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建設業では、「売上は前年より伸びているのに利益が思うように残らない」という悩みを抱える経営者が少なくありません。受注件数が増え、現場も忙しく動いているにもかかわらず、資金繰りに余裕が生まれないというケースも珍しくありません。
その背景には、資材価格や人件費、燃料費の上昇に加え、工事ごとの原価管理が十分にできていないことがあります。利益を残せる会社は、単に多くの仕事を受注しているのではなく、「利益が残る仕組み」を会社全体で構築しています。
これからの建設業では、売上を追いかけるだけでなく、利益率を高める経営へと考え方を切り替えることが重要です。
多くの中小建設会社では、「売上○億円」を経営目標に掲げることがあります。しかし、本当に重要なのは売上高ではなく、どれだけ利益が残るかという点です。
例えば、同じ1,000万円の工事でも、原価が850万円なら利益は150万円ですが、原価を800万円に抑えられれば利益は200万円になります。売上は同じでも利益には大きな差が生まれます。
利益率を高める会社は、受注前の見積精度を高めるだけでなく、施工中の原価管理や工程管理にも力を入れています。数字を意識した経営が、会社の体力を強くしているのです。
※画像はイメージです
利益率が低下する原因は、材料費の高騰だけではありません。 現場で発生する手戻り工事、資材の発注ミス、余剰在庫、長時間の待機時間、不要な移動、過度な残業なども利益を圧迫しています。
一つひとつは小さなコストに見えても、年間を通して積み重なると数百万円規模になることもあります。 利益が残る会社では、こうした「見えないコスト」を数値化し、改善活動を継続しています。
毎月工事ごとの原価を確認し、計画との差異を分析するだけでも、多くの改善点が見えてきます。
近年は建設業向けのクラウドサービスや施工管理アプリが充実し、中小企業でも導入しやすい環境が整っています。 工程管理や写真管理、日報作成、原価管理をデジタル化することで、事務作業の負担を減らし、リアルタイムで現場の状況を把握できるようになります。
また、紙の書類を探す時間や二重入力が減ることで、現場監督や事務担当者の業務効率も向上します。 DXは単なるIT化ではなく、「利益を生み出す時間を増やす経営改善」と考えることが重要です。
導入コストだけを見るのではなく、削減できる時間や人件費まで含めて判断することで、投資効果が見えやすくなります。
利益改善は経営者だけが取り組むものではありません。 現場監督や職長、職人が「この工事はどの程度の利益を目標としているのか」を理解することで、資材の無駄遣いや手戻りを減らそうという意識が生まれます。
もちろん詳細な経営情報をすべて共有する必要はありませんが、工事ごとの予算や目標、改善ポイントを定期的に伝えることで、会社全体の意識改革につながります。 利益率の高い会社ほど、現場と経営の距離が近く、情報共有が活発です。
利益率は一度の改革で大きく変わるものではありません。 見積精度を高める、工程を見直す、資材ロスを減らす、会議時間を短縮する、デジタルツールを活用するなど、小さな改善を積み重ねることが大きな成果につながります。
また、利益が安定すれば、社員への給与改善や福利厚生の充実、人材採用、設備更新にも積極的に投資できるようになります。その結果、会社の魅力が高まり、人材確保や定着にも良い影響を与えるでしょう。
経営環境が変化し続ける時代だからこそ、「忙しい会社」ではなく「利益が残る会社」を目指すことが、持続的な成長への近道といえます。
利益が残る建設会社は、売上だけを追いかけるのではなく、利益率を意識した経営を実践しています。原価管理の徹底、現場の無駄の削減、DXによる業務効率化、そして現場と経営が同じ目標を共有することが利益改善の第一歩です。
今日からできる小さな改善を積み重ねることが、将来にわたって選ばれる会社づくりにつながります。
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「建設円陣PLUS編集部」は、建設業界に特化したプラットフォーム「建設円陣」を運営する株式会社エンジョイワークスの編集チームです。中小建設業の経営・人材・現場課題を、国土交通省・厚生労働省、業界専門紙や公的機関の情報をもとに解説します。