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仕事が多い会社では、「忙しいから人を増やそう」「もっと効率よく動こう」と考えがちです。しかし、現場と事務作業の両方を抱える中小の建設会社では、仕事を増やすだけでは負担が軽くならないことがあります。大切なのは、今ある仕事を一つずつ速くすることだけではなく、そもそも続ける必要があるのかを見直すことです。
特に社長や現場責任者が何でも対応している会社では、「昔からやっている」「念のため続けている」という作業が積み重なりやすくなります。忙しさを減らすためには、「やること」を増やす前に「やらないこと」を決める視点が役立ちます。
例えば、現場から戻った社長が、見積書の確認、電話対応、資材の手配、写真の整理、請求に関する確認まで一人で抱えているとします。それぞれは必要な仕事でも、すべてを同じ人が担当しなければならないとは限りません。
さらに、「一応確認しておこう」という作業が増えると、確認のための確認まで発生します。紙に書いた内容を別の表へ転記したり、同じ連絡を電話とメッセージの両方で行なったりすれば、作業時間だけでなく確認の時間も増えていきます。
ここで考えたいのが、仕事を四つに分ける方法です。「必ず続ける仕事」「誰かに任せる仕事」「まとめて処理する仕事」「やめる仕事」に分けるだけでも、何に時間を使っているのかが見えやすくなります。
やらない仕事を決めると聞くと、「必要な確認まで省いて大丈夫なのか」と感じるかもしれません。ここでいう「やらない」とは、安全や品質、契約、顧客対応に必要な作業を削ることではありません。
例えば、社内で誰も見返していない資料を毎週作っている、同じ内容を複数の帳票に書き写している、担当者が決まっているのに社長が毎回確認している、といった作業です。こうした業務は、目的と手段が入れ替わっていないかを確認する余地があります。
業務改善では、作業を速くするだけでなく、不要な作業を減らすことも重要です。時間を生み出せれば、現場確認や顧客との打ち合わせなど、本来力を使うべき仕事に集中しやすくなります。
最初から大きな改革をする必要はありません。まず一週間程度、自分や社員が「何に時間を使ったか」を簡単に振り返ってみましょう。細かな作業まで記録する必要はなく、「電話対応」「見積確認」「資料作成」「写真整理」など、大まかな分類で十分です。
次に、それぞれの仕事について「誰のために必要なのか」「毎回やる必要があるのか」「別の方法に変えられないか」を確認します。ここで、なくしても安全や品質に影響しない仕事、頻度を減らせる仕事、担当を変えられる仕事が見つかれば、そこから手を付けます。
例えば、会議を毎週行なっていても、共有事項が少ない週まで同じ時間を使う必要があるとは限りません。定例会議の一部を短い情報共有に変える方法もあります。重要なのは、「前からそうしている」を理由にしないことです。
※画像はイメージです
個人が頑張って仕事を減らしても、周囲が元に戻してしまえば長続きしません。そこで、「何をやめるのか」を会社の小さなルールとして共有します。「同じ内容の二重入力はしない」「目的のない資料は作らない」「急ぎでない確認はまとめる」など、具体的な言葉にすると社員も判断しやすくなります。
一方で、やめたことで困る人が出ないかは必ず確認します。特に安全、品質、請求、契約などに関わる作業は、単純に削除するのではなく、必要性を確認したうえで方法や頻度を見直すことが大切です。
「何を増やすか」だけでなく、「何をやめるか」を話し合える会社では、社員からも改善案が出やすくなります。現場の人しか気づけない小さな二度手間もあります。忙しい時期ほど、現場と事務の双方から「なくても困らない仕事」を探してみることが、働き方を変えるきっかけになります。
忙しい会社に必要なのは、単純に仕事を速くこなすことだけではありません。安全や品質に必要な仕事を守りながら、目的が薄れた作業や重複した作業を見直し、「やらない仕事」を決めることも立派な業務改善です。
仕事を増やす前に、まず一つやめてみる。その小さな判断が、現場と会社の余裕をつくる第一歩になります。
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