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「見積もりでは利益が出るはずだったのに、工事が終わってみたら思ったほど利益が残っていない」。 建設業では、こうした経験は珍しくありません。
見積もりは、工事前に材料費や外注費、人工、経費などを想定して作ります。一方、実際の工事では追加の材料が必要になったり、予定より人工が増えたり、外注内容が変わったりします。
だからこそ大切なのは、工事が終わってから「思ったより原価が高かった」と気づくことではありません。工事中に見積もりと実際の原価を比べ、ズレが出ていないか確認する習慣です。
見積もりと実際の原価が一致しないのは、工事前には分からないことがあるためです。 たとえば、材料の追加が発生した、作業日数が予定より延びた、協力会社への依頼内容が変わった、運搬や処分などの経費が増えた、といったケースがあります。
ここで重要なのは、「予定より増えた」という事実だけを見ることではありません。どの費用が、なぜ増えたのかを把握することです。
工事中に確認するなら、細かな数字をすべて追いかけるより、まず大きな費用を押さえると分かりやすくなります。
1つ目は材料費です。追加購入や材料の変更がないか確認します。
2つ目は外注費です。協力会社への依頼内容や金額に変更がないかを見ます。
3つ目は人工です。当初予定していた人数や作業日数と、実際の状況に差がないか確認します。
4つ目は経費です。運搬費や処分費など、見積もり時に想定した費用から変化していないかを見ていきます。
原価管理で注意したいのが、現在までの支出だけを見て安心してしまうことです。 たとえば、工事の途中で「今のところ予算内」と分かっても、残りの作業に多くの材料や人工が必要なら、最終的な原価は予定を超える可能性があります。
そこで、「ここまでにいくら使ったか」に加えて、「工事完了までにあといくらかかりそうか」も確認します。 見積もり金額、現在までの実績、残りの見込みを並べるだけでも、工事の利益がどうなりそうかを考えやすくなります。
原価が予定より増えていたら、数字だけを記録して終わりにしないことも大切です。 「材料が追加になった」「作業日数が増えた」「予定外の対応が発生した」など、原因を簡単に残しておきます。
こうした記録があれば、工事が終わった後に「なぜ利益が少なかったのか」を振り返れます。 さらに、同じような工事の見積もりを作るときにも、過去の実績を参考にできます。
見積もりの精度を高めるためにも、工事中の記録は無駄になりません。
※画像はイメージです
原価のズレに気づくタイミングは、早いほど対応を考えやすくなります。 追加工事が発生した、材料が増えた、工程が延びたなど、当初の計画から変化があった時点で一度確認してみましょう。
もちろん、工事中に原価が予定を超えたからといって、すぐに工事全体が赤字になるとは限りません。反対に、予定内に見えていても、今後の費用を含めると余裕がない場合もあります。
だからこそ、「赤字かどうか」を完工後に判定するだけでなく、途中で状況を確認することが重要です。
いきなり細かな原価管理を始めるのが難しい場合は、まず1工事につき一度、見積もりと実績を並べてみる方法があります。 材料費、外注費、人工、経費の4項目について、「見積もりはいくらか」「現在はいくらか」「完工までにあといくらかかりそうか」を確認します。 数字に大きなズレがあれば、その理由を一言メモします。 大切なのは、完璧な数字を作ることではありません。工事中に「このままで大丈夫か」と確認する習慣をつくることです。
見積もりと実際の原価がズレること自体は、工事の変化がある以上、避けにくいものです。大切なのは、そのズレを工事が終わってから知るのではなく、途中で気づくこと。
材料費・外注費・人工・経費を確認し、現在までの実績だけでなく、完工までの見込みも見る。そして、ズレがあれば原因を記録する。 この小さな確認を続けることが、工事ごとの利益を把握し、次の見積もりに活かすための土台になります。
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