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東京都目黒区の西小山駅周辺で、「原町一丁目9番地区防災街区整備事業」に向けた動きが続いています。区内ではすでに複数の防災街区整備事業が進んでおり、この地区はその流れに続く計画として、区議会の委員会でもたびたび報告されてきました。
本記事では、区が公表している情報をもとに、この事業の位置付けと、地域の建設会社・専門工事会社にとっての意味を整理します。
結論からいうと、原町一丁目は今後しばらく除却・建替え工事が断続的に発生するエリアと見てよさそうです。
理由は、区内の防災街区整備事業(防災街区整備事業とは:密集市街地で、老朽建物を共同化・不燃化し、道路などの公共施設もあわせて整備する事業)が、この一帯に集中しているためです。目黒区によると、区内の事例は目黒本町五丁目24番地区、原町一丁目7番・8番地区に続き、原町一丁目3番地区が3例目となっています。9番地区は、これに続く取組として準備が進められています。
地区 |
区域面積 |
状況 |
|---|---|---|
目黒本町五丁目24番地区 |
― |
区内1例目 |
原町一丁目7番・8番地区 |
約0.4ha |
令和6年1月に建築工事完了 |
原町一丁目3番地区 |
約0.1ha |
令和8年9月に除却工事着手 |
原町一丁目9番地区 |
― |
準備組合が住民説明会を開催(令和7年10月に区議会委員会へ報告) |
出典:原町一丁目7番・8番地区防災街区整備事業(目黒区)(https://www.city.meguro.tokyo.jp/mokumitsu/shigoto/machidukuri/hara1-78bougai.html)、原町一丁目3番地区防災街区整備事業(目黒区)(https://www.city.meguro.tokyo.jp/mokumitsu/shigoto/machidukuri/hara1-3bougai.html)、都市環境委員会(目黒区議会)(https://www.city.meguro.tokyo.jp/kugikai/kusei/kugikai/toshikankyo.html)をもとに作成
区は西小山駅周辺地区について、老朽木造住宅が密集し、地震に関する地域危険度が高いと説明しています。原町一丁目3番地区のページでも、建物同士の間隔が狭く延焼や倒壊の危険性が高いこと、行き止まり道路や狭い通路があり安全な避難路が確保できていないことが課題として挙げられています。
こうした課題に対し、防災街区整備事業では権利変換(権利変換とは:従前の土地・建物の権利を、新しい建物の床などの権利に置き換える手続き)による共同化を基本としつつ、例外的に個別の土地への権利変換も認める柔軟な手法がとられます。
なお、9番地区は西小山駅前地区地区計画(地区計画とは:地区単位で建物の用途や形態などのルールを定める都市計画)の区域である原町一丁目5番から12番に含まれます。この地区計画は平成27年1月に決定され、区域を4地区に区分してルールを定めています。
※画像はイメージです
9番地区については、区議会の都市環境委員会で令和6年12月11日に「原町一丁目9番地区の街づくりの方向性」、令和7年10月8日に「準備組合(準備組合とは:本組合設立前に地権者らが事業化を検討する任意団体)による住民説明会の開催と今後の進め方」が報告されています。また令和8年9月の区議会定例会では、この事業の住環境への配慮を求める一般質問も行なわれました。
事業の進み方は、先行する3番地区が参考になります。約0.1ヘクタールの同地区では、令和6年8月に準備組合が設立され、同年10月に街づくり提案書を提出、都市計画原案の縦覧・説明会を経て令和7年3月31日に都市計画決定(都市計画決定とは:法定手続きを経て計画を正式に定めること)されました。その後、令和7年11月に組合設立認可、令和8年6月に権利変換計画認可、令和8年9月7日に既存建物の除却工事に着手しています。本体工事の竣工は令和10年以降の予定です。
西小山駅北側の7番・8番地区(約0.4ヘクタール)も、令和4年4月に建築工事に着手し、令和6年1月に完了しています。
時期 |
原町一丁目3番地区の主な動き |
|---|---|
令和6年8月 |
準備組合設立 |
令和6年10月 |
街づくり提案書を区へ提出 |
令和6年11〜12月 |
都市計画原案の縦覧・説明会 |
令和7年3月31日 |
都市計画決定 |
令和7年11月5日 |
事業組合の設立認可 |
令和8年6月19日 |
権利変換計画の認可 |
令和8年9月7日 |
既存建物の除却工事に着手 |
令和10年以降 |
本体工事竣工(予定) |
出典:原町一丁目3番地区防災街区整備事業(目黒区)(https://www.city.meguro.tokyo.jp/mokumitsu/shigoto/machidukuri/hara1-3bougai.html)をもとに作成
こうした事業では、既存建物の解体、共同建築物の新築、道路などの公共施設整備と、段階ごとに異なる工種が求められます。周辺で個別の建替えも並行して進めば、小規模な工事の相談も増えると考えられます。
また原町一丁目は全域が不燃化特区(不燃化特区とは:防災上の課題がある地区を東京都が指定し、建替え等を重点支援する制度)の対象で、制度は令和12年度まで延伸されています。老朽建築物の除却費や建替えの設計費・工事費の助成、除却・建替え後の固定資産税・都市計画税の減免などが用意されています。施主から相談を受けた際に制度を案内できれば、受注につながる提案材料になります。申請には条件や期限があるため、詳細は区の木密地域整備課へ確認するよう伝えるとよいでしょう。
支援の種類 |
主な内容 |
|---|---|
除却の助成 |
老朽建築物の除却費、除却に伴う仮住居費 |
建替えの助成 |
戸建て・共同住宅の設計費・工事費、店舗等の建替え加算 |
その他の助成 |
老朽建築物からの住替え助成、壁面後退奨励金 |
税の減免 |
除却後・不燃化建替え後の固定資産税・都市計画税 |
専門家派遣 |
不動産・税務・相続などの相談 |
出典:不燃化特区制度(不燃化推進特定整備事業)(目黒区)(https://www.city.meguro.tokyo.jp/mokumitsu/shigoto/machidukuri/hunenkatokku.html)をもとに作成。対象は原町一丁目全域など、制度期間は令和12年度まで
原町一丁目では、7番・8番地区、3番地区に続き、9番地区でも防災街区整備事業に向けた検討が続いています。
除却から本体工事まで複数年にわたる事業が重なるエリアだからこそ、区の公表情報や委員会の報告を継続的に追い、不燃化特区の助成制度もあわせて把握しておくことが、地域での受注機会を広げる近道です。
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出典:原町一丁目3番地区防災街区整備事業(目黒区)(https://www.city.meguro.tokyo.jp/mokumitsu/shigoto/machidukuri/hara1-3bougai.html)、都市環境委員会(目黒区議会)(https://www.city.meguro.tokyo.jp/kugikai/kusei/kugikai/toshikankyo.html)、原町一丁目7番・8番地区防災街区整備事業(目黒区)(https://www.city.meguro.tokyo.jp/mokumitsu/shigoto/machidukuri/hara1-78bougai.html)、不燃化特区制度(不燃化推進特定整備事業)(目黒区)(https://www.city.meguro.tokyo.jp/mokumitsu/shigoto/machidukuri/hunenkatokku.html)、地区計画 西小山駅前地区(目黒区)(https://www.city.meguro.tokyo.jp/toshiseibi/shigoto/machidukuri/nishikoyamachikukeikaku.html)、令和8年第3回目黒区議会定例会 議事日程第1号(目黒区議会)をもとに作成
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