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「うちは現金払いが当たり前」「現場でスマホ決済なんて関係ない」――そう感じている建設業の経営者や現場担当者は、まだ少なくないでしょう。しかし近年、資材の調達から日々の経費精算まで、建設業の現場業務にもキャッシュレス決済が浸透しつつあります。
政府が推進するキャッシュレス化の流れとともに、業種を問わず導入の動きが加速しており、中小建設業においても対応を検討すべき段階に差し掛かっています。本記事では、建設業におけるキャッシュレス決済の実態と、導入によるメリット・デメリットを整理します。
政府はキャッシュレス決済比率の向上を国策として推進しており、コンビニや飲食店だけでなく、ホームセンターや建材商社でも対応店舗が年々増加しています。建設業においても、資材の小口購入・出張時の交通費や宿泊費・消耗品の補充など、現金を動かす場面は日常的に存在します。
こうした支出をキャッシュレス化することで、現金の管理負担を減らし、経費の記録・精算・会計処理をスムーズに行なえる環境が整いつつあります。「現金しか使えない業界」というイメージは、少しずつ過去のものになりつつあるといえるでしょう。
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1. 現金管理の手間とリスクを削減できる
現場での立替払いや小口現金の管理は、紛失・盗難・精算ミスといったリスクを常に伴います。法人カードや経費精算ツールを組み合わせることで、支出の一元管理が可能になり、月次の精算作業にかかる時間と手間を大幅に削減できます。特に事務担当者が少ない中小建設業では、この効果は大きいといえます。
2. ポイント還元による実質的なコスト削減
法人向けのクレジットカードには、利用額に応じてポイントや還元が受けられるものがあります。資材購入や仮設備品の調達など、毎月まとまった支出がある建設業では、還元分が年間を通じると相応のコスト削減につながる場合があります。カードの選定にあたっては、年会費・還元率・利用可能な加盟店の範囲を比較検討することが重要です。
3. 経費の可視化・会計連携がスムーズになる
キャッシュレス決済の利用明細データは、クラウド会計ソフトと連携することで、仕訳作業の自動化が期待できます。領収書の手入力や手書き台帳の管理から解放されることで、経理担当者の負担軽減と入力ミスの防止につながります。デジタル化による経費の「見える化」は、経営判断の精度向上にも寄与します。
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1. 加盟店手数料のコストがかかる
自社がキャッシュレス決済を「受け取る側」として導入する場合、決済サービスごとに一定の手数料が発生します。取引規模や客単価によっては、手数料負担が収益に影響するケースもあるため、導入前に試算を行なうことが欠かせません。受け取り側への導入は、支払い側の活用と比べてコスト面での慎重な検討が必要です。
2. 現場・山間部での通信環境の問題
QRコード決済やタッチ決済は、スマートフォンやネット接続が前提となります。山間部や地下工事など電波環境が不安定な現場では、決済が完了しないケースも考えられます。現場ごとの通信状況を事前に把握し、必要に応じて現金との併用を前提とした運用設計が現実的です。
3. 従業員への周知と不正利用対策
複数の現場に従業員が分散している建設業では、カードの紛失リスクや利用ルールの周知徹底が課題になります。「誰が・どこで・何のために使えるか」といった社内ルールを明文化し、定期的に利用明細を確認する運用体制を整えることが、不正防止と適切な経費管理の両立につながります。
まず「支払う場面」と「受け取る場面」を分けて整理することが大切です。
社員が資材を購入したり経費を立て替えたりする「支払い側」の場面では、法人カードや経費精算ツールとの組み合わせが効果的です。利用明細の自動取得・領収書のスキャン管理・承認フローのデジタル化などを段階的に導入することで、経理業務の効率化を図れます。
一方、施主や元請けから工事代金を受け取る「受け取り側」の場面では、銀行振込が依然として主流であり、キャッシュレス化の恩恵を直接受けにくい構造があります。したがって中小建設業においては、まず「社内の経費管理・精算フローのキャッシュレス化」から着手するのが、最も費用対効果の高いアプローチといえます。
消耗品の購入や交通費の立替など、少額・頻度の高い支出から試験的に運用を始め、経理担当者と連携しながら対象範囲を広げていく段階的な導入が現実的です。
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※画像はイメージです
キャッシュレス決済は、現金主義のイメージが根強い建設業においても、経費管理の効率化やコスト削減という点で着実なメリットをもたらします。ただし、現場環境や取引形態を踏まえた上で、自社に合った範囲から段階的に導入することが成功のカギです。
デジタル化の第一歩として、まずは社内の経費精算フローの見直しから取り組んでみてはいかがでしょうか。
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