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結論からいうと、国の新しい熱中症対策の計画案に、「猛暑期間・時間の作業回避」を公共・民間を問わず全ての工事で進めるという一文が入りました。これまで発注者や元請けごとに判断が分かれていた「暑い時間は作業を止める」という考え方が、国の計画に位置づけられる見込みです。
環境省は2026年10月28日、中央環境審議会環境保健部会熱中症対策小委員会(第3回)をオンラインで開き、次期熱中症対策実行計画の骨子(案)を示しました。熱中症対策実行計画(熱中症対策実行計画とは:気候変動適応法に基づき、国・自治体・事業者などの役割と具体策をまとめた国の計画)は、今後おおむね5年間の取組を示すものです。
本記事では、この骨子案のうち現場で働く人や中小建設会社に関わる部分を整理します。
骨子案の建設業の項目には、屋外で働く建設業従事者の労働環境の改善のためにも、国土交通省の「建設工事における猛暑対策サポートパッケージ」に基づいて取組を進めると書かれています。ポイントは「公共・民間を問わず」という部分です。
公共工事だけでなく、民間の工事でも猛暑の期間や時間帯の作業を避ける取組を推進する方向が、計画の文言として示されました。担当省庁は国土交通省です。
あわせて職場全般については、厚生労働省の担当として改正労働安全衛生規則(労働安全衛生規則とは:事業者が守るべき労働者の安全・健康のルールを定めた厚生労働省令)の内容を周知する方針が示されています。具体的には、熱中症のおそれのある作業者を早く見つけるための体制整備、重篤化を防ぐ措置の実施手順の作成、関係作業者への周知の徹底です。
さらに、職場の熱中症防止ガイドラインを周知し、事業者による作業環境管理や作業管理を推進するとしています。
現行計画では、2030年の中期目標として熱中症による死亡者数(5年移動平均)を現状から半減させることを掲げています(5年移動平均とは:直近5年分の数値を平均し、年ごとの変動をならした値)。
骨子案に示された現状値は、平成29年から令和3年の5年移動平均で1,145人、令和4年の概数を用いた5年移動平均で1,295人です。
次期計画案では、中長期的に半減を目指す姿勢を保ちつつ、まずは死亡者数1,000人以下を当面の目標とする考えが示されました。また、対策がどこまで進んだかを見るため、死亡者数以外の数値も参考指標にする方針です。
情報の受け取り方にも課題があります。熱中症警戒アラートの認知度は96%ですが、内容まで理解している人は48%にとどまるとされ、普及啓発を強化するとしています。
出典:環境省ウェブサイト(https://www.env.go.jp/council/05hoken/y0516-03.html)
骨子案では、死亡者の8割が高齢者で、その多くが屋内で亡くなっていることから、直接的な見守りや声かけを促すとしています。
またクーリングシェルター(クーリングシェルターとは:暑さを避けるために市町村が指定する冷房の効いた施設)について、全ての市町村での指定を目指す方針です。災害時の避難所では、エアコンや非常用電源に加えて再生可能エネルギーや蓄電池の整備も支援対象として挙げられています。現場周辺の休憩場所の検討や、高齢の職人さんへの声かけを考えるうえでも参考になる内容です。
小委員会は、第4回(12月頃)で計画改定の方向性を取りまとめる予定です。計画が固まれば、民間工事でも「暑い時間帯を避けた工程」が当たり前に求められる場面が増えると考えられます。
今のうちに、夏場の作業時間帯の組み方、熱中症の疑いがある人を見つけたときの連絡・対応手順、その手順を作業員に伝える方法を、社内で一度見直しておくと安心です。工期や人員配置への影響も、発注者と早めに話し合える準備をしておきましょう。
出典:環境省ウェブサイト(https://www.env.go.jp/council/05hoken/y0516-03.html)
次期熱中症対策実行計画の骨子案では、猛暑期間・時間の作業回避を公共・民間を問わず全ての工事で進める方針が示されました。暑さ対策は「頑張って乗り切る」から「時間をずらして守る」へ。来年の夏に慌てないよう、工程と体制の準備を少しずつ始めていきましょう。
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出典:熱中症対策小委員会第3回_議事次第・資料「資料3 次期熱中症対策実行計画の骨子(案)」(環境省)(https://www.env.go.jp/council/05hoken/y0516-03.html)をもとに作成
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