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「おい、桟木持ってきて」。現場に入ったばかりの頃、こう言われて資材置き場で固まってしまった経験はありませんか。
桟木(さんぎ)は、型枠工事から資材の仮置きまで、建設現場のあらゆる場面で登場する現場の名脇役です。ところが、あまりに身近すぎて、寸法や種類をきちんと教わる機会は意外と少ないもの。
今回は、新人職人さんにも、教える立場のベテランさんにも役立つ桟木の基本をわかりやすくまとめました。
桟木とは、断面が小さな長方形の細長い木材のことです。柱や梁のように建物を支える主役ではなく、補強・下敷き・仮固定といった「縁の下」の役割を担います。
特に多く使われるのが型枠工事で、コンパネ(コンパネとは:コンクリート型枠用の合板のこと。一般的なサイズは900×1800mm)の裏に打ち付けて、板がたわまないように補強するのが代表的な使い方です。
なお、屋根工事で瓦を引っかけるために使う「瓦桟(かわらざん)」も桟木の仲間ですが、こちらは型枠用よりさらに細い材が使われます。同じ「桟木」という言葉でも、職種や用途によって指すものが違うと覚えておくと、現場での聞き間違いを防げます。
※画像はイメージです
現場でよく流通している桟木の断面寸法は、主に24×48mmと27×60mmの2種類です。ホームセンターの建材コーナーでも、この2サイズが中心に並んでいます。長さは2m・3m・4mが一般的で、型枠用では4m材がよく使われます。
24×48mmは軽くて扱いやすく、型枠の補強や細かな仮設作業に向いています。27×60mmはひと回り太く、たわみにくいので、資材の下敷きなど荷重がかかる場面で安心感があります。
ただし表示はあくまで「約」の寸法です。特に乾燥させていない材は数mm程度の誤差や反りがあることを前提に使いましょう。
桟木の樹種は杉・米松(べいまつ)・唐松(からまつ)・赤松などが代表的です。杉は軽くて価格が手ごろ、米松は強度があり、唐松は釘の保持力が高く折れにくいことから、型枠の補強材として好まれています。
もうひとつ見ておきたいのが乾燥状態です。グリーン材(グリーン材とは:伐採後に乾燥工程を経ていない未乾燥の木材)は安く手に入りますが、乾くにつれて反りや縮みが出やすいのが難点です。
一方、KD材(KD材とは:Kiln Dryの略で、乾燥機で人工的に乾燥させた木材)は寸法が安定しやすい反面、価格はやや高めになります。使い捨てに近い仮設用途ならグリーン材、精度が欲しい場面ならKD材と使い分けるのが、コストを抑える賢い選び方です。
型枠の補強と並ぶ桟木の大きな出番が、資材の下に敷く「まくら」としての使い方です。地面に直接資材を置くと湿気や泥で傷みますし、持ち上げるときに手やフォークを差し込む隙間も作れません。桟木を等間隔に敷くだけで、資材の保護と荷役のしやすさが大きく向上します。ほかにも、仮の定規や養生シートの押さえなど、アイデア次第で活躍の場はどんどん広がります。
一方で気をつけたいのが転用(再利用)時の安全確認です。型枠の解体後に回収した桟木には、抜き忘れた釘が残っていることがよくあります。踏み抜き事故を防ぐため、再利用する前に釘を抜くか曲げておく習慣をつけましょう。
また、割れや腐れのある桟木を荷重のかかる場所に使うのは危険です。足場や手すりなど、安全に直結する部分の代用品にしないことも徹底しておきたいポイントです。
管理面では、桟木は束単位で販売されることも多いため、現場ごとに必要本数を拾い出しておくと発注の無駄が減ります。余った材は寸法・長さ別にまとめて保管しておけば、次の現場でもスムーズに使い回せます。
※画像はイメージです
桟木は地味な存在ですが、寸法・樹種・乾燥状態の違いを知っているだけで、材料の無駄も現場のヒヤリも確実に減らせます。まずは「24×48と27×60」を合言葉に、新人さんへの声かけや資材管理にぜひ役立ててください。
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