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宇都宮市が進めてきた「新栃木変電所」南側エリアデータセンター整備事業で、事業を担う民間グループが決まりました。結論からいうと、この事業は令和9年度の用地交渉から令和17年度目途の全施設稼働まで、足かけ9年度にわたって段階的に進む長期プロジェクトです。
しかも審査では「地元企業の活用」が評価ポイントの一つに挙げられており、栃木県内の建設会社にとっては見逃せない動きといえます。
データセンター(データセンターとは:大量のサーバーを設置し、データの保管や処理を行なう専用施設)は、生成AIの普及などで需要が急拡大しています。国は災害時の事業継続の観点から、データセンターの地方分散を推進しています。
市の資料によると、令和7年6月に資源エネルギー庁から「新栃木変電所」近傍への立地誘導検討の要請があり、市として初めての検討が始まりました。新栃木変電所は県内の再生可能エネルギーが集まる超高圧変電所で、最大400MWの大規模な電力供給が可能とされています。
対象地は相野沢町の約37ha。浸水想定区域の指定がなく、周辺に活断層もない災害リスクの低いエリアとされ、東北自動車道「上河内スマートIC」から約5km、宇都宮駅から約13km、東京・大手町から約100kmという立地です。
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「新栃木変電所」南側エリアデータセンター整備事業の概要 |
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対象地 |
「新栃木変電所」南側エリア(宇都宮市相野沢町) |
|---|---|
面積 |
約37ha |
最大供給電力量 |
400MW |
施設計画 |
データセンター4棟(段階的に稼働) |
事業手法 |
地域未来投資促進法の規制特例を活用した民間開発(周辺インフラ整備を含め事業費は事業者負担) |
アクセス |
上河内スマートICから約5km/宇都宮駅から約13km/大手町(東京都)から約100km |
出典:宇都宮市ウェブサイト(https://www.city.utsunomiya.lg.jp/sangyo/kigyo/1045523/1050050.html、https://www.city.utsunomiya.lg.jp/sangyo/kigyo/1045523/1045521.html)の公表資料をもとに作成
市は令和8年4月30日に公募を開始し、9月4日の締切までに5グループが提案しました。審査は実績審査50点、提案内容審査150点の計200点満点で行なわれ、10月27日に優先交渉権者(優先交渉権者とは:発注者と優先的に協議・契約交渉を行なう権利を得た事業者)が公表されました。
最高点の145.88点を獲得したのは、三菱地所株式会社を代表企業とし、東日本旅客鉄道株式会社、デジタルエッジ・ジャパン合同会社で構成するグループです。2位は137.39点で、上位の差は10点もありませんでした。
選定理由としては、用地買収から運営まで一貫して遂行できる体制、地域経済への波及効果、排水計画や外周の緑地帯による周辺農地との調和、早期稼働に向けた具体的なスケジュールなどが挙げられています。地域貢献の面では地元企業・地元雇用の活用や、地元企業とIT企業の共創も評価されました。
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提案審査の結果(200点満点) |
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グループ |
実績審査 |
提案内容審査 |
総合評価 |
順位 |
|---|---|---|---|---|
|
D(三菱地所グループ) |
40.00 |
105.88 |
145.88 |
1位 |
B |
39.50 |
97.89 |
137.39 |
2位 |
C |
45.00 |
87.63 |
132.63 |
3位 |
A |
20.00 |
101.76 |
121.76 |
4位 |
E |
26.50 |
93.88 |
120.38 |
5位 |
※三菱地所グループの構成:代表企業 三菱地所株式会社/構成員 東日本旅客鉄道株式会社、デジタルエッジ・ジャパン合同会社
出典:宇都宮市ウェブサイト(https://www.city.utsunomiya.lg.jp/sangyo/kigyo/1045523/1050050.html)の公表資料をもとに作成
市が公表した今後のスケジュールは次のとおりです。
・令和8年10月末目途:基本協定の締結
・令和8年11月〜:開発行為の予備協議、地権者説明会など
・令和9年3月末目途:覚書の締結
・令和9年度:用地買収に係る地権者交渉
・令和10年度:土地造成工事
・令和11年度〜:建物等の新築工事着工
・令和12年度:施設稼働(4棟中1棟目)
・令和17年度目途:全施設稼働
本事業は地域未来投資促進法(地域未来投資促進法とは:地域の特性を生かして付加価値の高い事業を促進する法律で、税制・金融・規制の特例などの支援措置がある)の規制特例を活用した民間開発で、周辺インフラ整備を含めた事業費は事業者負担とされています。
対象地は令和8年3月27日、国の同意を得て重点促進区域(重点促進区域とは:農地転用や開発許可などの特例を受けられるよう県の基本計画で定める区域)に設定されました。
造成から4棟の建築まで段階的に工事が続くため、土木・建築・設備など幅広い職種に関わる余地があります。また審査講評では、事業者への付帯事項として低周波音を含む騒音対策、排熱の有効活用、PUE(PUEとは:データセンター全体の消費電力をIT機器の消費電力で割った指標。1に近いほど効率が良い)の低減や再生可能エネルギーの活用が求められています。
こうした要求に応える技術や施工実績は、今後の受注で強みになるはずです。協力会社とのつながりづくりや、自社の得意分野・対応可能な工種の整理を、工事が本格化する前の今のうちから進めておくことをおすすめします。
なお、スケジュールは今後の協議で変更される可能性があるため、市の公表情報を定期的に確認しておきましょう。
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審査講評で示された主な付帯事項 |
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項目 |
求められている内容 |
|---|---|
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騒音対策 |
設備との距離確保や敷地境界での予測に加え、低周波音や複合的な影響にも留意し、周辺住民の生活環境に配慮する |
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排熱の有効活用 |
高効率な冷却システムなどを導入し、排熱を地域で活用できる資源として検討する |
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省エネ・再エネ |
PUEの低減や再生可能エネルギーの積極活用により、消費電力の抑制と需給安定化に努める |
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地域との連携 |
周辺環境や地域特性を生かし、宇都宮市への立地ならではの価値を生み出す |
出典:宇都宮市ウェブサイト(https://www.city.utsunomiya.lg.jp/sangyo/kigyo/1045523/1050050.html)の審査講評をもとに作成
宇都宮市のデータセンター整備は、令和10年度の造成工事から令和17年度目途の全施設稼働まで続く、地域にとって大きなプロジェクトです。地元企業の活用が評価された計画だからこそ、早めの情報収集と体制づくりが商機につながります。
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出典:「新栃木変電所」南側エリアデータセンター整備事業における優先交渉権者の決定(宇都宮市)(https://www.city.utsunomiya.lg.jp/sangyo/kigyo/1045523/1050050.html)をもとに作成
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