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🏗️公共工事の入札で、複数の会社が同額を提示して受注者が「くじ引き」で決まるケースが目立ってきています。
国土交通省が令和8年度上期に開催したブロック監理課長等会議の資料によると、都道府県のくじ引きによる契約率の平均は15.99%、政令指定都市の平均は21.97%にのぼることがわかりました。
今回のブロック監理課長等会議は7月24日から8月19日にかけて全国8ブロックで開催されており、第三次・担い手3法が全面施行されてから初めて開催される会議と位置付けられています。ダンピング対策や熱中症対策などとあわせて、くじ引き対策も主要な議題のひとつとして取り上げられました。
これは単なる運不運の話ではなく、価格競争型の入札に参加する中小の建設会社にとっては、自社の経営努力の見せ方そのものが問われる経営課題だと捉えることができます。🧐
同資料では、くじ引きが発生しやすい工種として舗装工事と土木一式工事が多く挙げられており、この2工種だけで全体の約半数を占めるとされています。次いで塗装工事、とび工事なども挙げられており、比較的施工内容が標準化されやすい工種で件数が多い傾向がうかがえます。
都道府県別に見ると、くじ引き率が10%未満にとどまる団体が約半数ある一方で、政令指定都市では約4割の団体でくじ引き率が40%以上に達しているというデータもあり、地域や発注者によって差が大きいことも見て取れます。
国交省はこの実態調査を令和7年6月1日時点で実施し、都道府県・政令指定都市それぞれの回答をもとに集計しています。

出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo13_hh_000001_00355.html)
資料では、くじ引きが発生しやすい理由として次の3点が挙げられています。
①積算基準や設計単価が公開・標準化されているため、各社の見積もりが一致しやすいこと。
②総合評価落札方式ではなく、単純な価格競争入札で生じやすいこと。
③予定価格が事前公表されている案件では、最低制限価格帯に応札が集中しやすいこと。
つまり、まじめに積算するほど他社と価格が近づいてしまう構造があるということです。これは手抜きや談合の結果ではなく、制度そのものに起因して起きている現象だといえます。
経営者としては、この構造を理解したうえで、価格以外の評価軸で戦う準備を進めておくことが重要になります。💡
出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo13_hh_000001_00355.html)
国交省の資料によると、くじ引きによる契約への対策として最も多く挙げられているのが総合評価落札方式の活用で、全体の55%を占めています。具体的には、企業や配置技術者の評価、地元業者への配慮、技術提案を求める項目の追加、加点幅の見直しなどが行なわれています。
次いで多いのが低入札対策で16%。最低制限価格の見直しや、ランダム係数を乗じる方法などが進められています。
発注者側がこうした制度を整えるほど、受注者側には「価格以外の見せ方」を磨く経営努力が求められるようになります。
たとえば、過去の施工実績や有資格者の情報を日頃から整理してデータベース化しておけば、技術提案書の作成や総合評価方式への対応がぐっとスムーズになります。👉あわせて議題にも挙がっているCCUSの活用を進め、技能者の就業履歴や資格を見える化しておくことも、加点評価につながる材料の一つになり得ます。
また、週休2日の取組や適正な工期の確保といった働き方改革の推進状況も同じ会議の議題に含まれており、総合評価方式では施工体制や労働環境への取組が評価されるケースも増えています。日頃からこうした情報を整理し、いつでも提示できる体制を整えておくことが、結果として会社全体の生産性向上にもつながっていきます。✨
価格だけに頼らない経営体制をつくることは、一朝一夕にはできません。だからこそ、日頃から社内の実績・資格・提案ノウハウをコツコツ蓄積し、いつでも提出できる状態に整えておくという地道な業務改善が、これからの入札対応力を左右していくはずです。
くじ引き契約は「運が悪かった」で終わらせず、入札制度が変化しているサインとして捉えることが大切です。価格だけで勝負する時代から、技術力や社内体制をアピールする時代へと、公共工事の入札の潮目は少しずつ変わりつつあります。
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出典:「令和8年度上期ブロック監理課長等会議を開催」(国土交通省) https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo13_hh_000001_00355.html をもとに作成
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