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設備工事業や専門工事業など、件数の多い小口工事を抱えるサブコン業界の事務担当者にとって、工事登録や入力作業の煩雑さは長年の悩みの種だった。こうした課題に対し、NECが建設業向けSaaS型ERP「建設クラウド」に新機能を追加するというニュースが発表された。
日本電気株式会社(NEC)は、建設業向けSaaS型ERP「建設クラウド」において、小口工事を効率的に管理する機能を強化し、2027年4月より提供開始すると発表した。この取り組みは、件数の多い小口工事の登録・入力作業を簡易化し、バックオフィス業務の効率化を図ることを目的としている。
今回の発表資料では、建設クラウドの概要について次のように説明されている。
『建設クラウドは、総合建設業4社との共同研究を経て開発された、建設業向けSaaS型ERPです。実行予算の策定から原価・出来高管理、収支予測、財務・管理会計、決算、請求・支払まで、工事原価管理から会計領域までのデータを一気通貫で管理・連携します。』
引用元:日本電気株式会社プレスリリース(PR TIMES掲載)
設備工事業や専門工事業など、いわゆるサブコン業界では、工事価格が少額でありながら件数が多い小口工事を、通常工事と同様のレベルで原価管理する必要がある。件数が多いということは、それだけ登録や入力の作業量も増えるということであり、事務担当者の負担は蓄積しやすい。
加えて、各工事がどの業務工程にあるのかを把握する際のコミュニケーションコストや、画面上での一覧性の低さも課題として指摘されてきた。現場と事務方の間で「今どの工事がどこまで進んでいるか」を確認するだけで、電話やメールのやり取りが発生するケースも少なくないだろう。
NECは、ユーザー会や顧客へのインタビューを通じて現場の課題を把握し、サービス開発にフィードバックすることで継続的な機能強化に取り組んでいるという。今回は10社にインタビューを実施した過程で、小口工事の管理に共通する課題が確認されている。
具体的には、件数・入力項目の多さによる事務処理工数の増大、そして業務工程ごとの進捗確認に伴うコミュニケーションコストの増加や画面上の一覧性の低さが挙げられている。これらは一企業に固有の問題ではなく、業界全体に共通する構造的な課題として捉えられていることがうかがえる。
こうした課題の解決に向け、建設クラウドでは2つの機能が強化される。1つ目は小口工事向け簡易入力画面の追加だ。原価管理上必要な最小限の項目に絞り、施主見積管理・少額工事契約管理・少額実行予算管理の専用画面が新設される。件数が多いという小口工事の特性に合わせ、工事登録・入力作業の簡易化・効率化を実現する狙いがある。
2つ目は工事ステータス管理画面の追加である。各工事の業務工程ごとのステータスを横断的に確認できる一覧画面が加わることで、どの工事のどの業務が未処理状態かを素早く把握できるようになる。進捗状況の可視化は、状況把握の迅速化だけでなく、部門間のコミュニケーションコストの削減にもつながるとされている。
今回の新機能提供開始は2027年4月を予定している。設備工事業や専門工事業など、小口工事を多く扱う企業にとっては、提供開始までの間に自社の工事登録・進捗管理のフローを見直しておくことが有効だろう。現状の業務フローのどこにボトルネックがあるかを洗い出しておけば、新機能導入時にスムーズに移行しやすくなる。
また、NECは今後も顧客の課題や要望から標準機能の拡充を進め、バックオフィス業務のさらなる生産性向上に貢献していく方針を示している。業界団体や取引先との情報交換を通じて、こうしたSaaS型ERPの動向を継続的に把握しておくことも、中小企業にとっては重要な経営判断の材料となる。
建設クラウドの詳細については、以下のページで確認できる。
建設クラウドについて:https://jpn.nec.com/manufacture/kensetsu/constcloud-kikan/index.html?cid=PRTIMES20261007
小口工事の管理負担は、サブコン業界に共通する課題であり、今回のNECの機能強化はその解決に向けた具体的な一歩といえる。事務処理の効率化と進捗の可視化は、人手不足が続く建設業界においてバックオフィスの負担軽減に直結する取り組みとして注目しておきたい。
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