め、口コミや紹介が自然と広がっていく。職人気質の強みと経営者としての視点、そして今後の展望について語っていただいた。
🏗️ なぜ塗装業を継いだのか?三代にわたる家業と、自分の道を選ぶまで
オオエペイントの塗装業の歴史は、大榮代表の祖父の代にまで遡る。60年以上にわたって地域に根ざしてきた家業だ。しかし大榮代表が最初から塗装の道に進んだわけではなかった。 「三代目なんですよ。言ったら家業ですね」と代表は語る。高校卒業後の18歳から約10年間は、車やバイクへの強い関心からガソリンスタンドで勤務。その後、ヘッドハンティングを受けて別の会社へ移ったものの、前職との社風の違いに馴染めず、わずか3ヶ月で新たな道を模索することになった。その間も並外れた営業センスを発揮し、ガソリン以外の商品売上を着任前の3倍に引き上げるなど、確かな実績を残している。 こうした経緯を経て27〜28歳の頃、父親とともに家業の塗装業に参入した。先代である父も品質に厳しい職人だったが、長年ともに働く仲間からは「お前は親父よりも厳しい」と言われるほど、代表は施工基準を高いところに置いてきた。 中小建設業の経営者にとっても、「家業を継ぐ」というプロセスは他人事ではないだろう。自分なりの経験を積んだうえで業界に入り、先代の姿勢を受け継ぎながらさらに磨きをかけていく——そのあり方が、オオエペイントの今日の品質を支えている。
🔧 「一軒一軒が作品」──養生テープ10種類が物語る、現場へのこだわり
大榮代表が語る強みの核心は、「一軒一軒こなすごとに経験値が上がり、前回より綺麗に仕上げられる」という継続的な成長への意識だ。 なかでも印象的なのが養生テープへのこだわりである。一般的な塗装業者が3〜4種類のテープを使い分けるのに対し、オオエペイントでは約10種類を場所と用途に応じて使い分けている。「この部分にはこのテープ」と明確に決めることで、仕上がりのクオリティが大きく変わるという。急に応援職人を呼んでも「ついてこれないと思いますね」と代表が言うほど、緻密なこだわりが積み重なっている。 また、費用面で多少の誤算が生じた場合でも、材料メーカーが定めた施工手順を省くことは一切しない。「手抜きをしたことで後から責任を取ることは難しい。お客さんとの関係もそこで終わってしまう」という考えが根底にある。元請けの担当者からは「気が済むまで塗るんで」と紹介されるほどで、同じタイミングで施工した隣家との仕上がりの差が数年後に歴然と現れることも珍しくないという。 自分の目の届く範囲でしか仕事を受けないという方針も一貫している。一軒一軒に自分の目が届く範囲で仕事を完結させることを大切にしており、受注の際には品質を維持できる体制かどうかを丁寧に見極めている。「一軒一軒が自分の作品」という職人としての信念が、この姿勢の根底にある。
⚠️ 個人事業ならではの課題と、信頼でつながる仕事の広げ方
塗装業は、一度施工すれば次の塗り替えまでに10年以上かかることも多い。そのためリピート受注を主軸に据えにくく、常に新規顧客の開拓が求められる。中小建設業全体が抱える集客・認知の課題は、オオエペイントにとっても例外ではない。 「エンドユーザーからのお問い合わせはなかなかつながらない」と代表も率直に認める。一方で、施工後の口コミや紹介が着実に広がっている実態もある。仕事が終わるたびに施工内容や写真を丁寧に報告し、屋根の上など直接確認できない場所の状況も共有する姿勢が、顧客の信頼につながっている。ある現場では、近隣一帯の塗装をまとめて依頼されたこともあったという。 こうした強みを活かし、代表は今後のターゲットとして工務店などの元請け法人にも目を向けはじめている。「一社から継続的に案件が来れば安定する」という経営判断だ。一方で、大手ゼネコンへの参入は想定していない。「一度入ったら抜け出しにくくなる。少人数でやっているので、次のお客様に迷惑をかけたくない」という明確な線引きがある。自社の規模と強みを冷静に見極めた経営判断は、中小建設業の経営者にとっても参考になるのではないだろうか。
🌱 三代目が描く未来──「丁寧な仕事」を旗印に、地域とともに歩み続ける
大榮代表の展望は、規模の拡大よりも品質と信頼の積み上げにある。「他の塗装屋さんよりも丁寧な仕事をする自信があります」という言葉は、60年以上続いてきた家業への誇りと、自らが培ってきた職人としての自負が込められた一言だ。 施工に関しては、材料ごとにメーカーが定めた正しい工程を必ず守り、クレームが生じるような仕事はしないという姿勢を貫いている。保証制度も用意しているが、「保証を使わせるような仕事はしない」というのが大前提だ。 ガソリンスタンド時代に磨いた「まず自分を売る。お客様に心を開いてもらってから、徐々に提案していく」というコミュニケーション哲学も、塗装業での信頼構築に活きている。個人で経営しているからこそ生まれる柔軟な対応力と、話しやすい距離感——それが口コミで広がる仕事の源泉となっている。 三代にわたって育まれてきた施工への誠実さを守りながら、新たな顧客との接点を少しずつ広げていく。オオエペイントの歩みは、地道でありながら着実な信頼の蓄積そのものである。
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📝 編集部コメント
取材を通じて印象的だったのは、大榮代表の「一軒一軒が作品」という言葉でした。養生テープ10種類の使い分けや、費用面での誤算があっても工程を省かない姿勢には、三代続く職人の矜持が宿っていました。