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令和8年3月27日、国土交通省は「建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決定しました。参議院の公式な議案審議情報によると、この法律案は衆議院国土交通委員会で6月3日、衆議院本会議で6月4日にそれぞれ可決され、参議院に送付。参議院国土交通委員会には7月15日に付託され、7月23日に可決されています。📋
今回の改正の一番のポイントは、建築物のライフサイクルカーボン(LCC)、つまり資材製造から解体までの二酸化炭素排出量を評価する制度が新しく創設されることです。🌱
これまで「省エネ」といえば建物を使っているときの性能が中心でしたが、これからは建てる前の資材づくりから、壊すときの解体までまるごと評価される時代になります。中小の建設会社にとっても、決して他人事ではない制度変更です。
国土交通省の資料によると、国内のCO2排出量(推計)のうち、建築分野が占める割合は約4割にのぼるとされています。🏢その内訳を見ると、資材製造・施工・解体による排出が約1割、建築物の使用による排出が約3割となっており、「建てる・使う・壊す」のすべての段階で対策が必要という背景があります。
2050年のカーボンニュートラル実現に向けては、2025年に新築の省エネ基準適合を全面義務化し、2030年には新築の建物をZEH・ZEB水準にすること、さらに2050年にはストック(既存建物)平均でZEH・ZEB水準を目指すというロードマップが示されています。⏳
出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_001129.html)
今回の法律案には、大きく4つの新しい仕組みが盛り込まれています。
1つ目は「建築物のライフサイクルカーボン評価制度」です。建築主・建築士・建設業者・建築材料等製造等事業者に努力義務を課し、国が統一の算定ルールとなる指針を策定します。さらに、特定の用途・一定規模以上の建築物については、着工の14日前までにLCC評価の結果を国土交通大臣へ届け出ることが義務化されます(対象の用途・規模は政令で規定)。
2つ目は「先導的な省エネ技術を評価する大臣認定」です。ペロブスカイト太陽電池のような特殊な構造・設備を用いた建築物について、国土交通大臣が誘導基準と同等の性能を持つと個別に認定し、容積率の特例なども受けられるようにする制度です。⚡
3つ目は「上位住宅トップランナー制度」。市場のおおむね1/4を占める住宅供給事業者を対象に、目標を含む中長期計画の策定と毎年度の取組状況報告を義務づけます。🏠
4つ目は「建築物の環境性能の第三者認証・表示制度」です。建築主などが国土交通大臣の登録機関による第三者認証を受け、建物や広告に標章を表示できるようになる一方、紛らわしい表示は禁止されます。✅
脱炭素対応や省エネ性能の見える化が進むなか、これからの建設現場では「信頼できる協力会社の確保」や「環境対応に強い人材の育成・確保」がこれまで以上に重要になります。🤝
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資料に示された施行期日を見ると、LCC評価制度・上位住宅トップランナー制度・第三者認証制度は公布の日から2年以内に、先導的な省エネ技術を評価する大臣認定制度は公布の日から1年以内に施行される予定です。🗓️
中小の建設会社にとっては、まず「LCC評価の実施に協力する努力義務」が設計・施工の現場に降りてくる可能性がある点に注意が必要です。
設計を受託した建築士が建築主にLCC評価に必要な事項を説明する義務も位置づけられているため、元請け・下請けを問わず、資材の炭素排出量原単位に関する情報を扱う機会が増えていくと考えられます。🔍あわせて、法律の名称自体も改められる予定で、業界全体で脱炭素対応が一段と重視される流れが強まりそうです。
対象となる用途・規模などの詳細は今後政令で定められる予定ですが、中小の建設会社としては早めに情報収集を始めておくことが安心につながります。
具体的には、普段取引のある建築材料等製造事業者がどのような炭素排出量原単位のルールに対応しているかを確認すること、設計事務所や建築士との情報連携をスムーズにしておくこと、そして自社が手がける建物の省エネ性能をわかりやすく発注者に説明できるようにしておくことが挙げられます。👉
第三者認証・表示制度が始まれば、環境性能の高さをアピールできる会社ほど選ばれやすくなる可能性もあります。🌟制度をコストとしてだけでなく、自社の強みを見せるチャンスとしてとらえておくとよいでしょう。
建築物省エネ法の改正は、建築分野が抱えるCO2排出量の課題に、資材から解体まで一貫して向き合うための大きな一歩です。
参議院国土交通委員会での可決を経て、今後1〜2年以内に段階的に施行が進む見通しですが、制度の中身を早めに理解しておくことが、中小の建設会社にとっても安心材料になります。😊
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出典:「建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決定(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_001129.html)/議案審議情報(参議院)(https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/221/meisai/m221080221039.htm)をもとに作成
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