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🖌️ 外壁塗装や木工塗装の現場で、塗料を希釈するために欠かせないシンナー。普段は当たり前に使っている資材のひとつですが、2026年春以降、各地の工務店や塗装業者の間で「いつもの問屋から入ってこない」「発注してもキャンセルされた」という切実な声が急増しています。
原因は中東情勢の悪化です。イラン情勢を発端とするホルムズ海峡の混乱により、石油製品のサプライチェーン全体に影響が波及。シンナーの原料であるトルエン(ナフサ由来の石油化学製品)の流通が滞り、川上のメーカーから川中の卸・問屋を経て川下の工務店へ届くまでの「目詰まり」が深刻化しました。
🏠 住宅建設・リフォームの現場では、シンナーがなければ塗装工程が完全にストップします。工期の遅延、職人の待機コスト、施主への謝罪——現場の担当者にとっては、頭を抱える状況が続いていました。こうした現場の悲鳴に対し、ついに政府が新たな手を打ちました。
※画像はイメージです
📦 赤澤経済産業大臣は2026年6月19日の閣議後記者会見で、シンナーメーカーから工務店などの需要家へ直接販売するための新しい仕組みを実施すると発表。2026年6月23日(火曜日)より注文受付を開始しました。
「シンナー直販スキーム」のポイントは次のとおりです。
📌 どんな仕組み?
従来は「メーカー→卸→問屋→工務店」という複数の流通経路を経てシンナーが届いていましたが、この新スキームでは卸・問屋を介さず、シンナーメーカーが直接、工務店等の最終需要家に届けるルートを新設します。流通の目詰まりをバイパスして、必要な人に確実に届けることを目的としています。
📌 初弾720缶を千葉県の倉庫に備蓄完了
制度開始に先立ち、化学メーカーから供給された塗料用シンナー初弾の720缶が千葉県内の倉庫に搬入・備蓄完了。注文受付後、速やかに発送できる体制が整えられました。
📌 価格は1缶 税込み13,500円
直販スキームで販売される塗料用シンナーの価格は、1缶あたり税込み13,500円。市場での入手困難な状況と比較した場合の実質的なメリットを含め、必要量の確保が見込めます。
📌 国土交通省の窓口が起点
👉 活用の流れとしては、まず工務店が国土交通省の相談窓口にシンナーの供給不足を申し出て、不足状況が確認された後に直販ルートへとつながる仕組みです。「どこに連絡すればいい?」と迷っている現場の方は、まず国交省窓口への相談がファーストステップとなります。
🔍 赤澤大臣は会見の中で、「原油や石油製品は、日本全体として必要となる量は確保できている」と繰り返し強調しました。では、なぜ工務店には届かないのでしょうか。 問題の核心は「供給の偏り」と「流通の目詰まり」です。
中東情勢の不安から、川中(メーカーや問屋)の事業者がこぞって在庫を囲い込み始めました。あるシンナーメーカーは、トルエン供給業者から「5月分は未定」と連絡を受けた途端、主要な得意先に確実に供給できるよう4月分の出荷量を半分に絞ってしまいました。結果として、得意先以外の工務店には物が届かなくなりました。さらに川下側でも、「念のため」と普段の10倍の量を発注する事業者が続出。これが流通全体をさらに圧迫する悪循環を生み出しました。😓
💡 政府はこの構造的問題に対して、二段階で手を打っています。まず2026年6月3日から、シンナーの原料であるトルエン等の供給量を最大で例年の1.8倍まで拡大。そして今回、その供給増加分をより確実に末端の工務店まで届けるための「直販スキーム」を新設しました。川上から水量を増やすだけでなく、詰まった流通経路をバイパスする——という二の矢が今回の施策です。
⚡ 「知らなかった」では損をする制度です。中小の工務店・塗装業者が今すぐ動けることをまとめます。
🟡①供給不足の実態を記録しておく
直販スキームを利用するには、シンナーの入手困難な状況を国交省窓口に伝える必要があります。「○月○日に○社に発注したが断られた」という記録を残しておきましょう。口頭よりも書類・メール等の記録があるほうがスムーズです。
🟡②国土交通省の窓口に早めに相談する
直販ルートへのエントリーは国交省の「住宅分野情報提供窓口」(2026年5月1日開設)が入口となります。まだ相談していない事業者は早めにコンタクトを取ることをお勧めします。
🟡③過剰発注・買い占めは逆効果
「不足しているなら多めに注文しよう」という行動が、実は状況をさらに悪化させています。政府・業界ともにこの点を強調しており、必要量の把握と適切な発注量の管理が全体の流通を助けることになります。
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🌏 2026年6月時点で、米国・イランが戦闘終結に向けた合意の覚書に署名し、ホルムズ海峡の航行正常化への期待が高まっています。赤澤大臣はこれを「事態の収束に向けた大きな一歩」として歓迎し、7月分の原油調達については前年同月比約10割の調達に目途がついていると説明しました。
ただし、ホルムズ海峡が開放されても、乱れたサプライチェーンが即座に正常化するわけではありません。工務店目線では、「海峡が開いた→明日からシンナーが入ってくる」とはならないことを念頭に置く必要があります。 5月末時点では、塗料・シンナー・印刷インキ・塩ビ管・断熱材・ユニットバスなど8つの業界団体が「足元の供給量は安定・増加し、今後も継続的に供給できる見通し」と発信しており、供給面での改善傾向は見え始めています。
それでも個々の工務店レベルでの目詰まりが完全に解消するまでには、一定の時間がかかる見込みです。 引き続き、政府の情報発信と業界団体の動向をチェックしながら、必要に応じて直販スキームを活用していくことが、現場の安定稼働を守る鍵となりそうです。🔑
中東情勢を背景とする塗料用シンナーの供給不足に対し、経産省は2026年6月23日からシンナーメーカーと工務店を直接つなぐ「直販スキーム」の注文受付を開始しました。初弾として千葉県の倉庫に720缶分の備蓄が完了しており、国交省窓口での相談を通じて利用できます。
現場でお困りの中小工務店・塗装業者の方は、まず国土交通省の窓口(窓口名: 中東情勢に係る住宅分野情報提供窓口、相談フォーム:(https://forms.office.com/pages/responsepage.aspx?id=tHnszZFsA028z7Rz1aWXoniYeDen8ilOsB9CcYFEkZFUOU9TVjdEQUVFSVNOUDZaRzhYTTBMNUJHVi4u&route=shorturl)への相談から行動を起こしてみてください。
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出典:赤澤経済産業大臣の閣議後記者会見の概要(経済産業省)https://www.meti.go.jp/speeches/kaiken/2026/20260619001.html をもとに作成
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「建設円陣PLUS編集部」は、建設業界に特化したプラットフォーム「建設円陣」を運営する株式会社エンジョイワークスの編集チームです。中小建設業の経営・人材・現場課題を、国土交通省・厚生労働省、業界専門紙や公的機関の情報をもとに解説します。