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建設現場の業務改善というと、「新しいシステムを入れる」「仕事のやり方を大きく変える」と考えがちです。しかし、中小建設会社にとって本当に重要なのは、まず現場にあるムダを見つけることです。
しかも、ムダは大きな問題として現れるとは限りません。「材料を取りに戻った」「担当者を探した」「同じ内容を何度も確認した」といった数分のロスが、毎日積み重なっています。
現場のムダを見つける最初のポイントは、「忙しい」という感覚を具体的な行動に分けることです。
例えば、朝の打ち合わせに時間がかかるなら、集合までの待ち時間、資料を探す時間、確認事項がその場で増える時間などに分けて考えます。 同じように、材料や工具を探す時間、車両への積み込み直し、電話による確認、写真や書類の整理、作業員への指示待ちなども候補になります。
重要なのは、最初から「悪い仕事」と決めつけないことです。その作業がなぜ発生しているのかまで確認すると、改善すべき場所が見えてきます。
おすすめなのは、1日だけでも現場の時間を記録してみる方法です。「何時から何時まで、何をしていたか」を細かく書き出し、作業そのものと、作業をするための待ち時間や探す時間を分けます。
例えば、1回5分の探し物が1日に4回あれば20分です。5人が同じような時間を使っていれば、1日100分になります。さらに月20日続けば、約33時間です。
こうして数字に置き換えると、「仕方がない」と思っていた小さなロスが、会社全体では無視できない時間になっていることが分かります。
経営者や管理側だけでムダを探すと、実際の現場感覚とずれることがあります。そこで、「毎日ちょっと面倒だと思う作業は何か」「なくなったら助かる確認は何か」「同じことを二度やっていないか」と、職人や現場監督に聞いてみましょう。
ここで大切なのは、犯人探しにしないことです。「誰が悪いのか」ではなく、「なぜこの作業が必要なのか」を考えます。
例えば、確認の電話が多い原因が担当者の説明不足ではなく、情報を共有する場所が決まっていないこともあります。個人の努力ではなく、仕組みの問題として捉えることが改善の出発点です。
ムダが見つかったら、すぐに新しいツールを導入する必要はありません。まず「やめられないか」を考えます。
次に、完全になくせなくても回数や時間を減らせないかを考えます。それでも必要なら、順番や方法を変えられないかを検討します。
例えば、同じ情報を紙と口頭の両方で伝えているなら、重複を減らせる可能性があります。工具の置き場所が決まっていないなら、収納場所を固定するだけでも探す時間を減らせます。毎朝の確認事項が多いなら、前日のうちに共有できる項目を切り分ける方法もあります。
業務改善が続かない理由の一つは、最初から大きな改革を目指してしまうことです。中小建設会社なら、まず一つの現場、一つの作業、一つのムダに絞るほうが取り組みやすいでしょう。
「探し物を減らす」「確認の電話を一回減らす」「写真整理の時間を短くする」など、結果を確認しやすいテーマから始めます。改善前と改善後の時間を比べ、効果があれば次のテーマへ進みます。うまくいかなかった場合も、原因を確認してやり方を変えれば無駄にはなりません。
業務改善の第一歩は、立派な計画書を作ることでも、高額なシステムを導入することでもありません。現場で「これ、毎回やっているけれど本当に必要だろうか」と立ち止まることです。
小さなムダを一つ見つけ、一つ減らす。その積み重ねが、現場の負担軽減と生産性向上につながります。
忙しさを当たり前にせず、待ち時間、探し物、二度手間、確認作業などを一度記録してみると、改善のヒントが見つかります。
現場で働く人の声を聞きながら、まず一つのムダを「やめる・減らす・変える」。小さな改善を積み重ねることが、無理なく続く業務改善の近道です。
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