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生成AIを導入したのに、現場の作業量はほとんど変わらない——そう感じている建設・建築業の経営者や実務責任者は少なくないはずです。ツールを入れることと、業務の流れを変えることは、まったく別の話です。本記事では、業務棚卸しから始める建築業特化のDX・AI活用支援の取り組みを軸に、現場が本当に必要としている生産性向上のアプローチを解説します。
株式会社コミクスが、工務店・リフォーム会社・住宅建築会社を対象に、業務棚卸しから始める「建築業特化のDX・AI活用支援プラン」の提供を開始しました。同社のプレスリリースでは、サービスの特長についてこのように述べられています。
『建設・建築業は、担い手の確保と労働時間の適正化という二つの課題に直面しています。2024年4月には建設・建築業にも時間外労働の上限規制が適用され、従来と同じ業務の進め方では、工期・顧客対応・労働時間を両立しにくくなっています。年齢構成にも偏りがあります。2024年の建設・建築業就業者は、55歳以上が36.7%を占める一方、29歳以下は11.7%にとどまりました。全産業平均は55歳以上32.4%、29歳以下16.9%です。2023年度の年間平均労働時間は2,018時間と、他産業より約62時間長い水準でした。
また、2025年7月に正社員の不足を感じた企業の割合は、建設・建築業で68.1%と業種別で最も高く、全体の50.8%を上回っています。電話・メール・LINEなどで受けた相談内容を複数の台帳やグループウェアに手作業で転記すると、現場の判断や顧客対応に使う時間まで圧迫されます。生成AIや新しいツールを導入しても、入力・確認・承認の手順が整理されていなければ、作業は減りません。コミクスはツール導入の前に、業務の実態を可視化します。』
引用元:株式会社コミクス プレスリリース(PR TIMES掲載)
多くの中小建設・建築会社でよく聞かれる声があります。「グループウェアを導入したら、かえって入力が増えた」「AI研修を受けたが、翌月には元の作業に戻っていた」というものです。
この問題の根本は、ツールを先行させていることにあります。電話・メール・LINEで受けた案件情報を、施工台帳・工程表・見積書・グループウェアのそれぞれに手入力している状況は、新しいツールを加えるだけでは解消しません。むしろ入力先が一つ増えるだけになってしまうケースもあります。
DXや生成AI活用で成果を出している企業に共通しているのは、ツールを入れる前に「誰が・どの情報を・どの順序で・どこに入力するか」を整理している点です。業務の流れが可視化されていなければ、AIは補助にもなりません。
コミクスが提供する支援プランは、次の3段階で構成されています。
第一段階:顧客対応の業務棚卸しと業務フロー整備
「相談受付」から「アフターフォロー」まで7段階に顧客対応を分解し、担当者・使用ツール・入力項目・判断基準を整理します。工事種別とタスクを掛け合わせた「必要最低限マトリクス」のたたき台も作成し、経営層と現場スタッフが実態に合う標準フローへ更新します。
第二段階:重複入力・転記作業の削減設計
棚卸しで明確になった重複入力・転記・確認待ちを対象に、削減の優先順位を設定します。既存のグループウェアや工程管理システムを一律に入れ替えるのではなく、現在の運用を活かしたまま、同じ情報を何度も打ち直さない流れを検討します。
第三段階:AI活用環境の整備と定着伴走
業務フローが固まった後、必要なAIツールと利用環境を整備します。設定や操作説明だけで終えるのではなく、定例会で利用状況・削減できた作業・残る課題を継続的に確認し、業務に定着するまで改善を重ねます。
※画像はイメージです
このプランの特長として特に注目したいのが、「判断の主体を社内に残す」という設計思想です。業務フローのたたき台はコミクスが用意しますが、標準化の最終判断は経営層と現場が行います。AIに判断を委ねるのではなく、人が判断に集中できる時間を取り戻すことが目的です。
中小の建設・建築会社では、経営判断と現場管理を同じ担当者が兼務しているケースが多く、外部のコンサルタントが設計した業務フローが実態と合わずに形骸化した経験を持つ会社も少なくありません。全社一斉導入を前提とせず、まずは優先度の高い領域から小さく始め、投資対効果を確かめながら対象を広げられる点も、現実的な選択肢といえます。
また、グループウェアをすでに導入済みで入力負担が増えた企業や、AI研修を受けたものの業務が変わらなかった企業を明確に想定対象としている点も、同プランの現場感覚のある設計を示しています。
建設・建築業が直面している人手不足・長時間労働・転記作業の非効率は、AIやツールを導入するだけでは解決しません。業務の流れを先に整理し、削減できる作業を明確にしたうえで、定着まで伴走する支援の存在が今後ますます重要になります。「AI研修は受けたが何も変わらなかった」という段階から一歩進めるために、業務棚卸しという地道なプロセスを起点に置くアプローチは、中小の建設・建築会社にとって参考になる視点です。自社の業務フローを見直す機会として、こうした支援の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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