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「こっちのほうが安いから、これにしよう」。 資材や消耗品を購入するとき、価格の安さを基準にするのは自然なことです。
特に中小の建設会社では、日々の細かな支出を抑えることも大切です。 ただ、購入価格だけを見ていると、本当の意味での節約にならないことがあります。
*安く購入したものが現場に合わず買い直す
*まとめ買いしたものが余って在庫になる
*使いにくい道具を選んだことで作業に時間がかかる
こうした費用は、購入時の価格には表れません。 建設業のコストを考えるなら、「いくらで買ったか」だけでなく、「買った後にどれだけムダが出たか」まで見ることが重要です。
1つ目は「買い直し」です。 価格だけを優先して、規格や用途を十分に確認しないまま購入すると、現場で使えないことがあります。交換や再発注になれば、商品代だけでなく、連絡や受け取りなどの手間も増えます。
2つ目は「余剰在庫」です。 まとめて買えば単価が下がる商品でも、使わなければ会社の在庫になります。保管場所を使うだけでなく、どこに何があるか分からなくなれば、別の現場で同じものを購入することにもつながります。
3つ目は「時間のロス」です。 安い商品を探すために何度も問い合わせたり、納期の長い商品を待ったり、使いにくい道具で作業したりすれば、現場の時間を消費します。 価格差が小さくても、こうしたムダが重なれば、結果として高い買い物になりかねません。
買い物をするときは、価格を見る前に次の4点を確認してみましょう。
①「必要な数量はどれくらいか」
②「いつまでに必要なのか」
③「余った場合に別の現場で使えるか」
④「実際に使う人にとって扱いやすいか」
例えば、100円安い商品でも納期が合わなければ、現場の予定に影響する可能性があります。反対に、少し高くても必要な日に届き、確実に使えて、余った分も別の現場で使えるなら、会社にとってムダの少ない選択になります。
「一番安いもの」ではなく、「必要なものを、必要な量だけ、必要なタイミングで買う」。 この考え方が、現場の購買では重要です。
購買のムダを減らすには、過去の購入履歴を残しておくことも有効です。
難しい管理システムを導入しなくても、よく購入する資材や消耗品について、「何を」「いくらで」「どのくらい買ったか」が分かるようにしておくだけで構いません。 記録があれば、次に購入するときに「前はいくらだった?」と記憶を頼りにする必要がなくなります。
また、同じ資材を複数の現場で購入していないかも確認できます。 特に、手袋や養生用品、ねじなど、単価の小さいものは軽視されがちです。しかし、何度も購入するものだからこそ、ムダを見つけやすい部分でもあります。
もちろん、同じ品質・規格・納期なら、安く購入できるほうが有利です。 問題は、「安い」という理由だけで決めてしまうことです。
「安いけれど余る」 「安いけれど買い直す」 「安いけれど作業に時間がかかる」。 こうした買い物では、購入時には節約できても、会社全体では余計なコストが発生します。
まずは毎月よく購入するものを一つ選び、「本当に安かったのか」を振り返ってみましょう。 購入価格だけでなく、余った量、買い直した回数、納期、使いやすさまで見れば、これまで気づかなかったムダが見えてくるかもしれません。
「安いから買う」は、必ずしも節約ではありません。買い直しや余剰在庫、納期、作業時間まで含めて考えることで、本当のコストが見えてきます。
価格を下げることだけでなく、「ムダなく使い切れるか」という視点を持つことが、建設会社のコスト管理を見直す第一歩です。
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