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建設業界では人材不足や高齢化への対応が進められる中、技能者の処遇改善も重要なテーマとなっています。その中で大きな役割を果たしているのが建設業退職金共済制度(建退共)です。 一方で、制度そのものは有効であっても、実際の運用では就労実績の収集や申請データの作成などに多くの事務作業が発生し、担当者の負担が課題となっていました。
こうした状況の中、建設業向けクラウドサービス「建設サイト・シリーズ」の「スキルマップサイト」が建退共電子申請専用サイトとのAPI連携機能を実装することが発表されました。今回は、この新機能が建設会社にもたらすメリットや今後の影響について解説します。
『エムシーディースリー株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長:飯田正生)は、建設業向けクラウドサービス「建設サイト・シリーズ」の独自資格運用管理サービス「スキルマップサイト」において、独立行政法人勤労者退職金共済機構が運営する建設業退職金共済制度(以下、建退共)の電子申請専用サイトとAPI(※1)連携する新機能を開発しました。2026年7月上旬より一部のお客様を対象に先行して提供を開始します。建退共が提供するAPIを活用した民間クラウドサービスとしては、業界初の取り組みとなります。』
※1:API(Application Programming Interface):異なるアプリケーションやシステムをつなぎ、機能やデータを連携させる技術。
引用元:エムシーディースリー株式会社プレスリリース(PR TIMES掲載)
建退共は建設技能者の退職金を支える重要な制度ですが、現場で運用する企業側には少なくない事務負担が発生します。 従来は証紙の購入や配布、管理が必要だったほか、電子ポイント方式へ移行した後も、対象技能者の確認や就労実績の収集、申請データの作成などを手作業で行うケースが多くありました。
特に複数の現場を抱える元請会社では、協力会社から情報を集めるだけでも大きな手間がかかります。担当者による管理方法の違いや引き継ぎ不足によって、運用が属人化してしまうことも珍しくありません。 その結果、本来は技能者の将来を支えるための制度であるにもかかわらず、活用のハードルが高くなってしまうという課題がありました。
今回発表された新機能では、建設サイト・シリーズ内に登録された情報を活用し、建退共申請に必要なデータを自動的に連携できるようになります。 具体的には、会社情報や工事情報、技能者情報、さらには現場の入退場記録などを活用しながら、申請データの作成から電子申請までを効率化します。
また、申請前のエラーチェックも自動で実施されるため、入力ミスや登録漏れによる手戻りも減らせると期待されています。 これまで担当者が行なっていた情報収集やデータ整理の時間を削減できるため、施工管理や安全管理など本来注力すべき業務へ時間を振り向けやすくなるでしょう。
引用元:エムシーディースリー株式会社プレスリリース(PR TIMES掲載)
この機能の価値は単なる業務効率化だけではありません。 建設現場では、誰がどの日にどれだけ働いたのかを正確に把握することが重要です。
今回の仕組みでは、通門管理機能による入退場記録を就労実績の根拠として利用できるため、客観的なデータに基づく掛金申請が可能になります。 これにより、担当者ごとの判断の違いや管理ミスを減らし、公平性の高い運用が期待できます。
結果として、技能者一人ひとりの就労実績が適切に退職金へ反映されやすくなり、将来の安心につながります。処遇改善や人材定着を進めたい企業にとっても見逃せない取り組みといえるでしょう。
特に中小規模の建設会社では、限られた人員で現場運営と事務作業を両立しなければならないケースが少なくありません。 そのため、制度対応にかかる時間を削減できるクラウドサービスやデジタルツールの活用は、今後さらに重要になると考えられます。
また、公共工事だけでなく民間工事中心の事業者にも建退共の活用が広がれば、業界全体の処遇改善にもつながります。人材確保が課題となる中、福利厚生や退職金制度の充実は採用競争力にも影響を与える要素です。
DXは単なるIT化ではなく、人材確保や企業経営を支える基盤になりつつあります。今回の取り組みは、その具体例の一つといえるでしょう。
建退共の電子ポイント方式に対応した新たなAPI連携機能は、申請業務の効率化だけでなく、技能者の退職金確保や処遇改善にもつながる可能性を持っています。
建設業界では今後も制度運用のデジタル化が進むことが予想されます。事務負担の削減と人材定着の両立を目指すためにも、こうした新しい仕組みやサービスの動向に注目しておきたいところです。
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「建設円陣PLUS編集部」は、建設業界に特化したプラットフォーム「建設円陣」を運営する株式会社エンジョイワークスの編集チームです。中小建設業の経営・人材・現場課題を、国土交通省・厚生労働省、業界専門紙や公的機関の情報をもとに解説します。