土地の境界がはっきりしないまま公共工事や造成工事を進めようとすると、用地交渉や境界確認に想定以上の時間がかかり、工期や予算計画がずれてしまうことがあります。💰この「土地の境界が不明確」という課題に対して、国が長年取り組んでいるのが地籍調査という制度です。
国土交通省が公表した最新の実施状況によると、この制度に基づく調査は着実に進んでいるものの、まだ全国的に完了しているわけではありません。今回はこの発表内容から、建設業に関わる制度面のポイントを整理します。📋
そもそも地籍調査とはどんな制度なのか
地籍調査は昭和26年に国土調査法が制定されて以来、主に市町村が実施主体となって進められてきた制度で、土地の境界や面積などの基礎的な情報を明らかにするものです。🗺️
「土地の戸籍」とも呼ばれるこの調査結果は、自治体のGIS等に取り込まれて行政サービスの効率化に役立つほか、登記所備付地図としてG空間情報センターのウェブサイト上でオープンデータとして無償公開されています。
国土交通省によれば、地籍調査は土地取引の円滑化のほか、災害後の迅速な復旧・復興、インフラ整備、森林施業等を円滑に進める上でも大きな役割を果たすとされています。
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令和7年度の進捗率を数字で確認
国土交通省の発表では、令和7年度に新たに594km²の地籍が明確化されたことが示されました。📊
令和7年度末時点の進捗率は、全国の「地籍調査対象地域」で53%、土地区画整理事業等で一定程度地籍が明確化された地域を除く「優先実施地域」では81%に達しています。このうち林地の進捗率は1ポイント伸びて81%に上昇しました。
ただし令和7年度の調査実績594km²は、前年度である令和6年度の623km²をやや下回っています。
「十箇年計画」と「3ヶ年加速化施策パッケージ」という制度の枠組み
この地籍調査には、国が定めた実施計画という制度上の枠組みがあります。現在進行しているのは第7次国土調査事業十箇年計画で、令和2年度から令和11年度までの10年間を対象としています。⏳
国土交通省はこの計画の期末に向けて、令和8年6月2日に「3ヶ年加速化施策パッケージ」を公表し、地籍調査の加速化に集中的に取り組む方針を示しました。具体的には、令和2年度から導入されたリモートセンシング手法(航空レーザ測量など)や、令和6年度から導入された「通知に無反応な土地所有者等への境界確認手法」の活用を定着させることで、従来より効率的に調査を進める狙いがあります。
つまりこの制度は、単に境界を確定させるだけでなく、公共工事や災害復旧、森林施業などを円滑に進めるための土台づくりという位置づけになっています。⚙️
中小建設会社が予算・スケジュール管理で意識したいこと
中小の建設会社にとって重要なのは、この制度の進捗が受注する工事のスケジュールや予算計画に直結するという点です。✅
優先実施地域に該当するエリアであれば境界確認が比較的進んでいる可能性が高く、逆に調査が遅れているエリアでは、用地交渉や境界確認に想定より時間がかかることも考えられます。工事を受注する前に、対象エリアの地籍調査の進捗状況を確認しておくことで、工期の見積り精度を上げることができます。
また登記所備付地図やG空間情報センターのオープンデータは無償で公開されているため、見積り作成や現地調査の準備段階で活用できる情報源として覚えておくと役立ちます。
国の制度がどのようなスケジュールで動いているかを把握しておくことは、公共工事を受注する会社にとって地味ながら重要な備えといえるでしょう。
予算や資材の調達計画を立てる際にも、こうした制度側の進捗状況をあわせて確認しておくと、思わぬスケジュールのずれを防ぎやすくなります。💡
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まとめ
地籍調査という制度は、普段の現場業務からは少し距離のある話に見えますが、公共工事や造成工事の予算・スケジュールに関わる重要な基礎情報です。🌱
十箇年計画の期末が近づく中で、リモートセンシングなどの新しい調査手法がさらに普及していけば、境界確認にかかる時間が短縮され、建設業界全体の見通しも立てやすくなっていくでしょう。国の制度やスケジュールの動きにも、ぜひ日頃からアンテナを張ってみてください。
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出典:「土地の戸籍」に関する最新の調査実施状況を公表します(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo06_hh_000001_00024.html)をもとに作成











