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取引先から入金があった。通帳を見れば金額も確認できる。ところが、「この入金は、どの請求分だった?」となると、請求書や工事台帳を引っ張り出して確認する――。建設会社では、こうした作業が事務担当者の負担になっていることがあります。
入金確認と消込は、似ているようで別の作業です。入金された事実を確認するだけでなく、どの請求に対する入金なのかを照合して記録するところまで行なうことで、売掛金(売掛金とは:商品やサービスを提供した後、まだ受け取っていない代金)の管理が整理されます。
例えば、ある建設会社で月末に複数の取引先から入金があったとします。通帳には会社名と金額が並びますが、請求金額と入金額が完全に一致しないケースもあります。振込手数料が差し引かれていたり、複数の請求分がまとめて振り込まれたりすることもあります。
ここで確認を後回しにすると、「まだ払ってもらっていない請求はどれか」「この入金は何の工事分か」が分かりにくくなります。さらに、担当者が休んだときに、別の人が過去の請求書や通帳を一つずつ確認することにもなりかねません。
特に中小規模の建設会社では、経理専任者ではなく、事務担当者や経営者が入金管理まで兼任していることがあります。だからこそ、「誰かが覚えている」状態から「記録を見れば分かる」状態へ変えることが重要です。
消込を難しく考える必要はありません。基本は、請求した金額と、実際に入金された金額を対応させる作業です。
例えば、「A社・5月工事・請求額110万円」という請求があり、後日、A社から110万円が入金されたとします。この二つを結び付け、「入金済み」と記録すれば消込は完了です。
一方、請求額と入金額が違う場合は、そのまま「未入金」と判断しないことが大切です。振込手数料などによる差額なのか、一部入金なのか、複数請求をまとめて支払ったものなのかを確認します。
建設業では、一つの取引先と複数の工事を同時期に進めることがあります。そのため、取引先名だけで管理すると、後から判断しにくくなることがあります。
そこで、入金管理の記録には「取引先名」「工事名」「請求番号」「請求額」「入金額」「入金日」などを残しておくと便利です。すべてを細かく入力することが難しければ、まずは「どの工事の入金なのか」が分かる状態を目指します。
また、入金確認を月末にまとめて行なうのではなく、入金が確認できたタイミングで処理する方法もあります。後回しにする件数が減れば、「あの入金は何だった?」と記憶をたどる時間も減らせます。
消込で大切なのは、すべてをその場で完璧に判断することではありません。判断できないものを「確認待ち」として残せる仕組みを作ることです。
例えば、入金一覧に「確認中」という欄を設け、担当者が取引先や営業担当者に確認した後、「消込済み」に変更するだけでも状況が見えやすくなります。紙の一覧表でも、表計算ソフトでも構いません。大切なのは、誰が見ても現在の状態が分かることです。
さらに、会計ソフトや請求管理ツールなど、現在利用している仕組みに入金管理の機能があるなら、一度確認してみるのも方法です。新しいサービスを導入する前に、今ある仕組みでどこまで消込を簡単にできるかを確認すると、余計なコストを抑えやすくなります。
※画像はイメージです
入金消込は、単なる事務作業ではありません。請求したお金が予定どおり入っているかを確認することで、会社のお金の流れを把握する作業でもあります。
「請求はしたから大丈夫」と考えるのではなく、請求、入金、消込までを一つの流れとして管理する。これだけでも、未入金の見落としや確認作業の重複を防ぎやすくなります。
まずは現在の入金一覧を見て、「この入金は何の工事分か、すぐ答えられるか」を確認してみましょう。答えに時間がかかるものがあれば、そこが管理方法を見直すポイントです。
入金消込は、難しい経理作業に見えて、基本は「どの請求に対する入金なのか」を確認して記録することです。
建設会社では工事ごとの請求が多いからこそ、取引先名だけでなく工事名なども意識して管理すると、後から確認しやすくなります。入金を確認するだけで終わらせず、消込まで行う習慣が、会社のお金を見える状態につながります。
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