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建設会社の経営において、材料費や人件費の管理には力を入れていても、軍手や養生テープ、マスカー、切断砥石、ビス、マーカー、結束バンドといった消耗品については「必要だから買う」という運用になっているケースが少なくありません。
しかし、こうした消耗品は一つひとつの単価こそ高くないものの、年間で集計すると想像以上の金額になります。特に複数の現場を抱える企業では、重複購入や在庫不足による追加発注、現場ごとの管理のばらつきによって、知らないうちに利益を圧迫していることがあります。
建設業では資材価格や燃料費の高騰が続いており、利益率の確保が重要な経営課題となっています。だからこそ、見落とされがちな消耗品コストの管理が重要になっているのです。
現場では工期を優先するため、必要になったタイミングでホームセンターや建材店へ買いに行くことがあります。もちろん緊急対応としては必要ですが、これが常態化するとコスト増加につながります。
例えば、倉庫に在庫があることを知らずに再購入してしまうケースがあります。また、担当者ごとに購入先が異なり、同じ商品でも価格差が発生している場合もあります。 さらに、現場ごとに保管ルールが決まっていないと、紛失や破損も起こりやすくなります。
消耗品は金額が小さいため見過ごされがちですが、年間を通して積み重なると数十万円から数百万円規模の差になることも珍しくありません。 特に中小建設会社では、こうした細かなコスト管理が利益改善の大きなポイントになります。
消耗品コストを削減するために最初に行ないたいのが、購入履歴の見える化です。 過去3か月から6か月程度の領収書や請求書を集計し、何をどこからどのくらい購入しているのかを確認してみましょう。 意外と多いのが、同じ商品を複数の仕入先から異なる価格で購入しているケースです。
また、特定の商品だけ極端に使用量が多いことに気付く場合もあります。 最近では表計算ソフトだけでなく、クラウド型の経費管理サービスや購買管理システムも利用しやすくなっています。
例えば、実在する経費精算サービスの「楽楽精算」や「マネーフォワード クラウド経費」などを活用すると、購入履歴の集約や分析がしやすくなります。 まずは現状を把握することが、改善の第一歩です。
コスト削減というと「安いものを買う」ことをイメージしがちですが、それだけでは十分ではありません。 重要なのは購入ルールの標準化です。
例えば、よく使用する消耗品について推奨メーカーや購入先を決めておけば、価格比較の手間が減るだけでなく、品質のばらつきも防げます。 また、一定数以下になったら補充する「定数管理」を導入すると、急な買い出しも減らせます。担当者ごとの判断に任せるのではなく、会社全体のルールとして運用することが重要です。
特に現場監督と事務担当者が連携し、在庫状況を共有できる仕組みを整えることで、無駄な発注を大幅に減らせます。
※画像はイメージです
売上を増やして利益を出すことは簡単ではありません。しかし、不要な支出を減らすことは比較的取り組みやすい改善策です。
例えば年間100万円の消耗品費を10%削減できれば、10万円の利益改善につながります。利益率5%の会社であれば、10万円の利益を売上で確保するためには200万円の追加受注が必要になります。 つまり、消耗品の管理改善は新規受注を獲得するのと同等の経営効果を持つ場合があるのです。
建設業を取り巻く環境が厳しさを増す中、利益を守るためには大きな改革だけでなく、こうした日常業務の見直しも欠かせません。
消耗品は単価が低いため軽視されがちですが、積み重なれば会社の利益に大きな影響を与えます。「必要になったら買う」という運用から脱却し、購入履歴の見える化や在庫管理、購入ルールの統一を進めることで、無理なく利益改善を図ることができます。
まずは自社でどの消耗品にどれだけの費用がかかっているのかを確認することから始めてみてはいかがでしょうか。
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「建設円陣PLUS編集部」は、建設業界に特化したプラットフォーム「建設円陣」を運営する株式会社エンジョイワークスの編集チームです。中小建設業の経営・人材・現場課題を、国土交通省・厚生労働省、業界専門紙や公的機関の情報をもとに解説します。