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豪雨のあと、堤防の形は残っているのに「中身」が傷んでいる。そんなケースでも、国の改良的な復旧の対象として扱えるようにする方針が示されました。
国土交通省
水管理・国土保全局は、令和9年度予算概算要求の新規事項として「改良復旧事業の活用促進等による再度災害防止対策の推進」を掲げ、災害復旧制度の拡充を打ち出しています。
結論から言うと、ポイントは2つです。
1つ目は、浸透などで機能を失った堤防も「完全欠壊」とみなし、一定災の対象を広げること。
2つ目は、改良復旧に関連する現地調査の時期を、計画の大幅な見直しが必要な場合などは年度内あるいは次年度まで延ばせるようにすることです。
地方自治体が発注する河川の災害復旧に関わる建設会社にとって、仕事の中身と進め方の両方に影響しうる話です。
今後、区間全体をまとめたスケールの大きな改良復旧工事が増えることで、1社だけでは現場の人手や協力会社の確保が難しくなるケースも想定されます。 今のうちから施工体制を強化しておきたいとお考えの事業者様には、無料で協力会社探しや人材確保に利用できる建設業向けマッチングサイト『建設円陣』の活用がおすすめです。
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災害復旧は、壊れた施設を元の形に戻す「原形復旧」が基本です。これに対し改良復旧(改良復旧とは:被災した施設を元に戻すだけでなく、同じ災害が再び起きないよう、改良を加えて復旧すること)は、再度災害を防ぐための仕組みです。
国交省は資料の中で、近年は気候変動の影響によって再度災害が多発しており、この傾向が今後一層強まることが想定されると指摘しています。
また、豪雨で洪水の規模が大きくなる中、度重なる被災が起きる事例や、被災した洪水の規模以下の計画で改良復旧を進めるケースが多くなっていることも課題に挙げています。つまり「直しても、また同じ規模の雨で壊れる」おそれがある復旧が少なくない、という問題意識です。
出典:国土交通省 水管理・国土保全局ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/page/content/002018602.pdf)
資料では具体例として、宮城県の鳴瀬川水系「名蓋川」が紹介されています。
名蓋川では、平成27年関東・東北豪雨、令和元年東日本台風、令和4年7月洪水と、近年で3回の堤防決壊が発生しました。
令和4年の災害では、被災していない区間も含めて災害復旧助成事業により、再度災害防止の観点から一定の計画に基づく改良復旧が行われています。
被災箇所だけを点で直すのではなく、川の区間全体を線で見直すことの大切さを示す事例といえます。
出典:国土交通省 水管理・国土保全局ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/page/content/002018602.pdf)
まず押さえておきたいのが一定災(一定災とは:広範囲にわたって激しく被災し、原形に戻すことが著しく不適当な場合に、被災箇所を含む区間全体について一定の計画のもとで行う必要最小限度の工事)です。
資料によると、外形的に完全欠壊に至っていなくても、「浸透等により施設機能が実質的に失われている状態」があり、実態としては広範囲に被災しているケースがあるとされています。
そこで今後は、堤防などの機能を評価する技術が普及してきたことを踏まえ、外形的な判断に加えて被災後の施設機能の評価でも完全欠壊を判断できるようにします。
具体的には、「被災後の施設機能の評価で、全面的な復旧が必要と判断されるもの」を完全欠壊とみなし、一定災の対象範囲を拡大する方針です。
もう1つが調査期間の見直しです。現状、関連の現地調査は災害査定(災害査定とは:国が現地で被害額や復旧工法を確認し、補助の対象額を決める手続き)と同時に、原則2か月以内に行うこととされています。
見直し案では、計画の大幅な見直しが必要な場合などは、年度内あるいは次年度に実施できるようにします。既存計画の見直しに必要な検討期間を十分に確保し、施工期間も適正に確保することで、より再度災害防止効果の高い改良復旧につなげる狙いです。
国交省の資料では、平成30年度以降、水管理・国土保全局予算のうち約2~3割を災害復旧に充当しているとされ、災害復旧に要する費用が財政を圧迫していると説明されています。
今回の拡充は、場当たり的な復旧の繰り返しを減らし、区間全体を見据えた復旧へ誘導するものと読み取れます。
受注者側から見ると、単なる「点の補修」ではなく、「一連区間をまとめた規模の大きな改良工事」が増える可能性があります。これにより、工期や施工計画の柔軟性が増す一方、これまで以上に協力会社との連携や十分な人員確保が必要不可欠になります。
なお、今回の内容は概算要求段階のものです。実際の運用は今後の予算編成や国からの通知を確認する必要があります。
見た目が無事な堤防でも、機能が失われていれば区間全体の改良復旧につなげられる方向へと、災害復旧の考え方が変わろうとしています。河川工事に関わる会社は、地元の発注機関の動きと国の正式な通知を早めにチェックし、規模の大きな復旧工事にも対応できる体制を今のうちから考えておきましょう。
こうした大規模な改良復旧工事にスムーズに対応するためにも、早めの施工体制強化が欠かせません。人手不足の解消や新しい協力会社探しには、初期費用・月額無料で利用できる建設業向けマッチングサイト『建設円陣』をぜひご活用ください。(緑のバナーをクリック)。
出典:令和9年度 水管理・国土保全局関係 予算概算要求概要(国土交通省 水管理・国土保全局)(https://www.mlit.go.jp/page/content/002018602.pdf)をもとに作成
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