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令和7年度(2025年度)は「記録的な少雨」によって全国で渇水が発生しました。🌵
農業用水はもちろん、建設工事でも現場用水の確保や散水作業への影響など、水に関わるリスクは決して対岸の火事ではありません。特に地方の現場では、地域の水事情が工期や作業計画に直結することも多いのではないでしょうか。
そして今後、この渇水リスクはさらに深刻化する見通しです。気候変動の影響によって「無降水日日数の増加」「降雪・積雪量の減少」が予測されており、将来的には渇水がより頻繁に、より深刻な形で発生することが懸念されています。🌡️
こうした状況を受けて、国土交通省は令和8年度(2026年度)に「水資源分野における気候変動への適応策のあり方検討会」を新設し、全国の河川管理者などが自ら使える「気候変動による水資源への影響評価ガイドライン」の策定に動いています。
出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/mizsei/mizukokudo_mizsei_fr2_000002.html)
そもそもの背景には、令和7年6月にまとめられた国土審議会水資源開発分科会・社会資本整備審議会河川分科会の合同答申「流域総合水管理のあり方について」があります。 この答申では「流域治水・水利用・流域環境を一体的に推進し、相乗効果の発現と利益相反の調整を図る『流域総合水管理』を推進すること」が示されました。
簡単にいえば、川の水をひとつの流域単位でまとめて管理しよう、ということです。 しかし、そのためには気候変動が各流域の水資源にどんな影響を与えるかを「数字で・科学的に」把握できなければ、関係者間での水管理の調整ができません。
そこで、各地の河川管理者などが自分たちで影響を評価できる「手法(ガイドライン)」を整備することになったのです。
「水資源分野における気候変動への適応策のあり方検討会」は、気候変動や水利用等を専門とする有識者が集まり、最新の知見をもとに評価手法を検討する場です。
令和8年度は以下のスケジュールで進められています。✅
*第1回:令和8年4月17日(金)議事:気候変動による水資源への影響評価手法について(全国的な傾向の把握)
*第2回:令和8年5月15日(金)議事:個別流域での影響評価方法について
*第3回:令和8年6月24日(水) 議事:気候変動による水資源への影響評価について(全体的な議論)
※この回では「気候変動による水資源への影響評価ガイドライン(案)」が配布資料として提示されました。📄
国土交通省は「令和8年度夏までに、全国(マクロ)的な傾向評価および個別流域(ミクロ)での検討手法について、中間とりまとめ・ガイドライン案の作成を行なう」としており、2026年の夏が大きなマイルストーンとなっています。⏰
今回のガイドライン策定では、大きく2つのアプローチが取られています。
ひとつは「全国(マクロ)的な傾向評価」です。これは全国規模で気候変動が水資源にどう影響するかの大きなトレンドを把握するもの。どの地域で渇水リスクが高まっているかを全体像から見る視点です。
もうひとつは「個別流域(ミクロ)での検討手法」。こちらは各地の河川流域ごとに、より細かく影響を評価するための手法です。建設プロジェクトが関わる流域での水の状況を、河川管理者や発注機関などが自ら分析できるようにするものです。
この二層構造のアプローチによって、全国から地域までシームレスに気候変動の水資源リスクを可視化することを目指しています。🗺️
「渇水と建設業はあまり関係ない」と感じる方もいるかもしれません。しかし、以下のような形で密接な関わりがあります。
まず、公共工事の計画・設計への影響です。河川整備や治水施設の整備を行なう際、将来の水資源量の変化を踏まえた計画が求められるようになります。今後、気候変動の影響を数値で示したガイドラインが整備されることで、発注機関側の要求仕様や設計基準にも変化が生じる可能性があります。
次に、現場用水の調達リスクです。記録的な少雨が続いたとき、現場に必要な水をどう確保するかは、工期管理やコスト管理に直結します。流域ごとの渇水リスクが可視化されれば、工事計画の段階からリスク対応を組み込む判断材料になります。
さらに、地方自治体や河川管理者との協議においても、こうした評価手法の標準化が進むことで、協議のベースラインが明確になり、手続きの合理化・効率化にもつながることが期待されます。🤝
出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/mizsei/mizukokudo_mizsei_fr2_000002.html)
令和7年度の記録的渇水を受け、国土交通省は令和8年度から気候変動による水資源への影響評価ガイドラインの策定を本格化させています。検討会は令和8年度に3回開催(4月・5月・6月)され、令和8年度夏には全国(マクロ)および個別流域(ミクロ)の両面でガイドライン案がまとまる予定です。🌊
このガイドラインが整備されることで、各地域の河川管理者が自らの流域での渇水リスクを科学的に評価できるようになります。公共工事に関わる建設会社や現場担当者にとっても、将来的な設計基準や発注要件の変化につながる動きとして注目が必要です。
今後の国土交通省の情報発表・ガイドライン公表にアンテナを張っておきましょう📡。
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出典: 報道発表資料「気候変動による水資源への影響評価手法について検討を行います~第3回水資源分野における気候変動への適応策のあり方検討会を開催~」(国土交通省)https://www.mlit.go.jp/report/press/water02_hh_000205.html をもとに作成
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「建設円陣PLUS編集部」は、建設業界に特化したプラットフォーム「建設円陣」を運営する株式会社エンジョイワークスの編集チームです。中小建設業の経営・人材・現場課題を、国土交通省・厚生労働省、業界専門紙や公的機関の情報をもとに解説します。