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岐阜県美濃加茂市が進める新庁舎整備で、民間事業者への聞き取り結果が2026年10月22日に公表されました。設計・建設の分野だけで30社が参加し、出てきた答えは「設計期間はおおむね妥当、工事期間24か月は厳しい可能性がある」というものでした。
この結果は、地方の公共建築で工期をどう考えるかを示す材料になります。協力会社として関わりたい中小の建設会社にとっても参考になる内容です。
今回の調査はサウンディング型市場調査(サウンディング型市場調査とは:事業の条件を決める前に、自治体が民間事業者と対話して参加意欲や課題を聞き取る調査)として行なわれました。
市は基本構想で想定した庁舎規模約11,400㎡(1階の駐車場・駐輪場1,500㎡を含む)を示し、設計期間と建設工事期間が妥当かを尋ねています。
回答では、基本設計1年・実施設計1年程度はおおむね妥当とされました。ただし、この期間には工事発注の入札期間が含まれていないため、余裕を持った工程にすべきという意見も添えられています。
一方、建設工事期間24か月については、施設の規模や施工条件、週休2日の確保などを考えると厳しい可能性がある、という見方が示されました。
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設計・工事期間に対する事業者の評価 |
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工程 |
期間 |
事業者の評価 |
|---|---|---|
基本設計 |
1年程度 |
おおむね妥当 |
実施設計 |
1年程度 |
おおむね妥当(工事発注の入札期間は含まない) |
建設工事 |
24か月 |
施設規模・施工条件・週休2日の確保等を考慮すると厳しい可能性 |
※想定庁舎規模:約11,400㎡(1階駐車場・駐輪場1,500㎡を含む)
出典:美濃加茂市ウェブサイト(https://www.city.minokamo.lg.jp/soshiki/24/23801.html)をもとに作成
整備地は、美濃加茂市太田町のプラザちゅうたい敷地で、中央図書館や分庁舎の敷地を含めて約15,000㎡です。
事業者からは、地盤、地下水位、液状化、既存杭、土壌汚染、アスベストなどが事業費と工程に大きく影響するため、公募前か設計の初期段階で市ができる限り調査してほしいという声が上がりました。
また、プラザちゅうたいの解体中も中央図書館の運営を続ける場合、図書館利用者の動線と工事車両の動線が重なり、資材置場や重機配置に使える施工ヤード(施工ヤードとは:工事中に資材置場や重機の作業場所として使う敷地内のスペース)が狭くなる懸念も示されています。
浸水対策も課題です。想定最大規模降雨による10〜20m規模の浸水に庁舎単体で完全に対応するのは現実的でなく、計画規模降雨による0.5〜3.0m程度の浸水を前提に対策水準を整理するのが妥当との意見でした。重要設備を上階に置く、1階をピロティにする、敷地を嵩上げするといった具体策も挙がっています。
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浸水想定と対策の考え方(事業者意見) |
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想定 |
浸水深 |
事業者の見解 |
|---|---|---|
計画規模降雨 |
0.5〜3.0m程度 |
この水準を前提に対策を整理するのが妥当 |
想定最大規模降雨 |
10〜20m規模 |
庁舎単体での完全対応は現実的ではない |
挙げられた具体策 |
重要設備・災害対策本部・サーバー等の上階配置/1階のピロティ・駐車場化/敷地・建物の嵩上げ/止水板・防水扉等/地下調整池・雨水貯留 |
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出典:美濃加茂市ウェブサイト(https://www.city.minokamo.lg.jp/soshiki/24/23801.html)をもとに作成
設計・建設事業者版の参加は、設計13社、施工14社、その他3社の合計30社でした。別に行なわれた運営事業者版には、維持管理1社、運営5社の計6社が参加しています。
建設単価については、物価上昇や庁舎の仕様が決まっていないことから、現時点で適正な整備費を出すのは難しいとされました。今後の建設価格は高止まりか緩やかな上昇が続き、大きな下落は見込みにくいという見通しです。
そのため、予備費の確保や物価スライド(物価スライドとは:契約後に資材や労務費が大きく変動した場合に契約金額を見直す仕組み)、金利変動への対応をあらかじめ整理しておくことで、事業者が参加しやすくなるという提案もありました。
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サウンディング調査の参加事業者数 |
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調査区分 |
業種 |
社数 |
|---|---|---|
設計・建設事業者版 |
設計 |
13社 |
施工 |
14社 |
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その他 |
3社 |
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小計 |
30社 |
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運営事業者版 |
維持管理 |
1社 |
運営 |
5社 |
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小計 |
6社 |
※個別対話期間:2026年8月24日〜9月3日
出典:美濃加茂市ウェブサイト(https://www.city.minokamo.lg.jp/soshiki/24/23801.html)をもとに作成
事業手法では、DB方式(DB方式とは:設計と施工を一括して民間事業者に発注する方式)は施工者が早い段階から関わることで工事費の上振れを抑えられると評価されました。
一方、従来方式(従来方式とは:設計と施工などを個別に発注する方式)は市の意向を反映しやすく、工事発注時に施工者間の競争が働きやすいという意見でした。
地元企業については、代表企業や構成企業に限らず、協力企業や下請、地域貢献の提案として評価するなど柔軟な方法を求める声がありました。地元圏域の業者を含めたJV方式(JV方式とは:複数の建設会社が共同企業体を組んで工事を受注する方式)や県内業者の優遇を求める意見も出ています。ただし、競争性を損なわないよう役割や評価の位置づけを明確にする必要があるとされています。
市は現在、新庁舎整備基本計画の検討を進めており、今回の意見は今後の計画や事業手法の整理に反映されます。工期や発注方式はまだ確定していません。
地元で協力会社や下請として関わりたい場合は、週休2日を前提にした自社の施工体制や人員の余力を早めに見直しておくことが大切です。
また、図書館を運営しながらの施工では、騒音・振動対策や作業時間の制限などが必要になる可能性が示されています。こうした条件下での施工実績があれば、元請への提案材料になります。
美濃加茂市の新庁舎は、設計期間はおおむね妥当とされた一方で、工事期間24か月には現場目線で厳しい意見が集まりました。今後の基本計画でどこまで条件が見直されるか、継続して注目したいところです。
美濃加茂市の新庁舎整備のように地元企業の関わり方が問われる公共工事に備え、JVや協力会社のパートナー探しは無料の建設業向けマッチングサービス『建設円陣』へのご登録から始めてみませんか(緑のバナーをクリック)。
出典:【結果公表】美濃加茂市新庁舎整備に関する公募型サウンディング調査(美濃加茂市)(https://www.city.minokamo.lg.jp/soshiki/24/23801.html)をもとに作成
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