記事を読み込み中です

「会社のお金で買ってよかったもの、微妙だったもの」を一度棚卸しすると、建設会社の支出には「高いから良い」「安いから得」とは言い切れないものが見えてきます。
現場で毎日使う道具、事務作業を支える機器、社員の負担を減らす備品など、少額でも積み重なる支出は意外と大きな金額になります。 大切なのは、買った瞬間の満足度ではなく、「その購入で仕事がどう変わったか」を振り返ることです。
建設業では、現場の道具だけでなく、写真整理や書類作成、連絡、移動などにも会社のお金が使われます。たとえば、現場で使うタブレットや予備バッテリーは、写真確認や情報共有の場面で役立つ一方、使う人が限られたり、充電や設定が面倒だったりすると、購入したまま棚に置かれることもあります。
反対に、単価はそれほど高くなくても、毎日使う収納用品、作業スペースを整える備品、書類を探す時間を減らす仕組みなどは、「買ってから手放せなくなった」という結果になりやすいでしょう。
会社の購入品を評価するとき、まず見たいのが使用回数です。
たとえば5万円の商品でも、5人が毎日使い、2年間活用できれば、1人1日あたりの負担はかなり小さくなります。一方、1万円の商品でも、数回しか使わなければ、実質的なコストは高くなります。 「いくらだったか」だけでなく、「何人が、何回、どんな仕事で使ったか」を記録してみると、判断が変わるかもしれません。
特に中小建設会社では、社長やベテランだけが便利さを知っていて、他の社員が存在すら知らない備品もあります。購入後に「誰が、いつ、何のために使うものなのか」を共有するだけでも、眠っている道具を減らせます。
※画像はイメージです
微妙だった購入品には、いくつかの共通点があります。
一つ目は、「便利そう」という理由だけで導入したものです。実際の作業手順を変えなければ、便利な機能があっても使われません。
二つ目は、特定の人しか使えないものです。担当者が休んだり退職したりすると、購入品そのものが使えなくなるケースがあります。
三つ目は、維持管理の手間を見落としたものです。充電、更新、消耗品の交換、データ整理など、購入後に発生する作業まで考える必要があります。
だからこそ、購入前に「誰が使うか」「今の何分を減らせるか」「使わなくなった場合はどうするか」の3点を確認するだけでも、失敗は減らせます。
会社の支出では、税務上の扱いも気になるところです。ただし、「経費になるから買う」という考え方には注意が必要です。
国税庁は、事業所得などの計算上、必要経費にできるのは収入を得るために直接要した費用や、業務上の費用などとしています。また、業務用と私用が混ざる支出は、業務上必要な部分を明確に区分する必要があります。
さらに、一定の資産は購入金額をその年にすべて費用にするのではなく、減価償却など別の処理になる場合があります。購入前に税理士や会計担当者へ確認しておくと安心です。
おすすめしたいのは、年に一度の「購入品棚卸し」です。
「よかった」「普通」「微妙」の3段階に分け、購入金額、使用人数、使用頻度、削減できた時間、故障や維持費などを書き出します。 そのうえで、「来年も同じものを買うか」と考えてみましょう。
ここで「もう一度買う」と答えられるものは、会社にとって価値のある支出です。逆に「無料でもいらない」と感じるものは、次回の購入ルールを見直す材料になります。
建設会社のお金は、派手な設備投資だけで動いているわけではありません。毎日の小さな購入の積み重ねが、利益や働きやすさにも影響します。買ったものを責めるのではなく、「なぜ活躍したのか」「なぜ使われなかったのか」を共有することが、次の一手につながります。
「買ってよかったもの」を増やすコツは、高価なものを選ぶことではありません。現場や事務所で本当に使われ、時間や手間を減らしてくれるものを見極めることです。
まずは今年買ったものを3つだけ振り返るところから始めてみてはいかがでしょうか。
本サイトについて、ご質問・ご相談がある場合は、下記のお問い合わせフォームからお気軽にお寄せください。
あわせて、協力会社探しや人材確保など、日常的な情報収集の場として無料で利用できる建設業向けマッチングサービス『建設円陣』もぜひご登録ください(緑のバナーをクリック)。
➡関連記事:1人休むと会社はいくら失う?「休める会社」はお金も強い
➡関連記事:倉庫を眠らせない。建設業の新しい連携術
➡関連記事:補助金頼みは危険?建設会社が考えたい手元資金
お問い合わせフォームを読み込んでいます。お問い合わせページもご利用いただけます。
お問い合わせフォームを読み込み中です「建設円陣PLUS編集部」は、建設業界に特化したプラットフォーム「建設円陣」を運営する株式会社エンジョイワークスの編集チームです。中小建設業の経営・人材・現場課題を、国土交通省・厚生労働省、業界専門紙や公的機関の情報をもとに解説します。