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建設会社では、工事を受注して初めて売上が立つように見えます。しかし実際の現場では、見積もり、現地調査、電話やメールでの確認、図面の修正、材料の手配、元請けとの打ち合わせなど、請求書に表れない仕事が数多く発生しています。
問題は、それらを「営業だから」「付き合いだから」と無料のまま扱い続けると、忙しい会社ほど利益を失いやすくなることです。 「無料でやっている仕事」を一度数えてみると、自社の本当のコストが見えてきます。
最初に確認したいのは、社員や職人が工事以外にどれだけ時間を使っているかです。
例えば、受注前の現地調査、何度も繰り返す見積変更、材料や施工方法についての問い合わせ対応、工程調整、写真整理、追加工事の相談などがあります。 一つひとつは数十分程度でも、積み重なると大きな時間になります。
特に経営者や現場監督が対応している場合、本来なら受注活動や現場管理、若手教育に使える時間が削られます。 ここで重要なのは、「無料の仕事が悪い」と考えないことです。
無料対応が受注につながる場合もあります。問題なのは、どの仕事に時間を使い、どこまでを無償対応とするのかが会社の中で決まっていないことです。
※画像はイメージです
例えば、現場監督が1時間かけて見積変更に対応したとします。その時間に人件費が発生していることは明らかですが、見積書には「見積変更対応1時間」とは通常記載しません。
さらに、移動時間や電話、社内確認まで含めれば、実際の負担はもっと大きくなります。10件の案件で同じ作業を繰り返せば、1件では小さく見える時間が会社全体の大きな固定的負担になります。
特に注意したいのが、「受注できなかった案件」にかかった時間です。受注ゼロなら売上はありませんが、調査や打ち合わせに使った時間は戻ってきません。だからこそ、無料対応の総量を把握することが経営改善の出発点になります。
では、現地調査や見積もりをすべて有料にすればよいのでしょうか。必ずしもそうではありません。 重要なのは、無料対応する範囲を決めることです。
例えば、初回相談と簡易見積もりまでは無料、それ以上の詳細な調査や図面作成、何度も発生する仕様変更は、案件の内容に応じて有償化を検討する方法があります。 また、無料にする場合でも「どの程度の時間まで」と社内基準を設ければ、担当者によって対応がばらつくことを防げます。
営業上必要なサービスと、単なる過剰対応を分けることが大切です。
大がかりなシステムを導入する前に、1カ月だけ記録してみる方法があります。
「案件名」「作業内容」「担当者」「かかった時間」「受注につながったか」の5項目を簡単に残します。紙でも表計算でも構いません。 1カ月後に集計すると、「見積変更に毎週これだけ時間を使っている」「受注につながらない現地調査が多い」「経営者自身が問い合わせ対応に時間を取られている」といった傾向が見えてきます。
その結果をもとに、見積条件を整理する、依頼内容を事前に確認する、同じ質問への回答をテンプレート化する、対応窓口を決めるなど、具体的な改善につなげられます。
建設会社にとって、無料で行なっている仕事は必ずしも無駄ではありません。むしろ、受注につながる大切な営業活動や顧客対応であることもあります。だからこそ、「無料だから仕方ない」で終わらせず、どれだけ時間を使い、どれだけ受注や顧客満足につながったのかを確認することが重要です。
工事の売上だけを見ていると、会社が本当に忙しい理由が分からないことがあります。無料でやっている仕事を数えることは、自社の時間がどこに消えているのかを知る作業でもあります。
まずは1カ月、記録する。それだけでも、これまで見えていなかった利益改善のポイントが見つかるかもしれません。
「無料でやっている仕事」を数えると、建設会社の利益を圧迫している見えない負担が浮かび上がります。すべてを有料化するのではなく、無料にする範囲と時間を決め、受注への効果も確認することが大切です。
まずは1カ月の記録から、自社の時間の使い方を見直してみてはいかがでしょうか。
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