記事を読み込み中です

結論から言うと、耐震化や治水対策への投資は、もはや「感覚」ではなく「数値」で効果を語れる時代に入りました🌊。
内閣官房は令和8年9月11日、第21回国土強靱化(国土強靱化とは:大規模な地震や豪雨などの災害に備え、平時から国土や社会経済システムを強く、しなやかにしておく国の政策)推進会議を開き、「起きてはならない最悪の事態」の定量化の試行結果や、令和8年熊本地震・千葉豪雨における取組効果の事例を提示しました📊。
防災インフラの整備を担う建設業にとって、これは今後の公共工事の方向性を読み解く重要な手がかりになります。
背景にあるのは、限られた予算の中で強靱化事業の優先順位をどう決めるかという課題です👉。
内閣官房が示した資料では、「現時点では、データの制約から、現況を定量的に整理できる『起きてはならない最悪の事態』は一部のみ」と率直に課題を示しつつも、南海トラフ巨大地震や首都直下地震の被害想定の変化、実際の災害での効果事例を積み上げることで、施策の効果を「見せる」努力が進められています。
南海トラフ巨大地震では、建物倒壊による死者数の想定が平成24年度の約8万2千人から令和6年度には約7万3千人へと減少しました。背景には、住宅耐震化率が平成25年度の82%から令和5年度には90%まで向上したことがあります。
地震火災による死者想定も、密集市街地(密集市街地とは:老朽化した木造建築物が密集し、火災が燃え広がりやすい市街地)の危険度解消率が平成23年度の0%から令和7年度には83%まで進んだことで、約2万1千人から約1万7千人へと減少しました。
首都直下地震でも、感震ブレーカー(感震ブレーカーとは:地震の揺れを感知して自動的に電気を止め、通電火災を防ぐ装置)の普及率が令和6年度の30%から令和7年度には83%まで拡大し、地震火災の死者想定を押し下げています。
出典:内閣官房ウェブサイト(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/suisinkaigi/joukyou_dai21/index.html)
実際の災害でも効果は確認されています。令和8年の熊本地震(最大震度7)では、熊本県宇城市の亀松西部排水機場が令和3年度に耐震基準で新設されていたため、「舗装のひび割れといった軽微な被害に留まり、排水機能に影響がなかった」と報告されました🏗️。熊本市の緑川では、平成28年の熊本地震後に7箇所で地盤改良工事が実施されており、今回の震度6強でも液状化対策箇所には大きな変状が見られませんでした。宇城市松橋町の砂川大橋も、橋脚の巻立補強と落橋防止装置により大きな被害を免れ、緊急輸送道路としての機能を維持しています。青森県では、八戸圏域水道企業団が事業費59.1億円(うち5か年加速化対策分46.4億円)をかけて水道管の耐震化を進め、送水管の耐震管率を全国平均32%に対し85%まで高めていました。令和7年12月8日の青森県東方沖地震(震度6強)では、この対策により「大規模かつ長期的な断水を回避できた」と報告されています。千葉県の一宮川でも、令和元年10月25日豪雨で4,337戸(床上2,264戸、床下2,073戸)が浸水したことを受け、約3kmの河道拡幅や調節池の整備などの流域治水対策が進められました。令和8年8月にはこれと同程度の雨量に見舞われましたが、堤防からの越水は確認されませんでした。なお浸水家屋数については同月23日16時時点の暫定値段階とされており、確定値は今後示される見込みです。

出典:内閣官房ウェブサイト(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/suisinkaigi/joukyou_dai21/index.html)
こうした効果データの蓄積は、今後の公共工事のあり方にも影響していきそうです。
内閣官房は、第1次国土強靱化実施中期計画の全KPI(KPIとは:施策の進捗状況を数値で測る重要業績評価指標)の進捗をバーチャート形式で示す「ダッシュボード案」も提示しました。都道府県別の進捗率も色分け表示され、誰でもオープンデータ(オープンデータとは:誰でも自由に利用・二次利用できる形式で公開されたデータ)としてダウンロードできる仕組みが検討されています。
効果が数値で「見える」分野には、今後も継続的に予算が振り向けられやすくなると考えられ、耐震化・排水施設・治水インフラといった分野は引き続き公共工事の中核であり続けそうです。
出典:内閣官房ウェブサイト(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/suisinkaigi/joukyou_dai21/index.html)
建設業に携わる皆さんにとって重要なのは、こうした「効果が実証された分野」の情報を早めにキャッチし、自社の技術・実績をその文脈でアピールできるようにしておくことです👇。耐震化工事や排水機場の更新、河道拡幅など、実績のある工法や過去の施工事例を整理しておくことは、今後の入札や提案の場面で強みになります。
ダッシュボードが公開された際には、自社が拠点を置く都道府県のKPI進捗状況をチェックし、遅れている分野に商機がないかを探ってみるのも一つの方法です。
熊本地震や千葉豪雨での具体的な効果事例、そして被害想定の改善は、耐震化や治水対策への投資が着実に成果を上げていることを示しています🙌。
効果が数字で語られる時代だからこそ、実績とデータを味方につけて、次の商機をつかんでいきましょう。
本サイトについて、ご質問・ご相談がある場合は、下記のお問い合わせフォームからお気軽にお寄せください。
台風シーズンに向けて防災インフラ整備の需要が高まる今こそ、協力会社探し・人手確保には無料の建設業向けマッチングサービス『建設円陣』へのご登録がおすすめです(緑のバナーをクリック)。
出典:国土強靱化推進会議(第21回)配布資料(内閣官房)(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/suisinkaigi/joukyou_dai21/index.html)をもとに作成
➡関連記事:熊本県益城町、仮設団地跡地に公園と住宅の新拠点づくりが本格始動🏡
➡関連記事:産業を守る新・砂防制度誕生、国交省が砂防予算を1.39倍に拡充
➡関連記事:朝は涼しいのに危険?9月の現場は昼の暑さに注意
お問い合わせフォームを読み込んでいます。お問い合わせページもご利用いただけます。
お問い合わせフォームを読み込み中です「建設円陣PLUS編集部」は、建設業界に特化したプラットフォーム「建設円陣」を運営する株式会社エンジョイワークスの編集チームです。中小建設業の経営・人材・現場課題を、国土交通省・厚生労働省、業界専門紙や公的機関の情報をもとに解説します。