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「今月、何にお金使ったっけ?」 月末になると、建設会社の事務所で、こんな会話が始まることがあります。
請求書を整理しながら、「材料代はこれ。車両関係はこれ。工具も買ったな……」と確認しているうちに、思っていた以上に支出が増えていることに気づく。ところが、明細を一つずつ見ても「これは必要だった」と思うものばかりです。
新しい工具を買った。現場までの移動が増えた。急きょ材料を追加した。壊れた道具を買い替えた。コンビニで飲み物を買った。事務用品を補充したーー。
一つひとつは大きな金額ではなくても、積み重なると、それなりの金額になります。 そして最後には、「結局、今月は何に使ったんだ?」という、少し不思議な結論にたどり着きます。
建設業では、現場を止めないための支出が少なくありません。 「明日必要だから今日買う」「現場に足りないから追加する」といった判断も珍しくありません。工事の進行に合わせて材料や消耗品を手配する以上、毎月の支出が一定になるとは限らないのも建設業のお金の特徴です。
そのため、月末に支出が多かったとしても、単純に「使いすぎ」とは言えません。 むしろ気をつけたいのは、必要だった支出と、何となく続いている支出が一緒になっていることです。
例えば、毎月購入している消耗品。以前から契約しているサービス。現場ごとに発生する細かな移動費。急な追加購入。 どれも一回だけなら気になりません。 しかし、「毎月」「現場ごと」「少額だから」という理由で確認されないまま続いているものには、見直せる余地があるかもしれません。
そこで、月末の支出確認を少しだけ変えてみます。 見るポイントは、「何に使ったか」だけではありません。
まずは、支出を見ながら「これは来月も必要か?」と考えてみます。次に、「もっと安くできる方法はあるか?」を確認します。 そして最後に、「そもそも、なぜこの支出が発生したのか?」を振り返ります。
例えば、材料の追加購入が多かったなら、発注方法や数量確認に改善の余地があるかもしれません。 工具の買い替えが続いたなら、保管方法や使用状況を確認するきっかけになります。 移動費が増えていたなら、現場の予定や訪問ルートを見直せる可能性があります。
大切なのは、「誰が使ったのか」を責めることではありません。 「どうして、このお金が出ていったのか」を知ることです。
会社のお金を考えるとき、つい大きな支出に目が向きます。 車両、機械、材料、外注費などは金額が大きいため、当然チェックもしやすいでしょう。
一方で、見落としやすいのが数百円、数千円単位の支出です。 「これくらいならいいか」 この判断そのものが悪いわけではありません。現場では、細かな出費まで毎回立ち止まって考えていたら仕事が進みません。
ただし、月末にまとめて見ると、その「これくらい」が何件も並んでいることがあります。 だからこそ、月末の確認は意外と大切です。 「今月は何に使った?」と振り返るだけでも、会社のお金の流れが少し見えてきます。
月末の支出を全部改善しようとすると、かえって続きません。 おすすめなのは、気になった項目を一つだけ選ぶことです。
*「今月、同じものを何度も買っていた」
* 「急な追加購入が多かった」
*「使っていないサービスの支払いがあった」
*「思った以上に移動費がかかっていた」
そんな発見が一つあれば十分です。 そして翌月、その項目がどう変わったかを確認する。 それだけでも、「何となくお金が減っている」という感覚から、「ここを変えると支出が変わる」という具体的な感覚に変わっていきます。
月末の反省会は、会社のお金を責める時間ではありません。 むしろ、普段は忙しくて見えていなかった「お金の使い方」を発見する時間と考えたほうが、建設会社には向いているのかもしれません。
「今月、何にお金使ったっけ?」という月末の疑問は、会社のお金を見直す小さなきっかけです。
大きな節約をいきなり目指すのではなく、まずは一つの支出を眺めてみる。そんな小さな確認から、見えにくかった会社のお金の流れが見えてくるかもしれません。
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