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🔨 東京都大田区北馬込を拠点に、アスファルト防水や塩ビ防水を中心とした屋上の防水工事を手がける株式会社コモリ工業。2024年1月に法人化し、従業員5名で現場を回している。代表の小森雄太氏は、隣接する品川区旗の台で生まれ育った生粋の地元っ子だ。「まず地元に貢献したいです」と語る小森氏は、経歴を問わず仲間を迎え入れる懐の深さも持つ。中小建設業が人を育て、地域で選ばれ続けるためのヒントに迫る。
✅ この記事でわかること
中間業者を挟まない直接営業の伝え方
経歴不問で仲間を迎える採用の考え方
地元から大阪へ広げる事業の描き方
株式会社コモリ工業は、2024年1月に法人化した従業員5名の防水工事会社だ。会社として目指す姿を尋ねると、小森氏は間を置かずに答えた。
近藤:これからの会社として目指す姿について、お聞かせいただけますか。
小森:まず地元に貢献したいです。僕はこの辺に住んで、この辺で生まれ育って、この辺の地域の人たちに育ててもらってるというか。まあ若い頃なんか悪いことばっかして、いろいろやってきたんですけど。
近藤:本当にずっと、このエリアなんですね。
小森:そうです。僕、品川区の旗の台に生まれて育って、本当にすぐそこなんですよ。今は大田区でやらせてもらってますけど、この辺も昔から知らないところではないので。
やんちゃだった若い頃の自分を見守ってくれた地域へ、仕事で恩を返したい。その想いが事業の根っこにある。
小森氏は自らについて「社長っていう感覚じゃないんで、リーダーだと思ってる」と語る。上から指示を出すのではなく、仲間と同じ場所に立つ。社内でも「同じ所に立ってみんなで」という話をよくしているという。
中小建設業にとって、地元とのつながりは営業の土台であり、人が集まる理由にもなる。小森氏の原点は、地域と仲間、その両方への感謝にある。
地元への貢献を語るなかで、小森氏は建設業の構造に話を移した。元請や中間業者、管理会社が間に入ることで、施主の負担が膨らんでいるという。
近藤:地元に貢献したいというお話の中で、ブローカー的な存在にも触れられていましたね。
小森:建設業の仕事って、中にブローカーみたいな人がいるんですよ。それを説明して、地元の人たちに還元できたらなと思ってます。お年寄りって、孫の代まで家を持たせたいとか言うんですけど、だいたい一軒家って5、60年じゃないですか。そうなると別に、そんなに大手にこだわる必要はないんじゃないですか、っていう。うちは工業会にも入ってるので、そういう話をこの辺を歩いて回ってるんです。
「一軒家の工事も、僕たちが直接やればその分安くできるんですよ。それが元請けさんや中間業者、管理会社を入れることで、金額がどんどん上がっていく」
── 代表取締役 小森 雄太 氏
近藤:実際に歩いて営業されているんですか。
小森:実際にです。個人宅に名刺を持って、それこそバブを1個持って。バブの裏に『暑い日にお話聞いていただいてありがとうございました』っていう一言を書いて、名刺と一緒に配ってるんですよ。
施工面では、アスファルト防水や塩ビ防水を1級の国家資格のもとで手がける。作業の多くは屋上で、足場作業が少ないのも特徴だ。小森氏によれば、この分野で資格を持つ職人は現場で重宝され、大切にされるという。確かな技術と、顔の見える地道な営業。その両輪が同社の強みである。
中小建設業にとって、人手不足は避けて通れない課題だ。小森氏が人を迎え入れるうえで重視するのは、経歴でも経験でもなく「気持ち」だという。
近藤:採用では、ゆくゆく管理を任せられるような考えを持つ人を求めているのでしょうか。
小森:いや、なんでもいいっすよ。経歴とか一切気にせず。僕も経歴で言ったらいいわけではないので。要はやる気というか、変わりたければ一緒に仕事しましょうっていう。
近藤:未経験の方でも、ということですね。
小森:そうです。人生やり直したいじゃないけど、そういうのがあるなら一緒に。頑張れじゃなくて、一緒に頑張っていきたいっていう感じです。
近藤:ターゲットを絞って戦略を立てた方が、という考え方もありますが。
小森:いや、でもぶっちゃけ、女性でも男性でも外国人でもいいなと思ってて。日本語が喋れるとか喋れないとかは置いといて、やる気があれば1ヶ月、2ヶ月で覚えられる仕事内容が結構多いので。運転免許も、なくても取らせます。続けてもらえるなら、技能士の資格でお仕事が取れるようにもなってきますから。
一方で、小森氏は「2、3ヶ月で腰掛けで入ってくるんだったら要らない」とはっきり口にする。入社から3ヶ月間は、会社にとって赤字の育成期間だからだ。間口は広く、ただし覚悟は問う。育成の重みを知る会社ならではの姿勢である。
💡 中小建設業が真似できるヒント
経歴・性別・国籍で、応募の入口を狭めない
運転免許や技能士資格の取得を会社が支え、長く働く理由をつくる
最初の数ヶ月は育成期間だと率直に伝え、本人の覚悟を確かめる
地元では、会社の隣の公園のゴミ拾いなど、工事以外の活動も続けている。地域に根を張りながら、小森氏の視線は東京の外にも向いていた。
近藤:これから忙しくなるとのことですが、どういった案件が増えてくる見込みですか。
小森:元請けからの仕事も入ってきますし、今こうやってお話ししてる営業の仕事も増えてきてますし。
近藤:人さえいれば、もっと現場を受けられる状況なのでしょうか。
小森:もう何人でもいいですよ。10人入ってきても20人入ってきても捌ききれますし。今、大阪進出も考えてるんです。うちは元請けさんに大阪の業者さんが結構多いんですよ。大阪の八尾あたり、倉庫があるところら辺に事務所を出そうかなと思ってます。
近藤:求職者の方へ、メッセージをお願いします。
小森:僕は社長っていうよりリーダーだと思ってるので、『やれ』っていうことより、一緒に頑張っていきましょうっていう感覚が強いんですよ。間違えても全然いいですし、みんなでいれば怖くないじゃないですけど(笑)。
「『俺もできるんじゃないの?』って思った時点で連絡が欲しい。誰でもできるんで」
── 代表取締役 小森 雄太 氏
🎤 社長に一問一答
Q. 生まれ育った場所は?
A.
品川区の旗の台です。今の会社のすぐそこなんですよ。
Q. 1日で一番落ち着いている時間は?
A.
朝9時頃ですね。昼になると、もうずーっと電話が鳴ってるんで(笑)。
Q. プライベートで続けていることは?
A.
息子が野球をやっていて、一緒に野球のアカウントでインスタをやっています。
Q. 仕事で一番大切なものは?
A.
気持ちだと思います。気持ちがあるんだったら、誰でもできるんで。
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📝 編集部コメント
地元の個人宅を一軒一軒歩き、バブ1個に感謝の言葉を添える。経歴を問わず「一緒に頑張ろう」と仲間を迎える。小森氏の飾らない言葉の一つひとつに、地元と人への誠実さを感じた取材でした。