記事を読み込み中です
国土交通省が進める3D都市モデルの取組「Project PLATEAU(プラトー)(Project PLATEAUとは:国土交通省が様々なプレイヤーと連携し、都市デジタルツインの実現を目指して進める3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化の取組)」が、2027年度に向けた意見募集を行なっています。
結論から言えば、今回の募集テーマにはBIMデータの活用や盛土規制法関連業務など、建設業の実務と直結する内容が含まれており、現場の技術やノウハウを持つ企業にとって国の施策に声を届けるチャンスです。
今回の募集は「Project PLATEAU事業推進に向けての情報提供依頼(RFI#2)(2027年度向け)」です。RFI(RFIとは:発注者などが事業検討の参考とするため、幅広い主体に情報やアイディアの提供を求める手続き)は、国が事業の中身を固める前段階で、民間の知見を集める仕組みです。
募集期間は令和8年10月20日(火)から11月13日(金)まで。応募者は法人、または法人に属する個人とされ、企業・事業所、業界団体、大学・研究機関、NPO法人など幅広い主体からの意見が期待されています。
提供された情報は、国土交通省都市局が2027年度以降の事業や調査・研究のテーマ検討の参考資料として活用します。必ず採択されるものではありませんが、自社の技術が今後の国の取組の方向性に反映される可能性がある点は見逃せません。
国土交通省によると、2025年度末時点で3D都市モデルの整備都市数は329都市、ユースケース開発は100件を超え、利活用は着実に広がっています。
一方で、モデルの整備・更新コスト、ニーズとモデル品質の整合、社会実装のさらなる拡大が課題とされています。
こうした状況を踏まえ、2026年7月17日に公表された「PLATEAUビジョン2026」では、①データ整備・更新の効率化、②サービス実装のさらなる推進、③国外への都市デジタルツイン展開の3つが重要項目に位置付けられました。
今回のRFI#2は、7月から8月に実施されたRFI#1で寄せられたアイディアをもとに10件の募集テーマを作成し、取組範囲の解像度と技術的な実現性をさらに高めるために意見を募るものです。
|
Project PLATEAUの現状と今後の重要項目 |
|
項目 |
内容 |
|---|---|
|
整備都市数 |
329都市(2025年度末時点) |
|
ユースケース開発 |
100件超 |
|
主な課題 |
・3D都市モデルの整備・更新コスト |
|
PLATEAUビジョン2026の重要項目 |
①データ整備・更新の効率化 |
出典:「Project PLATEAU事業推進に向けての情報提供依頼(RFI#2)(2027年度向け)実施要領」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/toshi/daisei/content/002027298.pdf)をもとに作成
10件のテーマのうち、建設業との接点が特に大きいものを紹介します。
BIMデータを活用した3D都市モデルの更新の効率化
BIM(BIMとは:建物の形状や属性情報を持つ3次元のデジタル建築モデル)データや建築確認申請に係る図書・情報を使い、竣工した建物を3D都市モデルへ効率よく反映する仕組みを目指すテーマです。現状は竣工した建築物がモデルへ速やかに反映されず、現況との乖離が生じていることが課題とされています。指定確認検査機関や特定行政庁、設計者・施工者などへのヒアリングも取組範囲に挙げられています。
点群・3DGS等の先進技術の活用
点群や3DGS(3DGSとは:3D
Gaussian
Splattingの略で、フォトリアルで高品質な3次元表現を可能にする技術)を使い、3D都市モデルの整備・更新・利活用を高度化するテーマです。測量や現場計測で点群を扱う企業には身近な内容でしょう。
盛土規制法関連業務の効率化・高度化
盛土規制法(盛土規制法とは:盛土等に関する規制区域の指定や許可などを定めた法律)に関する自治体業務として、施工状況の確認、既存盛土等の調査、不法・危険盛土等への対応などが挙げられています。3D都市モデルの地形データを活用し、地盤変位箇所の可視化などを検討・実装するテーマです。
このほか、衛星データと3D都市モデルを組み合わせた災害発生時の迅速な被害把握、スマートフォンや360°カメラなどを使った建物テクスチャ付与の効率化、ジオAI・AIエージェントを活用した自治体業務の高度化なども募集テーマに含まれています。
|
RFI#2の募集テーマ一覧(全10件) |
||
No. |
カテゴリ |
テーマ |
|---|---|---|
01 |
標準データ仕様のメンテナンス/データ整備手法の効率化 |
BIMデータを活用した3D都市モデルの更新の効率化 |
02 |
標準データ仕様のメンテナンス/新技術の実装 |
Project PLATEAUのAI Ready化 |
03 |
データ整備手法の効率化 |
3D都市モデルのデータ更新の効率化・更新コスト削減 |
04 |
データ整備手法の効率化 |
3D都市モデルに対する属性付与の効率化・自動化 |
05 |
データ整備手法の効率化 |
3D都市モデルへのテクスチャ付与の効率化および自治体業務プロセスへの組込み |
06 |
データ整備手法の効率化 |
PLATEAUの海外展開を見越した、衛星データからの地形モデル作成 |
07 |
新技術の実装 |
点群・3DGS等の先進技術を活用した3D都市モデルの整備・更新・利活用の高度化 |
08 |
新技術の実装/まちづくりでの活用定着 |
ジオAI・AIエージェント等と3D都市モデルを活用した自治体業務・行政サービスの高度化 |
09 |
まちづくりでの活用定着 |
衛星データと3D都市モデルを活用した災害発生時の迅速な被害把握・対応支援 |
10 |
まちづくりでの活用定着 |
3D都市モデルを活用した盛土規制法関連業務の効率化・高度化 |
出典:「Project PLATEAU事業推進に向けての情報提供依頼(RFI#2)募集テーマ」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/toshi/daisei/content/002027299.pdf)をもとに作成
応募は、国土交通省の応募ページに掲載された「応募様式」(Excel形式)に記入し、電子メールで送付します。「意見」シートにテーマの管理Noを記入し、施策についての意見、取組範囲についての意見、実現性についての意見、その他確認・質問のカテゴリを選んで自由に記述します。
注意点は次のとおりです。
・複数テーマに意見を出す場合は、シートを増やさずファイルを分けて提出する
・メールのサイズは10MBを超えないようにする
・情報提供にかかる費用は応募者の負担
・提供内容の知的財産権は応募者に留保される
なお、提供資料はそのまま対外公表はされませんが、一定の整理を行ない、提供者に確認をとったうえで公表される可能性があります。
|
RFI#2 応募のポイント早見表 |
|
項目 |
内容 |
|---|---|
|
募集期間 |
令和8年10月20日(火)~11月13日(金) |
|
応募できる人 |
法人、または法人に属する個人(各テーマの取組の実施主体となりうる者) |
|
提出書類 |
応募様式(Excel形式)。必要に応じて参考資料(任意様式) |
|
記入する内容 |
テーマの管理Noを記入し、次のカテゴリから選んで自由記述 |
|
提出方法 |
電子メール(10MB以内)。複数テーマの場合はファイルを分ける |
|
費用・権利 |
費用は応募者負担。知的財産権は応募者に留保される |
|
提供情報の扱い |
2027年度以降の事業等の検討の参考資料として活用。採択は保証されない。そのまま公表はされないが、整理のうえ提供者の確認を経て公表される可能性あり |
出典:「Project PLATEAU事業推進に向けての情報提供依頼(RFI#2)(2027年度向け)実施要領」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/toshi/daisei/content/002027298.pdf)をもとに作成
3D都市モデルは、BIMや点群、盛土の管理など、建設現場で培われた技術と結び付くことで価値が高まる分野です。締切は11月13日。自社の技術や現場の知見が国の施策づくりに役立つかどうか、まずは募集テーマに目を通してみてはいかがでしょうか。
BIMや点群など3D技術を持つ協力会社とのつながりづくりには、無料の建設業向けマッチングサービス『建設円陣』へのご登録がおすすめです(緑のバナーをクリック)。
出典:Project PLATEAU事業推進に向けての情報提供依頼(RFI#2)(2027年度向け)応募ページ(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/toshi/daisei/plateau_rfi2027_02.html)をもとに作成
➡関連記事:建機の位置情報活用がさらに拡充!台風接近前から先回り対応可能に
➡関連記事:現場の点検作業がアプリ1タップで完結──「Myグリーンサイト」と「GENBAx点検」が第二弾連携、中小建設業の安全管理負荷を大幅削減
お問い合わせフォームを読み込んでいます。お問い合わせページもご利用いただけます。
お問い合わせフォームを読み込み中です「建設円陣PLUS編集部」は、建設業界に特化したプラットフォーム「建設円陣」を運営する株式会社エンジョイワークスの編集チームです。中小建設業の経営・人材・現場課題を、国土交通省・厚生労働省、業界専門紙や公的機関の情報をもとに解説します。