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厚生労働省は2026年7月31日、「毎月勤労統計調査の調査手法の検討等に関するワーキンググループ」の第1回会合を開きました。
毎月勤労統計調査は、事業所を対象に労働者の賃金・労働時間等の変動を毎月とらえる調査で、政府の経済政策や賃金動向の分析にも使われている、いわば日本の「賃金の温度計」のような統計です。📊
建設業の現場でも、賃上げ相場や労務費の目安を考える際にこの統計の動きを参考にしている方は多いはず。今回のWG設置は、その統計の「測り方」自体を見直す動きなので、経営者・事務担当の方にもぜひ知っておいていただきたい話題です。
見直しのきっかけは、総務省が2023年7月に告示し、2024年4月1日から施行された「日本標準産業分類」の第14回改定です。現在の毎月勤労統計調査は、2013年10月改定の第13回分類のまま運用されているため、最新の分類にアップデートする必要が出てきました。
第14回改定の主な変更点は、産業大分類ベースで見ると「卸売業,小売業」「医療,福祉」「サービス業(他に分類されないもの)」の一部区分が別の大分類へ移ることで、大分類間の移動自体は限定的とされています。建設業の大分類そのものは、今回の主な移動対象には含まれていません。
とはいえ、比較対象となる他産業の区分が変わることで、業種別の賃金比較の見方には少し注意が必要になりそうです。⚠️
項目 |
内容 |
|---|---|
現行の分類 |
2013年10月改定(第13回)の日本標準産業分類を使用中 |
新しい分類 |
2023年7月告示・2024年4月施行の第14回改定 |
主な変更対象 |
「卸売業,小売業」「医療,福祉」「サービス業(他に分類されないもの)」の一部区分(建設業は対象外) |
出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74499.html)をもとに作成
WGでは産業分類対応だけでなく、調査全体の精度向上も同時に検討されています。
具体的には、回収率向上に向けた調査員の負担軽減や、事業所調査から企業調査への見直し、精度改善に向けた層化基準の見直し、全国調査と地方調査の統合、ローテーションサンプリングの在り方の見直しなどが論点として挙げられています。
スケジュールは、2026年度に課題整理(第1回・第2回)を行ない、2027年度に主なユーザー等へのヒアリングと中間報告(案)(第3回)、その後報告書(案)(第5回)をまとめる予定です。
また、母集団労働者数のベンチマーク更新は2027年1月結果から、新しい産業分類への対応は2028年1月結果から反映される見込みです。
ちなみに毎月勤労統計調査で現在公表されている産業は、大分類・中分類あわせて91のうち67、小分類は32にとどまるという点も、統計を読むうえで意外と知られていないポイントかもしれません。🔍
年度 |
予定内容 |
|---|---|
2026年度 |
第1回・第2回(課題整理) |
2027年度 |
主なユーザー等へのヒアリング/第3回(中間報告案) |
2027年度以降 |
第5回(報告書案) |
出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74499.html)をもとに作成
先述の通り、建設業の産業大分類自体は今回の改定で移動対象になっていません。ただし、2018年1月に第1種事業所へローテーションサンプリングが導入されて以来、初めての産業分類改定となるため、入替前事業所・入替後事業所・継続事業所それぞれの取り扱いが新たに検討される予定です。
調査の枠組みが変わる過程では、公表される賃金・労働時間の数値に一時的な「断層(新旧の数値のズレ)」が生じる可能性もゼロではありません。
建設業では、下請への支払い交渉や賃上げ幅の検討時に、こうした政府統計の伸び率を参考にする場面も多いため、統計の切り替えタイミングでは前年同月比などの見方に一呼吸置いて確認する姿勢が安心です。
今回のWGはまだ検討の初期段階で、中間報告(案)は2027年度、報告書(案)はさらにその先の想定です。今すぐ何かを変える必要はありませんが、次のポイントは覚えておくと安心です。
1つ目は、2027年1月結果からベンチマークが更新される予定であること。
2つ目は、2028年1月結果から新しい産業分類が反映される予定であること。
3つ目は、公表方法自体の改善も検討されている点です。
労務費の相場観をアップデートする際は、統計の切り替え時期をカレンダーにメモしておくと、数値のブレに慌てずに対応できます。👉このタイミングを押さえておくだけでも、経営判断のスピードが変わってきます。
検討課題 |
概要 |
|---|---|
回収率向上 |
調査員の負担軽減、事業所調査から企業調査への見直し |
精度改善 |
層化基準の見直し、全国調査と地方調査の統合 |
産業分類対応 |
第14回日本標準産業分類への切り替え検討 |
ベンチマーク更新 |
母集団労働者数の更新(2027年1月結果から予定) |
公表の在り方 |
統計ユーザーへの誤解を防ぐ公表方法の改善 |
出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74499.html)をもとに作成
毎月勤労統計調査は、建設業を含むすべての産業の賃金・労働時間の動きを映す大切な統計です。調査手法や産業分類の見直しは地味なテーマに見えますが、賃上げや見積りの相場観に関わる「制度の裏側」を知っておくことは、経営判断の精度を上げる第一歩になります。
今後の検討状況にも、ぜひ注目してみてください。🌱
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出典:「第1回毎月勤労統計調査の調査手法の検討等に関するワーキンググループ資料」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74499.html)をもとに作成
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