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建設業では、売上や利益の数字は毎月確認していても、「売上にならない時間」まで数字として考えている会社は意外と多くありません。
現場への移動、材料待ち、確認のための電話、やり直し、社長への確認待ちなど、一つひとつは小さな時間でも、積み重なると会社の利益を圧迫します。特に少人数で仕事を回す中小企業では、この時間を放置しないことが経営改善の第一歩になります。
例えば、現場から事務所への連絡が一度で済まず、確認のために何度も電話をするケースがあります。担当者が不在なら折り返しを待ち、返事を受けてから再び現場へ連絡する。合計すれば数十分でも、人数が増えたり、案件が重なったりすれば無視できない時間になります。
別の現場では、必要な材料がそろわず、職人が作業を止めて待つこともあります。材料の到着が遅れた原因が発注の確認漏れなら、単なる待ち時間ではなく、準備段階で減らせた時間です。こうした時間は売上として請求しにくい一方、会社側では人件費や車両費などのコストが発生しています。
重要なのは、「忙しいのに、なぜ利益が残らないのか」と考えたとき、売上だけを見ないことです。
会社の損益を見るとき、材料費や外注費、車両費などは金額として把握できます。一方、待ち時間や探し物、確認の往復といった時間は、帳簿にそのまま表示されません。しかし、社員や職人が動いている以上、そこには人件費が発生しています。
例えば、職人4人が30分ずつ材料待ちになれば、合計2時間です。1回だけなら大きく感じなくても、月に10回起きれば20時間になります。さらに、移動や確認の時間まで重なれば、「仕事をしているのに利益につながらない時間」がかなりの割合を占める可能性があります。
ここで意識したいのが、時間当たりの売上です。時間当たりの売上をざっくり把握するだけでも、普段見過ごしていたロスに気づきやすくなります。
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時間のロスを記録するとき、最初から細かい管理表を作る必要はありません。まずは1週間程度、気になった時間を簡単にメモしてみます。
「材料待ち30分」「現場への確認電話15分」「図面を探して10分」「職人の手直し40分」など、原因と時間だけでも十分です。
ポイントは、時間の長さだけで犯人探しをしないことです。例えば材料待ちが多かったとしても、発注担当者だけの問題とは限りません。施工予定の変更が共有されていなかった、材料の納期確認が曖昧だった、現場側が必要日を伝えていなかったなど、複数の原因が考えられます。
「誰が悪かったか」ではなく、同じ時間のロスをもう一度起こさないには何を変えるかを見ることが重要です。
特に注意したいのが、毎回発生している小さなロスです。
「社長に聞けば分かる」「担当者に電話すればいい」「いつもの材料だから大丈夫」といったやり方は、慣れている会社ほど問題になりにくい反面、特定の人に確認が集中する原因になります。
例えば、社長が外出していると仕事が止まる、事務担当者が休むと請求処理が進まない、ベテランがいないと材料の場所が分からない。この状態では、本人が悪いのではなく、情報や判断が一人に集中していることが時間のロスにつながっています。
対策は、難しい仕組みを導入することとは限りません。材料の置き場所を決める、よく使う連絡事項を一つの場所に残す、発注時に「数量・納期・現場名」をセットで確認するなど、誰でも同じようにできる手順を一つずつ決めるだけでも変わります。
時間のロスを減らしたら、その時間を何に使うかまで考えることも大切です。
例えば、毎週2時間の確認作業を減らせたとして、その時間を見積作成や既存客への連絡、次の現場の準備に回せれば、単なる時短ではなく売上につながる可能性があります。
また、現場の負担が減れば、急な依頼に対応できる余裕も生まれます。人手が限られる中小企業では、人数をすぐ増やせないからこそ、今いる人が売上につながる仕事に使える時間を増やすことが重要です。
「忙しいから仕方がない」で終わらせず、「この時間は本当に必要なのか」と一度立ち止まってみる。それだけでも、仕事の進め方を見直すきっかけになります。
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売上にならない時間は、帳簿には見えにくくても会社の利益を少しずつ削っています。まずは待ち時間、確認、探し物、手直しなどを1週間だけ記録し、どこで時間が止まっているのかを確認してみましょう。
大きな改革をいきなり始める必要はありません。毎日の「ちょっとしたムダ」を一つずつ減らすことが、限られた人員で利益を残す経営につながります。
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