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6月から夏本番にかけて、建設現場では熱中症対策が重要な経営課題となります。しかし、実際には熱中症そのものよりも前の段階で発生している「隠れ脱水」が見逃されているケースが少なくありません。
隠れ脱水とは、体内の水分が不足し始めているにもかかわらず、自覚症状がほとんどない状態を指します。喉の渇きを感じていなくても、体内ではすでに水分や電解質が不足している場合があります。
建設業では屋外作業が多く、さらにヘルメットや安全帯、作業着の着用によって体温が上昇しやすい環境です。そのため、気付かないうちに脱水状態が進行し、突然体調不良に陥るリスクがあります。
特に梅雨時期は気温がそれほど高くなくても湿度が高いため、汗が蒸発しにくく体温調節が難しくなります。「まだ真夏ではないから大丈夫」という油断が、隠れ脱水を招く原因になっています。
隠れ脱水の厄介な点は、本人が異常に気付きにくいことです。そのため、現場監督や同僚が早期に変化を察知することが重要になります。
代表的な初期症状として挙げられるのは次のようなものです。
・集中力が続かない
・作業ミスが増える
・ぼんやりする時間が長くなる
・頭が重く感じる
・立ち上がった際に軽いめまいがある
・汗の量が急に減る
・尿の色が濃くなる
建設現場では「疲れているだけ」と判断されがちな症状ばかりですが、実際には脱水が進行しているサインである可能性があります。
特に高所作業や重機操作を行なう職人が集中力を失うと、重大事故につながる危険性があります。単なる体調不良として片付けず、早めの対応を取ることが重要です。
人間は年齢とともに喉の渇きを感じにくくなる傾向があります。
また、作業に集中していると水分補給のタイミングを逃しやすくなります。 建設現場では「あと少しで作業が終わるから」「今は手が離せないから」と水分補給を後回しにするケースも珍しくありません。
さらに、汗を大量にかいている場合でも、水だけを補給していると体内の塩分やミネラルが不足することがあります。
その結果、水分を摂っているつもりでも脱水状態が改善されないケースもあります。 近年は熱中症対策の強化が求められる中で、企業側にも作業員の健康管理体制がこれまで以上に求められるようになっています。
体調管理を個人任せにするのではなく、組織として取り組むことが重要です。
隠れ脱水を防ぐためには、喉が渇く前の水分補給が基本となります。 理想的には20~30分ごとに少量ずつ水分を補給し、一度に大量に飲むのではなく、こまめな摂取を心掛けることが重要です。
また、水だけではなく塩分や電解質を補給できる飲料も活用すると効果的です。特に大量発汗が予想される日は、朝から計画的な水分補給を行なうことが望ましいでしょう。
現場管理者は次のような取り組みを検討すると効果的です。
・休憩時間を明確に設定する
・声掛けによる水分補給確認を行なう
・冷却設備や日陰スペースを整備する
・体調確認シートを活用する
・新人や高齢作業員を重点的に見守る
これらの対策は熱中症予防だけでなく、安全管理や労務管理の面でも大きな効果があります。
※画像はイメージです
近年の建設業では人手不足が深刻化しており、人材確保と定着は多くの企業の課題となっています。 その中で、安全対策や健康管理に積極的に取り組む会社は、従業員からの信頼を得やすくなります。
特に若手人材は、給与だけでなく働く環境も重視する傾向があります。熱中症対策や健康管理体制が整った職場は、安心して働ける会社として評価されやすくなります。
隠れ脱水対策は単なる健康問題ではなく、事故防止、生産性向上、人材定着にもつながる重要な経営課題といえるでしょう。
隠れ脱水は、自覚症状が少ないまま進行し、気付いたときには熱中症へ発展していることもあります。建設現場では「まだ大丈夫」という思い込みが大きな事故や体調不良につながる可能性があります。
これから本格的な暑さを迎える前に、水分補給のルールや休憩体制を見直し、現場全体で隠れ脱水を防ぐ取り組みを進めていきましょう。
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「建設円陣PLUS編集部」は、建設業界に特化したプラットフォーム「建設円陣」を運営する株式会社エンジョイワークスの編集チームです。中小建設業の経営・人材・現場課題を、国土交通省・厚生労働省、業界専門紙や公的機関の情報をもとに解説します。