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資材価格の高騰が続くなか、建設・インフラ業界では「受注してみたら、工事が進むにつれて材料費や人件費が膨らんで採算が合わない」という悲鳴が広がっています。とくに公共施設の整備・維持管理・運営を民間事業者が一体的に担うPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)事業では、数十年にわたる長期契約が一般的なため、契約当初の予定価格が実勢コストから大きくかけ離れてしまうリスクが深刻でした。😰
入札公告の段階で設定された予定価格が、実際に工事・運営を行なうころには物価上昇で全くそぐわなくなっている――この問題に対し、政府がついに制度の根幹から手を入れることを決めました。
出典: 基本方針 民間資金等活用事業推進室(PPP/PFI推進室)- 内閣府(https://www8.cao.go.jp/pfi/hourei/kaisei/kihonhoushin.html)
令和8年6月16日、政府はPFI法(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律)第4条第1項の規定に基づく「基本方針」の変更を閣議決定しました。🎯この基本方針は、公共施設等の管理者(国・地方自治体など)がPFI事業を実施する際の共通の拠りどころとなるルールブックです。
今回の改正では特に「物価変動への対応」が柱となっており、以下の点がポイントです。
✅ 予定価格の適切な設定:実勢価格を反映した予定価格の算出・設定が求められるようになりました。ガイドラインでは、予定価格の作成時期を優先交渉権者選定後などに後ろ倒しすることで、物価変動をより的確に反映できるようにすることも考えられると明記されています。
✅ 民間事業者からの協議申し出への誠実対応:物価変動を理由に選定事業者(民間側)から協議の申し出があった場合、発注機関は誠実に協議に応じることがガイドラインに明記・再周知されました。これまで「協議に応じてもらえない」という現場の声に応えた形です。💬
✅ 関連ガイドライン・標準契約も同日改正:基本方針の変更に伴い、「リスク分担等に関するガイドライン」「VFM(Value For Money)に関するガイドライン」「モニタリングに関するガイドライン」「公共施設等運営権及び公共施設等運営事業に関するガイドライン」「PFI事業実施プロセスに関するガイドライン」「契約に関するガイドライン」「PFI標準契約」がいずれも令和8年6月16日付で改正されました。一斉に制度全体が更新された点は見逃せません。📄
同じタイミングで注目したいのが、令和8年6月11日に決定された「PPP/PFI推進アクションプラン(令和8年改定版)」です。⚡ このアクションプランは、PPP/PFI事業の推進に向けた政府全体の行動計画で、今回の改定では以下の3点が大きなポイントです。
📌事業規模目標の引き上げ:これまでの目標「30兆円」を「40兆円」へと大幅に見直しました。PPP/PFI事業がいかに重要な公共インフラ投資手段として位置づけられているかがわかります。
📌 重点分野の拡大:重点分野が14分野から17分野に拡大されました。新たに追加されたのは「火葬場」「一般廃棄物処理施設」「国公立病院」の3分野です。老朽化が進み、人手不足でもある施設の整備・運営に民間活力を取り込む姿勢が鮮明です🏥。
📌 目標件数の増加:重点分野の10年ターゲット目標も650件から730件に引き上げられました。 これは建設・土木会社にとって、公共分野の受注機会が今後さらに広がるシグナルといえます🔑。
今回の基本方針改正は突然起きたことではありません。内閣府PPP/PFI推進室は、物価変動の影響が深刻化する中で、段階的に対策を強化してきました。
- 令和6年1月:PPP/PFI事業における物価変動の影響への対応について(通知)
- 令和6年7月:PFI事業における民間事業者の創意工夫の最大化と適正利益が確保される環境構築の推進について(事務連絡)
- 令和7年3月:PPP/PFI事業における物価上昇の影響への対応について(通知)
- 令和7年12月:PPP/PFI事業における物価変動の影響への対応について(通知)
- 令和8年6月16日:PFI基本方針の変更・閣議決定(関連ガイドライン全面改正)
2年半ほどの間に繰り返し通知が出されてきたという経緯があります。その集大成として、今回ついにPFI制度の根幹となる「基本方針」そのものの改正に踏み切ったわけです。📅
出典: 基本方針 民間資金等活用事業推進室(PPP/PFI推進室)- 内閣府(https://www8.cao.go.jp/pfi/hourei/kaisei/kihonhoushin.html)
今回の基本方針変更・ガイドライン改正は、PFI事業に直接参加する大手ゼネコンだけでなく、その下請け・協力企業にとっても無関係ではありません。
🔎 施工会社・専門工事業者の場合:PFI事業は元請けのSPC(特別目的会社)と長期契約を結ぶことが多く、「予定価格の算出時期の見直し」や「物価変動を理由とした協議」が制度として整備されれば、元請けを通じた価格見直し協議がしやすくなる可能性があります。既に受注・施工中の案件でも、現行ガイドラインに基づく協議ルートを元請けに確認してみましょう💡。
🔎 維持管理・運営系企業の場合:20〜30年にわたって施設を維持管理するPFI案件では、人件費・材料費の変動がキャッシュフローに直撃します。「サービス対価改定条項」の有無と内容を契約書で再確認し、必要なら改定のための協議を申し出ることが今後は制度的に後押しされます。
🔎 地方自治体の発注担当・コンサル:今回の改正により発注機関側にも「予定価格の適切な設定」や「誠実な協議対応」が求められます。
財務規則などの制約がある場合の対応方法なども、改正ガイドラインで方向性が示されています。内閣府のウェブサイト(https://www8.cao.go.jp/pfi/hourei/hourei_index.htmlから最新版をダウンロードして、現行の事業管理体制と照合することを推奨します。
令和8年6月16日のPFI基本方針の閣議決定は、長年の課題だった「物価変動リスクの偏った負担」を是正するための重要な制度改正です。⭐予定価格の適切な設定、民間事業者からの協議申し出への誠実な対応、そして複数のガイドラインの同日一括改正により、PFI事業を取り巻くルールが大きく変わります。
建設・インフラ業界に関わる企業は、現在進行中・これから参加を検討するPFI案件について、改正内容を確認のうえ早めの対応を取ることが重要です。
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出典: 基本方針 民間資金等活用事業推進室(PPP/PFI推進室)- 内閣府(https://www8.cao.go.jp/pfi/hourei/kaisei/kihonhoushin.html)をもとに作成
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